2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

水原紫苑の天皇短歌について

2023年の1月ころ、私はツイッター上で、水原紫苑の歌集『光儀(すがた)』(2015)には、天皇礼賛の短歌がある、と書いた。すると歌人の吉田隼人という人物からそんな事実はないと言われた(吉田は、当人=水原からの抗議を私が無視したと書いているが、ツイ…

江藤淳・野口冨士男VS秦恒平

1988年に、江藤淳は日本文藝家協会を中心に、売れ行き不振の文藝書を応援するために文藝書専門店を作ろうという気炎を上げていた。その結果米子市にそういう店ができたのだが、そこへ、文藝家協会理事長・野口冨士男と江藤淳が、自分の勧める文藝書百選とい…

音楽には物語がある(64)堀江美都子の変革  「中央公論」2024年3月

アニメ歌手として不動の地位を誇る堀江美都子(1957- )は、私が大学生のころにはすでに「堀江美都子大全集」などというLPが出るほどの大物だったが、私は関心はあったけれど、特にLPを買うとかファンクラブに入るとかいうほどのファンではなかった。しかし…

人にはそれぞれ理由が・・・

沖雅也が自殺した時(1983年)私は大学二年生だったが、東京へ向かう電車の中で二人のおじさんがその話をしていて「なんで自殺なんかするのかねえ、女でも作りゃいいんだよ」と言っているのを聞き(その時点ではまだ第一報しか入っていなかった)、沖雅也が…

歴史上の人物の名誉毀損

新潮社のPR誌『波』に、俳優の高嶋政伸が「インティマシー・コーディネーター」というですます調の文章を書いている。私はほとんど観たことのない「大奥」というドラマで高嶋が徳川家慶の役をやり、自分の幼い女児に性的暴行を加える話を撮影するのに、役を…

宇野信夫『役者と噺家』九藝出版

これまた、読書メーターにはこの本の登録がないしするのでここに書いておく。歌舞伎の俳優と落語家の思い出噺だが、あまり有名どころは出てこず、不遇な役者、落語家が多いところがいい。特に、二代目の左団次が死んだあとの未亡人の零落ぶりが、はっとする…