2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

猫間中納言の姫君

猫間中納言の姫君が何か書いて消してしまったが、 私は自分の書いたものを誰でも読んでいる、などとは思っていない。しかし、たとえば私に、単行本執筆とか連載とかの仕事を頼んできた人が、私に「××」という著書があることを知らなかったりしたら、それはち…

茂田真理子のゆくえ 

『En-taxi』が江藤淳特集で、茂田真理子が出ていたので、おおっと思った。 もう十年以上前、茂田は慶大の修士論文『タルホ・未来派』で三島由紀夫賞候補になったのだが、選考委員の江藤淳は、自分の弟子だからといって選考会を欠席した。 その後、全然音沙汰…

死の絶対性

(下書きにはタイトルの欄があるのだが、アップした時にタイトルにならないから、書いておいても無駄だと気づいた)http://blog.goo.ne.jp/ayakashi1154/e/195334f067cded01ed5ca970d9cce58b 田中貴子が切れているからご注意、と稲賀さんから葉書をもらった…

比較文学会小

(消えたので削除) ヨコタ村上は遂に関西支部の幹事から外れたらしい。十年前に私が幹事全員に手紙を送って、今にしてようやく、か。感無量である。 ところで駒場出身の、本を送らなかった某女性から手紙が来て、『駒場学派』を面白く読みましたとあり、比…

水戸っぽ?

今日は鎌倉文学館で講演をしてきた。 とにかく、 鎌倉は遠い! よく川端香男里だの杉田英明さんだの木下直之先生だの、鎌倉なぞから通える、と思う。 湘南新宿ラインができたといっても、渋谷から鎌倉へまっすぐ行くものなどまずなく、戸塚で乗り換えなけれ…

国立大学

黒古先生が、自著について「自費出版はない」って未だに繰り返しているのが、ふしぎなんだよねえ。この人は左翼っぽいのに、資本制の悪って認識がまったくないみたいで、「商業ベースに乗る」のが偉いことだと思っているらしい。だから平然と、春樹とか井上…

不幸自慢

『びんぼう自慢』といえば古今亭志ん生の自伝である。「不幸自慢」というのもあって、割とたしなめられたりするが、私は不幸自慢が好きである。それから無知自慢というのが私には顕著らしくて、なに太田光って誰とか、レム・コールハースだのメビウスだの知…

ディケンズとかサッカレーとか

(活字化のため削除) - 浅田彰は昔から、『構造と力』を「チャート式」だと言っているのだが、あれのどこがチャート式なのだ。最後に確かにチャートはついているが、チャート式というのはそういうものではないだろう。しかし、トラウマがトラとウマに分かれ…

名前を隠す迷惑

神戸大学文学部の40代の准教授が、大学院に入りたいというので相談に来た他大学の女子学生を、午後5時から午前1時まで飲食で連れまわし、人格を否定する発言をしたというので一ヶ月の停職になったという。なおこの准教授は、2004年にもセクハラで、2007年に…

ある都市伝説

「純文学と大衆文学という区別は日本独特のものだ」という不思議な都市伝説が、一時期文壇かいわいを徘徊していたようだ。 その発端はもしかすると、鈴木貞美の「純文学と大衆文学」という、1993−94年の『文學界』の連載ではないかと思うのだが、鈴木はここ…

『サイゾー』の村上春樹批判

枡野浩一さんのブログが参照されていて、安原顕による生原稿流出に関する村上春樹の文章を批判したものである。 http://masuno-tanka.cocolog-nifty.com/blog/2006/03/post_3b3f.html#more 『サイゾー』では、それをもって安原の人格まで批判するのは、とあ…

各新聞、村上春樹擁護派の連中が大活躍で書評しているが、小野正嗣の能天気なまでの礼賛ぶりには驚いた。それなら君ももう少し読まれる小説を書いたらどうかねと言いたくなるが、まあどうでもいい。 「週刊朝日」でいつの間にか連載が始まっていた東浩紀が、…

先日、テレビの取材が来た。なんか恋愛について意見を聞きたいというので、ビデオを持ってのV取材で、昼ごろ自宅に、初老のディレクターとカメラマンと二人で来た。 台所にカメラを据えて、私がタバコを吸いながら話していると、ディレクター氏、「それじゃ…

私が入学した年の八王子合宿で大岡信がゲストで来たことは書いたが、二年目のゲストは、民俗学の宮田登先生だった。ところが、宮田先生を紹介した芳賀先生は、「宮田さんは『ミクロ信仰の研究』などで知られ」と言った。聴衆の多くは (…『ミロク信仰』だよ……

『中公新書の森』に、かつて榊敦子先生からの盗作疑惑を指摘された風丸良彦が出ていた。三冊あげているが、そのうち一冊は『電車の運転』。しかもこれを、風丸は、読んでいないという。読んでいないが、こういう本を読むと深みにはまるから、などと書いてい…

私は小学二年生まで茨城県にいたから、茨城県民の歌は教え込まれた。調べたら、私が生まれた翌年に作られているから、せっせと広めていた時期だったのだろう。http://www.pref.ibaraki.jp/profile/kenminsong.mp3 高校一年の時、山の家へ行った際、バスガイ…

向田邦子賞ドラマを観る

劇作家の石澤富子が死去。岸田戯曲賞受賞者だが、さすがにこれは読んでいない。その前年と後の年が受賞作なしだった時代のものだ。石澤秀二夫人だったのか…。 向田邦子賞受賞作のDVDをぼちぼち借りては観ている。もちろん第一回山田太一、第二回市川森一…

痴漢になりかける

帰宅途中、ちょっと混んだ電車へ乗り込もうとしたら、前にいた六十くらいのおばさんが動かないので、つん、と指で背中を突いたら、嫌な顔で振り向かれたから、すみません、と謝った。 しかし「指で突く」のは意図してやったことで、てのひらで押したら「痴漢…

無灯火自転車が多い

最近、無灯火自転車が多く、怒りを覚える。 しかし、怖そうなお兄さんとかおじさんだと、下手に注意をすると怖いから、それ以外のやつに注意しているが、何せ無灯火自転車なので、遠くからだと分からない。近寄って、怒っても安全な相手だと確認してから「あ…

もし天皇が・・・

(活字化のため削除) - 黒田恭一と坂部恵の訃報。しかしなんでこう、悪人じゃないような人ばかり死ぬのだろう。まさか黒田が吉田秀和より先に死ぬなんて…。その昔、「ニューアカ」の牙城だった『マリ・クレール』に黒田が書いていたときは、意地悪な連中の…

横光利一について

横光利一といえば、戦前は高い評価を受けていたが、いわゆる戦争協力もあって、戦後は忘れられた作家になっていた。しかし、80年代ころから再評価が進み、特に菅野昭正が『横光利一』を出したのが大きかった。 しかし、いざ読んでみると、確かに短編はおも…

少年ドラマの真相

NHKの少年ドラマって、主題として貧乏を描く時以外、たとえばSFとかコメディーでは、主人公はたいてい一戸建てに住んでいる。まああの当時だから、一戸建てだから金持ちということはなかったけれど、それでも概して中産階級の子供が出てくることが多か…