2015-01-01から1年間の記事一覧

「コニーデ型火山」のコニーデって何だろうと思って検索していたら以下のようなサイト。 http://kazan-g.sakura.ne.jp/J/QA/topic/topic22.html 「アスピ−テやトロイデなどの火山地形は何語でしょうか。語尾からするとイタリア語などのラテン語起源のような…

小学一年生の頃つまり1969年頃、たまたま漫画雑誌で読んだ連載の一部を覚えているのだがそれが何だか分からない。 主人公の男は、海岸で懲役囚にされていてそこから脱出しようとしている。仮死状態になる薬を呑んで、死体として海辺へ放り出されたらよし、棺…

名古屋の歌

国会図書館OPACで『女と男・はじまりは語ることから 「名古屋の歌」の意味するもの』奥村和子・松本八重子共編著 ユニテ 1990 というのをだいぶ前に見つけて、はて何の本かと思い、「名古屋の歌」ってのは何かエロティックな歌なのかと思っていた。この本、…

凍雲篩雪

九月下旬号本誌で齋藤慎爾氏が私の『このミステリーがひどい!』(飛鳥新社)の書評を書いて下さった。ほとんど書評は出ていないのでありがたいが、齋藤氏は推理小説が好きらしい。小説であれ映画であれ、好き嫌いというのは最終的には仕方のないもので、私…

円地文子の『鹿島綺譚』(集英社文庫)を読んでいたら、これは「ししじま」と読み、熊本県の獅子島のことである。東京の人類学の学者たちが、この島の近親姦について調べるうち、学者の間で恋愛事件が起きたりするという通俗小説で、1963年『文藝春秋』に連…

梯久美子は「島尾ミホ伝」を延々連載中だが、『愛の顛末』というのが出た。これは文壇情炎史みたいなもので、ミホ伝に比べたら余技的というほかあるまい。 中に二つ間違いがあり、宇野千代が梶井基次郎と知り合ったのを「川端(康成)の紹介」と書いている引…

最近は、作家・文筆家の生計が話題になることも多く、研究書や論文もいくつか出ているが、児童文学作家のほうはよく分からない。 『日本児童文学』1992年11月号が「児童文学の『経済学』」を特集しており、何点かはこの点に触れた原稿が載っている。 もうそ…

岩瀬法雲という人

岩瀬法雲という人がいた。名前を見ると坊さんのようだが、坊さんである。しかし『源氏物語と仏教思想』という本を書いている。この本の奥付には「明治三一年、大阪市東住吉区生まれ。その後のことはあとがきに」とある。で、あとがきを読むと、農家の次男に…

臼井吉見と平野謙

私が高校生の時に使っていて今でも座右に置いている京都書院の『現代国語総覧』の文学史年表は、最後のところが変である。1974年のところで、丸谷才一の「横しぐれ」の次に「『安曇野』対談」という、臼井吉見と平野謙の対談があり、75年は林京子の『祭りの…

博士論文の文学者

西本晃二先生の『落語「死神」の世界』は東大唯一の落語に関する博士論文である。西本先生はフランス文学の博士号はカナダのラヴァル大学でとっている。 それで、「落語」をキーワードにしてNDLで調べたら、博士論文は四つあった(全国で)。そこでほかの文…

「出口」と「種村」

『en-taxi』の最終号が届いた。この雑誌は、創刊号から送られてきて、しかるにいっぺんも原稿依頼がなかった。まるで玄関に黙って立っている女のようだ。 さてそこに、坪内祐三による出口裕弘の追悼文が載っていたので読んだのだが、どうもおかしい。種村季…

沖浦和光が死去した。沖浦は元英文学者で、のち日本の歴史・民俗の研究者になった。九年前、同氏が『「悪所」の民俗誌』(文春新書)を出した時、遊女は聖なるものかどうか論争があるが、私は聖なるものだと思いたい、今度はそういう本を書きたい、としてい…

サイデンステッカーと鶴田先生

サイデンステッカーの『源氏日記』は、『源氏物語』の英訳をしていた1971年から75年までの日記の抜粋で、場所は東京とアナーバー。これは面白い。中に鶴田欣也先生が出てくる。73年、トロント大学からブリティッシュ・コロンビア大学へ移る直前で、一緒に神…

若乃花(初代)涙の土俵

初代若乃花(のち二子山親方、理事長)は、横綱がかかった1956年九月場所前に、幼い息子がちゃんこの熱湯を浴びて死ぬという悲運に見舞われ、数珠を手に土俵入りして優勝した。 ところでこの事故について、 http://www.jiji.com/jc/v?p=legend0002 「ひっく…

未成年者喫煙禁止法

内田百間は子供の頃煙草を喫っていた。なんでかと訊いたら、「子供が煙草を喫ってはいけないという法律がなかったからだ」と答えたという話が逸話集に載っていたが、別に百間が奇抜なことを言ったわけではなく、明治33年(1900)に未成年者喫煙禁止法ができ…

木戸孝允の言葉

木戸孝允は、西南戦争の最中に病死した。その床でうわごとに「西郷も、もう大抵にせんか」と言ったことになっている。大河ドラマ『翔ぶが如く』では、田中健の木戸はそうしていたのだが、最近様子が変わってきている。『八重の桜』では、及川光博の木戸が、…

林真理子の『マイストーリー 私の物語』を読んでいたら、どうも腑に落ちないことが多かった。自費出版を描いたものだが、この題材では、百田尚樹の『夢を売る男』が傑作なので、難しい。さて帯の前面には「なぜ、ひとはこれほどまで『私』を曝け出したいのか…

林連祥とシンガポール

昔シンガポール大学にいた林連祥という教授の訃報が届いたのだが、私はこの林教授に会ったことはない。林教授は確か1992年に平川・鶴田組を招いて漱石『こゝろ』の学会をシンガポールでやり、IBMの『無限大』に載った論文集を書評したのである。 そのあと…

吉野光の『棹歌』(2001)は美術史家・中島純司の自伝小説だが、東大美術史の教授連が出てくる。山根有三は山本、米沢嘉圃は米村、吉川逸治は吉澤など分かりやすい変名なのだが、助手の榊原だけが分からない。この榊原がひときわ奇行甚だしい。ところが辻惟…

修士論文を本にした例

(東大比較文学) 平川祐弘『ルネサンスの詩』内田老鶴圃 1961 のち講談社学術文庫 脇明子『幻想の論理」講談社現代新書 1974 四方田犬彦「空想旅行の修辞学」(七月堂)1996(あとになって) 西成彦『個体化する欲望 ゴンブロヴィッチの導入』朝日出版社、1…

http://laughy.jp/1411291412463135858 このヨタ記事。運営会社がある住所はソフトバンククリエイティブと同じ。 普通の記事に見せかけているが、最後のアマゾン提訴のところでの「もちろん全面敗訴」って何がもちろんなんだ。アマゾンは責任元は米国にある…

http://1000ya.isis.ne.jp/1236.html 志賀直哉である。長い。私は志賀直哉が何しろ嫌いなので、松岡の言うことの半分は分かるのだが、それは志賀が謎なんじゃなくて、志賀崇拝者が謎なのである。私は志賀直哉が好きだと言う人に、煙草を吸わせて貰いながらと…

やや必要があって、本多勝一の『日本語の作文技術』というのを見ていたら、エンツェンスベルガーの文章が引用してあった。それはまあ、国ぐにというのを理解できたためしがない、という、いくらか国家不信論みたいなものだったが、それを本多が絶賛して、 「…

2007年から09年まで「見てハッスルきいてハッスル」というNHK教育のテレビ番組を観ていたのだが、発達障害児向けの番組だと聞いたけれど、特段そういう感じはなく、花影流忍者のあやめ(中津真莉子-現在は中津真莉)とたけちよ(毛利大亮)、月影流忍者のツ…

文壇構成員

十月から東工大教授になった磯崎憲一郎が、文壇は四十人から五十人で構成されていると言う(『週刊文春』9月17日号)。そこでその四十人くらいを特定してみた。 (藝術院会員級)(あまり実権はなし) 黒井千次 津村節子 曾野綾子 五木寛之 三浦雅士 竹西寛…

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%83%E7%9F%B3%E4%BF%9D 千石保 1928年6月13日生まれ。 51年早大法卒、東京地検検事、法務総合研究所教官、総理府参事官をへて75年・・・ 典拠は『現代日本人名録』1987-2002

1978年に『レーシングカーに乗った聖者たち』で文藝賞を受賞した寺井澄(きよし)が受賞取り消しになっていた。どうやらこれは、同じ作品を別題名で野性時代新人賞に出していたためらしい。寺井はダンプ運転手で、作品もダンプの世界を描いたもののようだが…

江藤淳と堀田あけみ

江藤淳が、村上龍を「サブカルチャー」と評しながら、田中康夫を高く評価し、梅田香子を推したことはよく話題になるが、堀田あけみに対してどうだったかは不思議なほどに語られない。これ http://blog.livedoor.jp/ak870507/archives/50868242.html には、 …