2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

阿川弘之著作一覧

いまや93歳、里見紝を越えつつある文壇の長老・阿川弘之の著作目録である。別に意味はない。 阿川弘之(1920− )1946年9月「霊三題」新潮 26歳 「年年歳歳」世界 1947年12月「八月六日ー「伝説」の一章」新潮 27歳 1948年4月「修介」別冊文藝春秋 28歳 11月…

久しぶりに駒場へ行ってきたら、学生時代からある、イーグルという喫茶店が、インドカレー店になっていて愕然とした。あのあたり、喫茶店というものが皆無に近くなり、しかも禁煙の店ばかりなので難儀した。もう駒場へは行かないことにする。 大江健三郎が登…

池田亀鑑の犯罪?

臼井の『15年目のエンマ帖』には、連載時にはなかった小山(おやま)敦子(1925- )の項がある。小山は戦後すぐ東大国文科に入って久松潜一の教えを受けた。1948年ころか、やはり教授の池田亀鑑の家へ行って古典籍の整理の手伝いをしていて、藍表紙本という…

臼井吉見の『15年目のエンマ帖』(中央公論社、1961)は、戦時中に臼井が東京女子大で教えた女性たちのその後を追ったもので、『婦人公論』に連載された。室生犀星「蜜のあはれ」のモデルとされる栃折久美子、川端康成がハワイ大学で講演した時に手伝った国…

国会図書館の関西館はどうも東京より質が落ちる。郵送複写を頼むと、時おり関西館になるが、先日、某学者の記念論集に載っている略歴を複写しようとして、「年譜のみ」と書いて申し込む。これをやるとたいてい、確認の電話がかかってくるのだが、それがどう…

大江健三郎の「私小説について」(『厳粛な綱渡り』所収)に、ハンセン病作家の日下直樹の「不肖の子」という小説を論じているところがあるのだが、これがまったく見つからない。『ハンセン病文学全集』にもないし、検索しても出ないし、『戦後日本文芸雑誌…

新刊です

ムコシュウト問題―現代の結婚論作者: 小谷野敦出版社/メーカー: 弘文堂発売日: 2013/07/26メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (7件) を見る訂正 66p「お延」→「直子」 160p「母の手紙」→「母の恋文」 185p「ガルシア=マルケス」→「チャ…

粕谷一希と山口昌男

京谷秀夫の『一九六一年冬 『風流夢譚』事件』(平凡社ライブラリー、元本は一九八三年晩声社)に、「風流夢譚」は『中央公論』という総合雑誌に出たから目だって問題になったのだとあり、実は深沢七郎には当時、文藝雑誌に載せたもっと危ないエッセイがあっ…

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20130906 これについて、三浦淳先生からお返事があった。 http://miura.k-server.org/newpage219.htm 私は平野共余子の本がすばらしい、などとは書いていない。単に、江藤は連合軍が天皇批判を封殺したことについては触れ…

昔はすごかった。

村田宏雄(1919-2002、東洋大教授、社会心理学)の、『SEXテスト あなたにマッチする異性』(六興出版部、1959)という本がある。まあ恋愛指南書である。これに「あなたはなぜ恋人が持てないか」という項目がある。当時は、男女の出会いの場が広がればみ…

高見順の子供

(活字化のため削除)

アマゾン訴訟始末

アマゾンの提訴、敗訴した。 2012年11月、アマゾン・ジャパンに対する訴状を東京地裁に提出した。これは私の小説『遊君姫君』に、「大河ドラマと渡辺淳一『天上紅蓮』の便乗作で、これがなければ書かれることもなかっただろう」という「大河好き」と称する者…

http://1000ya.isis.ne.jp/1500.html これはいい。梅原猛を黙殺しているところもいいが、梅原に対して徹底的に抗戦した橋本達雄の本だから当然か。また一番下の煙草を喫っている写真がいい。 もっとも、白川静と中西進の疑似論争についてもそうだが、史料が…

中野重治が受けるわけ

先日、中野重治の「萩のもんかきや」という短編を読んだ。名作とされているらしく、講談社文芸文庫でも表題になっている。ほとんど私小説で、中野が山口県萩へ行って、長州の志士から岸信介、佐藤栄作などに思いを馳せていると、店の中で、熱心に何か書いて…

翻訳と校注校訂

海外のいわゆる古典的名作にはいくつもの翻訳がある。それも疑問で、その一方で、文学史上重要なのに翻訳がないのもある。大学所属の英文学者は、むしろ後者の翻訳をしてほしい。『ヒューディブラス』とか『ラマムーアのルチア』とか。 日本の古典文学でも、…

http://miura.k-server.org/newpage219.htm 新潟大学・三浦淳先生の読書日録は時どき覗くのだが、最近江藤淳に熱中しているらしい。 しかし、どうも感心しない。江藤の占領軍の検閲研究は、のちに平野共余子が『天皇と接吻』を出して、江藤がいかに天皇につ…

http://1000ya.isis.ne.jp/0885.html 「『近世日本国民史』については、最近やっと杉原志啓が『蘇峰と近世日本国民史』(都市出版)で詳しい評価を書いた。ぼくはそのなかで初めて、大杉栄が獄中で『近世日本国民史』を読み耽っていたこと、正宗白鳥、菊地寛…

栗原さんに教えられて、『サンデー毎日』9月15日号の牧太郎の連載「青い空白い雲」を見てきた。藤圭子が、川端が自殺する前、藤のファンだった川端に頼まれてホテルオークラで会い、「セクハラ」めいたことをされ、その後川端宅を訪ねる予定だったが、川端の…

http://1000ya.isis.ne.jp/1517.html 松岡正剛は文章もへたである。下手なだけならいいが、日本語が間違っているから困る。年をとってどんどんひどくなっている気がする。四方田犬彦も、若いころは変な日本語が多かったが、新潮社あたりから出ると校正が直し…