2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「純と愛」にはまる。

NHK朝の連続テレビ小説「純と愛」を毎日観ている。私はこれを「朝ドラ」と言うのがリゴリズム的に嫌で、往年、「銀河テレビ小説」を「銀河ドラマ」と言うのも嫌だった。しかし柔軟性も必要なので使うと、朝ドラを毎日観るなんてのは『ひらり』以来、ほぼ2…

大江健三郎「火山」

1978年秋、高校一年生だった私は、『国文学解釈と鑑賞』の「作家と出発期」という特集号を買った。作家になろうと考え始めていたため、この特集が気になったのであり、その巻末におかれた、戦後作家処女作一覧など、葦編三絶するほどに開き見たものである。 …

恐怖の剽窃論争

安田寛(1948- )という人の『バイエルの謎 日本文化になったピアノ教則本』(音楽之友社、2012)を栗原裕一郎が紹介していたので覗いてみた。フェルディナント・バイエルという、日本でピアノ教則本で名を知られる人について、不明な点が多いというので調べ…

以前、斎藤道三二人説というのについて、学術論文がないかと探したのだが見つからず、『歴史読本』あたりに書いてあるのを参考にしたことがある。最近、宮本昌孝がこれを小説にした『ふたり道三』を読んでいるがこれがまことに面白い。傑作である。するうち…

「瓜二つ」か?

「1990年文藝春秋刊『紙の中の黙示録』(佐野眞一著)の38P〜43Pは1988年文藝春秋刊『新東洋事情』(深田祐介著)の70P〜73P(文庫版)と瓜二つで大宅賞選考委員だった深田」が怒ったと、猪瀬直樹がツイートしていた。 そこで確認してみた。いずれも、不…

「国盗り物語」ラスト

(山崎の戦いに敗れ、家臣らとともに落ちていく明智光秀。馬上) 「運ではない。負けるべくして負けた戦かもしれぬ。これも時の流れか。既に下剋上の世は遠く、人々は主信長を討ったわしを見放し始めている」 (竹藪の中で、近づく落ち武者狩り) 「だが、ほ…

京都府公安委員会

例の大槻のうそつき取り調べは、京都府警本部でも、嘘をついた事実はないと言い、「つまり嘘をつく(府警本部が)ってことですか」と問うと「そうとってもらっても構いません」と言うので、京都府公安委員会に苦情申し立て書を送った。すると開封してそのま…

岩波文庫の伊藤梅宇『見聞談叢』を読んだ。梅宇は仁斎の子で東涯の異母弟だが、西鶴の本名が平山藤五であることが、この随筆によって知られたというものである。ところで校訂は亀井伸明なのだが、この人がどういう人なのか全然分からない。著作はこの校訂し…

流浪の民(シューマン)

小学六年生の時音楽の授業で聴いて以来好きな曲。この訳詞はドイツ文学者石倉小三郎(1881-1965)が東大独文科在学中に作ったもの。

丸谷才一死去

私が大学院へ入つた時に行われた八王子セミナーハウスでの合宿には、芳賀先生の縁で大岡信が講演に来ていたのだが、丸谷才一らと連句をした時に丸谷が「モンローの伝記下訳五萬円」とやったたのでみな呆れたが、大岡がそのあとへ「どさりと落ちる軒の残雪」…

高田先生は間違えただけなんだ

『文藝春秋』11月号を立ち読みしたら、「60歳になったら再読したい本」とかいう小文特集があって、渡辺京二が高田衛の『八犬伝の世界』(中公新書)をあげていたが、最後に、高田は八犬士の「シバルリー」をseverelyと解しているがこれはchivalry ではないか…

スパムファックス

http://yaplog.jp/yama777/archive/2 通常の電話とは間合いの違う妙な呼び出し音で、検索したら、これ。 03-5657-6055 6056 6057 6063 6060 が立て続けに鳴ったが、これがスパムファックスらしい。

ディレンマ

こういうディレンマがある。ハードカヴァーの論文集に入れた、詳しく書いた論文(評論)があって、同じ内容を簡単に新書判に書く、ないしはネット上に書く。すると、後者だけ読んであれこれ言うやつがいる。 では最初の論文をPDFにでもしてあげるか、と思…

著書訂正

『文学賞の光と影』 77p「志茂田景樹が『人間革命』のゴーストライターをしていた」 ゴーストライター要員にはされたが、書く前に学会を辞めていた。 104p、宮内勝典が大阪芸術大学卒 間違い。高卒。 - こないだある人が、高橋源一郎が谷崎賞をとったこと…

馬琴の妻お百と会田氏

曲亭馬琴と偕老同穴で連れ添った妻お百は、嫁の土岐村路が美化されるのに比して悪妻とされ、人気がない。そのためか、その家系についてもまとめた文章が見当たらないが、内田保広が言うように、武蔵国埼玉郡の現在の越谷市の生まれで、会田氏であることを考…

京都府南警察のうそつき取り調べ

http://www.youtube.com/watch?v=IJHb2y0xsBQ 2010年4月7日年に京都府南警察の大槻暁の取り調べを受けた時の音声をアップする。画像は適当につけたので無視して下さい。もうちょっと編集できると良かったのだが難しくてこんなになった。 さて問題は、大槻が…

『文芸日女道』532号の巻末に、「芥川龍之介研究の権威」エス・ワイ氏から森本宛の手紙の抜粋が載っていた。そこに「私の名前を出してくださったことは全然かまいません。むしろ感謝しています」とあり、私は首を捻った。なぜならこれは、エス氏の『評伝松岡…

『文芸日女道』の532、533号が届いた。今度は本名で注文したが、26日に振り込んで今日である。途中で催促の電話をし、昨日は内容証明を出してしまった。 それはさておき、533号の森本穫の連載の最終回はすごい。『事故のてんまつ』のヒロイン「鹿沢縫子」に…

『文芸日女道』は未だに何の連絡もない。不誠実極まる。仕方がないから、532、533号の代金を郵便振替したが、音沙汰がないから、坂根武という、以前電話したら「俺は森本が嫌いやねん」と言っていたおじさんに電話したら、「市川さんからは何も言ってきてま…

江戸時代の身長

高田衛『曲亭馬琴』(ミネルヴァ書房)に、八犬士の身長が高いことに触れた箇所がある。犬塚信乃が177センチだという。ところがそこに、江戸時代の日本人の平均身長は、男が150センチ、女が135センチとある。それはいくら何でも低すぎるだろう。 http://crd.…

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文学賞の光と影作者: 小谷野敦出版社/メーカー: 青土社発売日: 2012/06/22メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 20回この商品を含むブログ (15件) を見る訂正:53p(夏目漱石賞が)「一回だけで終わった」二回目もあったそうです(PLB氏による) 58p「文化…