2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧
前に『文学界』に連載していた「文壇から遠く離れて」は、『反=文藝評論』(新曜社、二○○三)に収められているのだが、その中の「虚構は『事実』に勝てるか」という章の最後で、私は「想像力」という語の安易な用い方を反省すべきではないかと書いておいた…
谷崎伝はその後、『週刊文春』で日和聡子氏、「読売新聞」で野崎歓氏、『週刊ポスト』で縄田一男氏に書評していただきました。おん礼申し上げます。 やはりいくつか間違いがありましたので、今まで分かっている範囲でお知らせします。今度増刷があったら直し…
昨日発売の「週刊新潮」で、福田和也氏が私の『谷崎潤一郎伝』をとりあげ、見開き二ページで絶賛してくれている。小谷野は「文壇では毀誉褒貶がありますが--私の云うことではないですね--アカデミズムに基盤をおく著者としては、抜きんでた力をもっているこ…
もう昔のテープで、円生と八代目正蔵(彦六)がリレーで「累ケ淵」をやったのがある。円生のあとを受けた正蔵は「ただいま円生が申し上げましたとおり」と言ったが、何も円生が年下だから呼び捨てにしたのではなく、お客さまに対しては身内だから呼び捨てに…
昨日、評判の映画「ALWAYS 三丁目の夕日」をビデオで観て、あまりのひどさに怒りさえ覚えた。単に昭和33年の東京の町並みを再現しただけで、シナリオはチープで傷だらけだし、あの時代特有の臭いや貧しさというものがまるで伝わってこない。だいたい小日向文…
八木秀次と西尾幹二が骨肉の争いをしている。今月の「諸君!」で西尾が八木を非難しているが、そこで、八木には天皇崇敬の念が足りない、新しい歴史教科書をつくる会の会長にふさわしいとは思えないと書いている。かくして遂に西尾は、「自由主義史観」なる…