サイデンステッカーと鶴田先生

 サイデンステッカーの『源氏日記』は、『源氏物語』の英訳をしていた1971年から75年までの日記の抜粋で、場所は東京とアナーバー。これは面白い。中に鶴田欣也先生が出てくる。73年、トロント大学からブリティッシュ・コロンビア大学へ移る直前で、一緒に神田の寿司屋へ入り、出るところで、もう閉めるというのにやってきた男が、しつこく食わせろと言っているのに遭遇し、鶴田さんは「あれは韓国人だ」と言う。なんで分かるのかとサイデンが訊くと、「しつこいから分かる」と言っている。