2025-05-01から1ヶ月間の記事一覧
これは確か前に書いたのだが、どこに書いたのか忘れた。高校二年の時の「現代国語」の教科書(明治書院)の確か巻頭に、田中美知太郎の文章が載っていた。私はむしろ最後に置かれた田中の肖像写真に驚いたのだが、中身は哲学などを学ぶことについてであった…
日本人必読の書かもしれない 5点 1971年に番町書房から刊行された、山田風太郎が22才の医学生だった1945年一年間の日記だが、実に分量は一年分としては膨大である。番町書房は十年ほど前、林房雄の「大東亜戦争肯定論」を出した出版社である。のちの作家・山…
信用できない著者 2点 著者の年齢を調べようとしたら、未公開だった。それはいいとしても、数多くの日本語の翻訳家へのインタビュー集である本書では、当然その翻訳家たちの紹介文があるが、そこでもすべての翻訳家の生年が書かれていない。さらに坂井セシル…
大学一年の時は私は文三四組のドイツ語クラスにいたのだが、ここは全部で40人くらいのところに女子が9人しかいなかった。その中に田村泰美(仮名)という、愛知県から現役で来た女子がいた。成績は良かったようだが、はじめ相撲部のマネジャーをしていたが、…
二日ほど前から、youtubeで将棋の実況中継みたいのを見ていて、古舘伊知郎みたいな口調で解説するのが面白く、初めて将棋を面白いと思った。 私は父が将棋好きで教えようとしたのだが全然面白くなく、分からなかった。大学生の時、私は北区滝野川の個人宅で…
河野多恵子の初期短編で「塀の中」というのがある。丹羽文雄主宰の『文学者』に載ったもので、最初の短編集『幼児狩り』に入っていて、文庫にも入っているから驚いた。実に珍なる小説である。戦時中、女子挺身隊か何かで少女たちが働かされているが、そこへ…
四点 谷崎潤一郎の「源氏物語」の校閲をした国文学者・山田孝雄の次女みづえは、のち俳人となり、句集や随筆集を出したが、これは随筆のほうで、若い頃、昭和十年から敗戦直前までのことを描いている。はじめ珍妙な俳句的文章だと思ったが、だんだん慣れてく…