2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

新刊です

「昔はワルだった」と自慢するバカ (ベスト新書)作者: 小谷野敦出版社/メーカー: ベストセラーズ発売日: 2011/11/09メディア: 新書購入: 1人 クリック: 56回この商品を含むブログ (14件) を見る 特定の誰かを念頭に置いて書かれたものではありません。 訂正 …

ピアレビューって何?

http://www.nakahara-lab.net/blog/2011/11/post_1808.html この文章を読んで、ははあ東大准教授ともなると40くらいでこんな「たてまえ文」を書くのか、と感慨にふけった。 英文学会とか比較文学会というのは確実に会員が減っていると思う。だいたい院生とか…

林芙美子の弔辞

(活字化のため削除)

電子書籍の実態

電子書籍に希望を見出す人がいる。しかし先日、私の本の一冊が電子書籍になった、その支払い調書が送られてきた。印税は110円。桁を間違えたわけではない。売れたのは一冊である。 公共図書館に学術書をリクエストしなさい、そうすれば図書館は劇的に充実す…

志摩半島の渡鹿野島には、娼婦がいて「はしりかね」と呼ばれる。辺見じゅんに『海の娼婦はしりかね』(角川文庫)という本があるのだが、これはルポルタージュ集で、はしりかねについてはごく僅かしか書かれていない。ちゃんと書いてあるのは岩田凖一『志摩…

コンビニはうるさいもの

私のよく行くコンビニは、ファミリーマートとコミュニティストアである。コミュニティストアが一番近いので、夜になってふと何か必要になったりすると行く。ここは普通の雑貨屋だったのがコミュニティストアになったらしく、私には居心地がいい。いつも放送…

吉行淳之介のこと

私はどうも吉行淳之介という作家のどこがいいのか分からない。関根英二という、吉行で博士論文を書いた米国在住の学者がいて、その人に会ったこともある。この人は吉行が好きで好きで、しかしアメリカへ渡ってからそれがフェミニズム的にいかんと気づいて、…

今月の『群像』の「侃侃諤諤」で石原慎太郎が出てくるところ、文藝雑誌しか読んでない人には意味が分からなかったと思うのだが、これは『新潮45』に載った石原と福田和也の対談で、石原が、こないだふとあることを書かせてもらいたくて某文藝雑誌に電話した…

上林暁の怨念

「あなたはなぜ戦えるの、守るべき人もないというのに!」 とかララァ・スンが言ったりすると、守るべきものは自分だよオラ、自分を守るために闘っちゃいけないのかよオラ、とか言いたくなる。別にララァに限らないのだが、戦闘アニメ・特撮の主題歌にはなん…

『文藝春秋』に、「私のモテキ」とかいう小文集成が載っているのだが、西村賢太はいいとして、井上章一と齋藤孝は、結婚できたということを、まったく「もて」の範疇に入れていないから驚く。井上さんの、地位でもてるのは嫌だ、というのは前からのことだが…

トントンのずんずん調査

あまり気づかずにいたのだが、『細雪』舞台版は、1966年以来、東宝系の劇場でロングランしている。菊田一夫作で、菊田一夫というのは本当は偉い人なのだ、ってまあ舞台関係者には当たり前だが。 『細雪』の主役は蒔岡四姉妹で、サイデンスティッカーによる英…

中西進先生

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111109-00000110-san-soci ちょっと驚く。中西先生は82歳であるから、ずいぶん年下の奥さんだが、二度目の奥さんのはずである。水難事故で死んだ娘というのは、多分この奥さんの連れ子だったと思う。これも当時中西先生…

中山茂激白

私が『文学研究という不幸』でも書いた、駒場の中山茂が、自ら当時の経緯を語っている。 http://nakayama-hs.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-b621.html そんなに面倒なら、ほかの大学へ行けばいいじゃないかと私も思わないではない。私ならそうする。 …

新人学者月評

高見順日記 1962年6月8日、 「車中、大佛次郎『帰郷』を読む。やっぱりどうも通俗小説(―高級な通俗小説)だなと思う。残念な気がする」 - 『文學界』に「新人小説月評」という欄がある。二ページ、新進の批評家が、一頁ずつ受け持ち、半年の任期で、前月号…

著書訂正

『猫を償うに猫をもってせよ』227p 「『荒涼館』の初訳は一九六六年の筑摩世界文学全集…その後世界文学大系に入った」→「一九六九年の世界文学大系(筑摩書房)である」 - 『続高見順日記』第一巻 1961年1月8日 NHKへ。教養特集「現代人としての青年」の…

四つの偶然

(活字化のため削除) - 新潮文庫から川端現代語訳として出ている『竹取物語』は、石浜金作がやったものだ。しかるに、沼尻利通という、福岡教育大准教授の論文を見たら、そのことにはほとんど触れていなかったので驚いた。この人は平安文学が専門だから知ら…

『帰郷』を読む

大仏次郎の現代小説『帰郷』(1948−49)を読んだ。映画は前に観ていたが別に面白くなかった。 大仏は、鞍馬天狗、フランス史伝、そしてこの『帰郷』『宗方姉妹』のような現代小説に、『天皇の世紀』など、多彩な文筆活動をした人で、今もよく全貌がとらえら…

進歩しない

若いころ読んで分からなかった文学作品が、歳とって読んでよく分かったといったことを言う人がいるが、私にはそういうことがほとんどない。トルストイの作品は結婚するとよく分かる、と書いたことはあるが、それは「全然分からなかった」のが分かったという…

自転車迫害の真相

行政は相変わらず自転車迫害をやめないようだ。歩道を走ってはいけないというが、中には車道は危なくて走れないような道も多い。だから自転車レーンを作るなどと言っているが、それなら作ってから、歩道走行を取り締まるのが筋である。実際私の家の近所には…

谷崎研究補遺二つ

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20111016 これだが、その後判明した。朝日新聞にこの記事を書いたのは荻原由希子といって、私の大学院の後輩なのだが、最近修士を出て朝日に入った人で面識はない。で、朝日に問い合わせたら、梁瀬健という大阪教育大名誉…