2026-01-01から1ヶ月間の記事一覧
この数日、奥野健男の『三島由紀夫伝説』(新潮文庫)を読んでいた。これは1993年に新潮社から刊行された大冊で、藝術選奨文部大臣賞を受賞している。奥野は97年に71歳で死去し、この文庫版は奥野の意向を体して、森孝雅(三輪太郎)が三分の二に圧縮したも…
私は大岡昇平が好きなので、もう30年くらい前に、何か一冊書こうかと思ったが、『武蔵野夫人』が面白くないし、『花影』も、高見順が言った通り、大岡の家庭で起きたこととかを省いているため肝心のところがない。それに『レイテ戦記』を読んでいない。戦記…
浅羽通明という人が、2007年の著書でだったか、もう天皇制批判を強く言うのはやめる、と宣言したことがあって、あとで見た私は、「保身」を感じて、ちゃんと言うべきじゃないかと言ったことがある。 昨年、東京科学大学(旧東工大)で比較文学会があり、最後…
佐伯彰一先生の『回想(メモワール)』(文藝春秋、2003)に、リチャード・マッキノンというバイリンガルの日本文学研究者が出てくる。マッキノンは父親が小樽高商で英語を教えており、母親が日本人で、小樽生まれのバイリンガルだったという。小樽高商では…
保田與重郎という文藝評論家がいた。戦前、『日本浪曼派』に拠って「戴冠詩人の御一人者」とか「エルテルは何故死んだか」とかを書いた人である。つまり右翼批評家だったが、戦後になっても「転向」しないで批評活動を続けた。剣豪作家で芥川賞作家の五味康…
必要があって図書館から「スガ秀実コレクション1」を借りだしたら分厚い本なので難儀した。パラパラ見ていたら中上健次のことが書いてあった。昭和天皇が死んだあと、桐山襲が天皇制に賛同した者らの名をあげて批判していたが、岡野弘彦と対談して右翼的なこ…
伊藤整『若き日の芸術家の肖像』→『若い詩人の肖像』
國分功一郎の新潮新書『目的への抵抗』は、高校生を相手とした講義録で二つ講演が入っていた。どちらもコロナ騒動に関するもので、前者はジョルジュ・アガンベンが、政府の外出規制に抗議して炎上したという話から、アガンベンの「保守主義」を國分が擁護す…