2025-02-01から1ヶ月間の記事一覧
庄野潤三の随筆集『クロッカスの花』をざっと読んだ。とにかくお坊ちゃん育ちの温厚な人だから、人を批判したりはしない。ところが実は、映画を観ても筋よりも細部が気になる、というようなことを書くと、筋を楽しみに映画を観る人は自分はいけないことをし…
「ミゼラブル・ハイスクール1978」に書かなかったのかなと思ったが、高校二年くらいの時、友人の大村と戯れに、近代日本の文学者で誰が一番偉いかトーナメント戦をやったことがある。文庫の後ろに載っている広告などを参考に人名をたくさん集めて、二人一組…
私がキャロル・リードの「第三の男」を観たのは、1982年7月11日の土曜日に、NHKでゴールデンタイムに、世紀の名画を放送という鳴り物入りで放送した時のことで、私は一浪して東大一年生になったばかりの19歳だった。見終わって、面白くないので憮然とした。…
金素雲(1907-81)は韓国の詩人だが、日本の韓国領有中に日本の北原白秋に師事し、島田謹二とも親しくしたため、戦後、日帝協力詩人として韓国では評判が悪いが、日本では『朝鮮詩集』や『朝鮮民謡集』を岩波文庫から出している。息子の武井遵は北原綴の筆…
百川敬仁氏(1947-)が死去したらしい。まだ正確にいつのことか分からないが、昨年か一昨年くらいだろう。 私は1990年6月に修士論文を補正した『八犬伝綺想』を刊行して、8月にはカナダのヴァンクーヴァーにあるブリティッシュ・コロンビア大学へ留学したの…
村山由佳の、直木賞を主題にした小説『PRIZE』の書評を『週刊読書人』に書いた。大変面白い小説だったが、二箇所疑問点があった。一つは作中人物の会話に出てくる川端康成の『雪国』に関する部分(185p)で、あの小説には島村という川端当人を思わせる男が…
私は吉村昭のファンだが、あまりに著書数が多いので、まだ全部は読み切れない。2018年の夏ごろ、図書館から借りてきて大分読んだつもりだが、まだまだである。今回は短編集『法師蝉』を読んだ。1993年7月、新潮社の刊行で、のち文庫になり、森まゆみが解説を…
TBSのBS放送で「それぞれの秋」に続いて、山田太一の1979年の連続ドラマ(15回)の「沿線地図」をやっていたので、録画しては観ていた。面白かったが、納得できない部分もあった。これは山田が先に同題の小説を書いて、それを脚本化したもので、「岸辺…
私は中学三年の終わりに「黄金の日日」の第一回を観た時から丹波哲郎は好きな俳優だった。「真田太平記」も「人間革命」も好きだ。この伝記を読んでいて、しかし複雑な気分になった。いかにもイメージ通りの豪放磊落で明るい人だが、実の妻はポリオで下半身…