2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

金閣寺の謎

酒井順子さんから『金閣寺の燃やし方』を送ってきた。どうやら三島由紀夫割腹四十年とかで、書店にも三島関係の書籍が多くて気持ち悪い。私は三島が嫌いなのである。よく混同されるが、好きか嫌いかというのは、学問的に正しいかどうか、文学として優れてい…

『乙女の誤読』の密告、あ、逆だ

最近はサッカーの話が多くてつまらないと書いたら、金井美恵子先生に祈りが通じたのか、今月の『一冊の本』の金井先生は面白い。例の芥川賞受賞作を、生理用品の呼び名に関連づけて金井節であげつらってくれたあと、宮本輝が選評で「アンネを密告したのはア…

もうしばらく、演劇というものに行っていない。禁煙措置が不快だからである。しかし、「将軍江戸を去る」を観たことがなかったので国立劇場へ行って、やはり激怒した。 国立へ行ったのは五年前で、その時は喫煙者は外へ追い出されて、劇場前の床几で吸ってい…

アラビアンナイトは面白いのか

『アラビアン・ナイト』ないし『千一夜物語』だが、シンドバッドとかアリババとかいうのは、これの傍系物語らしい。鳥越信は、子供の頃シンドバッドやアリババを読んだが、大人になって本物を読んだら、それ以外のほうがずっと面白かったと書いている。 しか…

女王殿下

http://ci.nii.ac.jp/els/110003881983.pdf?id=ART0005209860&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1287838452&cp= この人に比べたら私なんかおとなしい方だと思った。http://www.meijijingu.or.jp/news/taisai/2010/kokusaishinp…

私は『悲劇喜劇』という雑誌の1972年のさる記事を入手しようとした。ところが、国会図書館では「作業中」つまりデジタル化中で使えない。そこで地元の図書館に他館からの借り出しをリクエストした。ところが、到着してみると、館内閲覧のみ、コピーはしては…

私小説よ・・・

最近の川端康成文学賞受賞作をまとめて読んで、やや溜息なり。いわゆる、身辺雑記私小説が二つほどあった。川端賞はかねてその傾向があるのだが、結局こういうものを読んで、私小説ダメ説を抱く人がいるから困るので、私は身辺雑記私小説がいいとは言ってい…

コーテン機

大学院一年の頃、アテネ・フランセへフランス語の勉強に通っていた。福井芳男(東大教授)の講読の授業だったのだが、おかしなことがいろいろあった。「雑木林」を福井先生が読めなくなって、えーと何だっけ、ざっきりんじゃなくて、と言っていて、私が「ぞ…

伏見憲明のことか!

<文芸賞>受賞を取り消し 毎日新聞 10月15日(金) 公募の新人文学賞「文芸賞」(河出書房新社主催)の今期の受賞決定作が、モチーフの重要な部分をインターネット上の記述に依拠していたとして、受賞を取り消されていたことが分かった。 受賞作は「該当作な…

国会図書館のデジタル化作業のおかげで仕事に支障が出ている。ああこの資料だ、と思って辿って行くと「作業中」と出る。修士論文とか書いている人はえらい迷惑しているのではないか。

憂鬱な話

やっと連休とやらいうものが明けた。物書きにとって連休はつらい。今回も、取材の電話があって「11日でもいいですか」と言ったらいいと言うので、9日に「では11日に」とメールしたら返事がない。当日になってもない。 さて書店めぐりをしたら、『サンデー毎…

小室直樹について

先日、小室直樹に学問的業績があるのかと書いたが、ありました。 http://www.interq.or.jp/sun/atsun/komuro/list1958-1979.html しかしそれだけあっても大学に就職できなかったのか……。 - 「ブ」へ本を売りに行ったら対応の男店員、計算に十分ほどかかりま…

忘却とは忘れ去ることなり

『帰ってきたウルトラマン』の廉価版DVDが出たので、まだ持っていなかった最終巻を買って最終回を観た。初めに観た時も変だと思ったような記憶があるのだが、ゼットンは初代ウルトラマンを倒したあと、科学特捜隊のペンシル爆弾(なんて安易な名称だ)で倒さ…

『文藝春秋』11月号の「小悪魔女優アンケート」で私が「秋桜子が全裸なので」と書いているが、これは「主演なので」の間違い。このアンケートは送られてきた用紙に手書きしてファックスしたもので、以後ゲラとか確認とかないのである。

いい度胸だ

(活字化のため削除) - 昼間駅前の書店にいたら、レジにいる、60代くらいの女性と、店長らしい70くらいの男が、値上げ以来タバコを吸っていないという話をしていた。男は、買いだめもしてないし、値上げ以来買ってもいないからと言い、女も、吸ってないと言…

海外幻想

小室直樹の死は噂されていたが確認がなかなかとれなかったとあちこちに書いてあるが、副島の言うことでは信用できないということか。 『週刊新潮』の訃報記事の最後に、「海外にいたら大学で正当に評価されただろう」(大意)とあったが、これまた海外幻想だ…

思っても言わないのよ

私はよく、女の人から「そういうことは、思っても言わないのよ」と言われる。昔からである。しかしそのたびに「思っても」は余計ではないかという、言語上の疑問を感じていた。思っていないことは言わないからである。しかしよく考えてみたら、世間の人は、…

http://blogs.yahoo.co.jp/katzeblanca/17062934.html こういう風に読んでもらえると著者冥利に尽きるなあ。 - 田中貴子先生は、悪女論、聖女論ときて、今度は老女論を書くことになるのかなどと書いておられるが、その前に熟女論を書かなければ…。

魔日

(小谷野敦) いや昨日は実に魔日であった。 朝起きて朝食も終わり、映画を観ようとしていたら、携帯からの電話が鳴った。出ると女で、か細い声で、 「あの…村上春樹の話をしたいんですけど」 「どちら様ですか」 「匿名じゃいけませんか」 「そりゃダメです…

死せるチュゲコンミン

ふと出来ごころでラテン語でもやってみるかと思って購入した大西英文『はじめてのラテン語』(講談社現代新書)を読んでいてなんか不快になった。この人は、ラテン語のVは「ヴ」ではないと言うのだがそれがしつこい。オヴィディウスと書いたらわざわざ「ど…