西恵子といえば、「ウルトラマンA」の美川隊員である。瑳川哲郎の隊長が出動命令を出す時、「美川隊員は私と一緒に」といつも言っていて、隊長機に同乗する美女である。初期ウルトラシリーズでは唯一、戦闘隊内に美人が二人いた片方である。
その西恵子の、「A」から四年前のデビュー作「BG・ある19才の日記 あげてよかった!』(日活)がアマゾンプライムで観られたので、観た。大変つらいものがあった。これは「週刊女性」に読者が投稿して話題になった手記を原作としたもので、私は確かこの手記を読んだことがあるが、映画では、19歳の会社員女性が、好きになった妻子ある部長(二谷英明)に「処女をあげちゃう」という話で、全体がひどい。特にタチの悪い社員役で出てくる青島幸男が、女なんてのは押し倒してやっちゃえばいいんだ、あっちもそれを望んでるんだから的なセリフ通り、全編そういう感覚で作られているから、今では正視するに堪えないが、1980年でもつらかったろう。これはフェミがかった人が観ると怒りのあまり頭が爆ぜる危険性があるから注意しないといけない。
脱いでいるわけではないとはいえ、白黒だし、美人だけれどこの程度の美人は芸能界にはいくらでもいるという扱いが目に見えるという意味でもつらかった。「ウルトラマンA」のほうが、いかに「ジャリ番」でも良かったと思うほどで、西恵子が1980年に女優を引退して夫ともに喫茶店を始めたというのもこのデビュー作からその種はあったなと思うのであった。
(小谷野敦)


