2006-01-01から1年間の記事一覧

城山三郎先生、明日は数えで八十一

『本の旅人』での城山三郎先生の連載が、十一月号から復活した。しかし今度は巻頭ではなく真ん中へん。再開第一回は、「甘粕大尉のこと」である。以下大要だが、編集者と話していて「甘粕大尉」の名が出たが、彼は知らなかった。戦争中の少年兵には、その名…

金井美恵子はやはり素敵である

日弁連が、著作権を五十年から七十年に延長することへの反対声明を出した。私の嫌いな日弁連にしては、今回はいいことを言っている。『一冊の本』12月号で金井美恵子もこの件について書いているが、金井美恵子久々のクリーンヒットである。米国で著作権を七…

プロコフィエフの天才

「のだめカンタービレ」ドラマ版をちょっと観たが、マンガ以上のくだらなさだった。あんなもの観るならオリアンスキーの『コンペティション』観る方がずっといい。なんでDVDにしないのかね。クライマックスでのプロコフィエフの三番コンチェルトのすばら…

鏡リュウジよ

週刊朝日に「スピリチュアルブームここがおかしい」とかいう題で鏡リュウジのインタビューが載っている。鏡は最近そういうことを言っているのだが、本来「アヤシイ」ものであるスピリチュアルが常識のように受け入れられているのはおかしい、と言う。 「アヤ…

「いじめ」はどこの国にもあるんだよ

朝日新聞の論壇時評といえば、しばしばバカなことを書くので有名だが、今日の杉田敦の「いじめと日本社会」もバカだった。いじめが日本特有の問題であるかのごとき、十年くらい前の事実誤認を今なお引きずっている。英国パブリックスクールのいじめがいかに…

酒井順子よ

角川のPR誌『本の旅人』に連載されている酒井順子の「ほのエロ紀行」は、男から見ると実に傍ら痛い。で、今月の『ランティエ』でそのことを書いたのだが、ちょうど届いた「本旅」1月号では、さらに変てこなことを書いている。「遊廓」の話であるが、私の目…

実相寺昭雄はホントにすごいか

こう、死んでから言うのはあれなんだが、実相寺昭雄というのは、そんなに偉い人だったのだろうか。「ウルトラマン」という枠の中でこそ実相寺演出というものが異質だったというのはあるが、それ以外の映画作品で、凄いのがあるか。私は代表作とされる「あさ…

歌舞伎雑談

永山武臣氏が亡くなった。私が高校時代に歌舞伎を見始めた頃から、筋書きで「ご挨拶」を書いていたのは永山氏だっただけに、感慨を禁じ得ない。「國文學」の歌舞伎特集を見ると、松竹の専務取締役・安孫子正が執筆しており、来月から「ご挨拶」は安孫子氏が…

三十路ニスト

女は三十代に限る、という男のこと。 - 昔の谷崎潤一郎賞の選評を東大へ行くたびに少しずつコピーしているのだが、古井由吉が「槿(あさがお)」(この字は「むくげ」で変換できる)で受賞したときのものを見たら「ゆうきち」とルビが振ってあった。二箇所に…

匿名批判、その他

私の嫌いな匿名批判だが、自分は名前を出して相手の名前を出さない「匿名批判」というのもあるようだ。昨日の毎日新聞夕刊の米本浩二の記事で、「仲間は生きろ、豚は死ね」の笙野頼子が、小説のなかで名前を出さずに坂東眞砂子を批判したと書いてあった。も…

リリー・フランキーを知らなかったよ

「en-taxi」という「文藝雑誌」は、四年くらい前の創刊だろうか、その時からなぜか送られてきている。が、原稿依頼はない。いや、なくてもいいのだが。 だが、謎だったのは、編集委員の一人、リリー・フランキーである。他の三人はもちろん知っているが、私…

いじめっ子に「愛」はあるか

私は『恋愛の昭和史』以来、「愛」とかラヴとかいう言葉は、人類愛や博愛に限定して使われるべきで、男女の愛とか家族愛とか、排他的な感情には使うべきではなかった、この二つをごっちゃにした西洋人が間違っていた、と言い続けている。 これを「いじめっ子…

日和ったな斎藤美奈子

「婦人公論」で斎藤美奈子が鹿島茂と対談しているのを読んだら「天皇制はあってもなくてもいい」と斎藤が言っていた。斎藤は「ないほうがいい」立場だと思っていたが、日和ったな美奈子。人はこうして、なし崩しに天皇制を認めていく。

小倉千加子よ

週刊朝日(12月22日号)で、小倉千加子が野田聖子について書いていた。野田の夫婦別姓論が女の側の家名存続のためであることはその通り。しかし皮肉なのか何なのか、夫婦別姓は少子化対策の起死回生の方策だと書いている。だが、現在の夫婦別姓案は、「子供の…

(削除されたがアマゾンのレビューで田中貴子が繁田信一の悪口を書いていた) 繁田信一は、『本郷』2006年9月号所載の「陰陽師と四神相応の地相」で、平安中期の『雲州消息』から、因幡守藤原氏から一陰陽師に宛てた手紙を引いている。そこでは、入手した山…

「ウーロンハイ」の謎

書こうと思ったら既に書いている人がいた。そりゃいるわな。http://www.goyard-club.com/fujiwara_blog/2005/08/post_60.html酎ハイは焼酎を炭酸で割ったもののはず。だから、ウーロンハイっておかしくない?炭酸入ってないのにハイって。だいたい、焼酎の酎…

筑摩書房のPR誌『ちくま』12月号の、笙野頼子の連載「小説」「おはよう、水晶−−おやすみ、水晶」の七回「ヴァーチャル・ナイト」の最後のページで、笙野は名前を出さずに私を中傷している。しかし明らかに私だと分かる。卑怯なことである。筑摩には、反論…

http://www.amazon.co.jp/gp/product/448042279X/sr=1-1/qid=1164633511/ref=sr_1_1/250-1238045-7173833?ie=UTF8&s=books いきなりアマゾンのレビューに田中貴子登場である。なんかいちゃもんをつけたいような、不思議な文章である。「近世を除いて前近代の…

呉智英先生、質問です!

話題になっているらしい。 イジメ自殺が社会問題となっている。新聞でもテレビでも識者と称する恥知らずたちが、おためごかしの助言を垂れ流して小銭を稼いでいる。イジメに苦しむ少年少女よ、あんなものが何の役にも立たないことは、君たち自身が一番良く知…

酒癖の悪いやつ

私は酒癖の悪いやつにはたびたびやな目に遭わされている。 1999年3月頃のことだ。私は、前の年から、阪大生協書籍部が発行している小冊子に、頼まれてエッセイを連載していた。阪大を辞めるので、それも終わりということになり、一度生協の集まりに来て…

井上はねこに勝訴

27日の判決文が今になってようやく届いた(31日着)。全面勝訴ではないが、30万円の支払いと削除、謝罪が命じられた。まだ控訴期間中だが。 民事執行センターはどうも交通の便が悪そうだ。 国相手の訴訟のほうは東京高裁で全面敗訴。上告状を出して、上告理…

雑感

今ちょっと「ウルトラマンA」のDVDを観ているのだが、キングクラブとの戦いでなぜかAが相撲のまねをした。あれは「鷲羽山」という地名が登場するから、ちょうど鷲羽山が新十両になったころだからだろうか。しかしあの当時は怪獣の命名の所以もいい加減…

『居場所もなかった』を酷評した荒川洋治はなぜ「無事」か

(活字化のため削除) しかし加藤典洋、「失敗作」と言いつつ綿矢りさにはヤサシイこと。女に甘いのは中年大学教授の通例かね。時評家にとりあげさせる、ってお前が取り上げてるんだろう。他の連中がとりあげるのも「綿矢りさだから」なのは分かりきっている…

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20050710 以上の日記の、「『新潮45』が反論を載せなかったのは、その文章が支離滅裂だったからであるというのが、担当者の説明である」 という箇所について、そのような事実はないと笙野から抗議が来たそうである。私…

タダほど高いものはない

なんだかミクシィもトラブル続きであるが、岡本千鶴子事件の時、殺された娘が「会員制のネット掲示板の日記で」と報道されたときは、思わず失笑した。会員制ってほどのものか、ミクシィが。会員制ってのは、ちゃんとした社会的地位のある人しか入れないとか…

医学博士・小倉千加子

小倉千加子にいつしか「医学博士」の肩書がついていたのに私は気づかなかったのだが、調べてみると1995年、神戸大学から授与されている。まあ医師を開業できるわけでもないし、もはや博士号など紙きれに過ぎないが、題目は「空間恐怖の精神病理に関する一考…

『谷崎潤一郎伝』補遺

(活字化のため削除) あと『随筆サンケイ』昭和32年11月号の、辰野隆、徳川夢声、志賀直哉らの座談会で、中絶した「鴨東綺譚」について辰野がすごいことを言っている。「僕だけの邪推だが、あれについて僕は吉井勇大人に、「谷崎はあのモデルになってる女と…

宮原昭夫の少女小説

宮原昭夫という作家を知っている人は少ないだろう。1972年、39歳で芥川賞をとっている。だから今は73歳ということになる。 最新の著作は2002年の『シジフォスの勲章』だが、これも品切れで、現在生きている著作はない。NHKの少年ドラマ『あなたの町』の原…

想定論争フローチャート

小生:なぜクルマはいいんだ。 禁煙ティスト:クルマも酒も悪い。 小生:そうか。(終わり) - 小生:なぜクルマはいいんだ。 禁煙ティスト:喫煙者を減らしても日本の景気にさしたる影響はなく医療費が削減できる。クルマについてドライブ禁止などいったら…

渡辺秀樹は、阪大言語文化研究科パワハラ対策委員会の委員をやっている。泥棒が警官をやっているようなものだが、まあ警察とヤクザの癒着というのもよくある話だ。 私は某氏に言われて、この委員会に、この事件は既に時効でしょうかと問い合わせてみた。する…