2005-01-01から1年間の記事一覧

大崎善生って、変

作家・大崎善生が『パイロットフィッシュ』(角川書店)で吉川英治文学新人賞をとった時、(というかそれまではノンフィクション作家だった)私は『週刊朝日』の連載「受賞作を読む」でとりあげて、「村上春樹の亜流」と批判し、「村上春樹病」という見出し…

「帰省ラッシュ」やめたら?

最近は、腹が立つからなるべく新聞の中のほうは見ないようにしているのだが、今朝はうかっと朝日の投書欄なぞ見てしまった。帰省ラッシュの時は新幹線を全面禁煙にしろとか、喫煙車両でも車掌が注意しろとかいうもの。この人は、タバコの煙が嫌で帰省をやめ…

林道義と東京女子大

『諸君!』一月号に、林道義が、東京女子大を定年退職したのに名誉教授にされなかったという告発文を載せている。まあフェミニスト連の陰謀だろうということはすぐ予想できるが、その理由を質された学部長は、始めは、二十年前の哲学科紛争が理由だ、と言っ…

マナーとは何か

(活字化のため削除) - 分かっておらん奴がいるから追記する。作家もペンネームを使うだろう、の類である。しかしこれは、書籍の奥付に、出版者の住所が書いてある。雑誌にも編集人名と住所が書いてある。これが責任の所在地だ。私は活字での匿名批判も卑怯…

http://blog.so-net.ne.jp/Shiseigaku/2005-11-06「O氏」となっているが、私のことだ。事実誤認に満ち満ちているが、議論はしないという卑怯者。「私の主張を無視するなどもってのほかだ。私が意見をすれば、あまねく全ての人間はすぐさま回答しなければな…

逮捕してもらおうじゃないか

(活字化のため削除)

相撲と健康増進法と雪山登山

まあタイトルを見ただけで中味は分かってしまうのだが、いま九州場所の最中である。健康増進法はその第一条で、国民は健康であるべく努めなければならないと言っているが、相撲は実に健康に悪い。力士は概して短命であり、四十代、五十代で死ぬのも珍しくな…

歌丸の厩火事

この日、NHKの「日本の話芸」でやった歌丸の「厩火事」は、かつて見たことのない名演だった。この数年の歌丸の藝が進境著しいことは気づいていたが、これはすごかった。サゲの直前で女が涙を拭くところで、私はまったく意識せず、もらい泣きしていた。「…

北風と太陽

(活字化のため削除) ―――――――――――――――――――― 厚生労働省はこんなものを公表しているが、いかにも「陰謀やってます」と公言しているようで、おかしい。 http://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/houkoku/dl/control03.pdf (小谷野敦)

M木陽子『異常××発生』

怖い本を見つけてしまいました。自費出版の世界は怖い。Mには三、××には現象を代入してください。まず入手するまでが大変で、版元「アース出版」のHPはあるのにこの本の注文方法が分からないので電話をかけたら、担当者がいないというので、長野のほうの…

大学の階級

以前、弘兼憲史の『人間交差点』で、大学の話を読んだ。非常勤講師の女性二人が助教授の座を争うというものだったが、どうもこの原作者は、大学の仕組みが分かっていないのではないか、と思った。 大学教員の階級は、 教授 准教授 専任講師 (専任助手)(大…

 http://cruel.org/other/smoking.html#civilization

なんで9月30日の日付で室井尚にからむんだ山形浩生。俺にからめよ俺に。それともあれか、俺には勝てないとか、ネットしか見ないネットバカを洗脳しようとか、そういう意図か。(それともコピペするのは楽だが本から引用するのは面倒だとでも?) まあ「キャ…

「公人」とはまず国家公務員である

当然ながら私は『噂の真相』やら2ちゃんねるを嫌悪しているのだが、この二つは「公人」の捉え方が間違っている。たとえば私の「離婚」を『噂真』が書いたとき、元妻は仮名だった。無名の人なのだから、ということだろう。ところが当時、あちらは国家公務員…

「外人」は差別語か?

こないだ大相撲中継に村松友視がゲストで出ていたが、「外人力士が」と繰り返すので、ああこれはまずいな、と思っていたら、案の定、注意されたらしく「外国人」と言うようになった。 「外人」は「不適切な発言がありました」と謝罪するほどではないが、使わ…

「日本史年表・地図」

吉川弘文館の『日本史年表・地図』を私は座右に置いている。ところが先日、「文献一覧」のところで「令集解」が834年となっていたのでそのまま原稿に書いたら、860年代だと指摘され、調べてみると確かにそうである。そこで吉川弘文館に電話して訊いたら、…

大学のウェブサイト

私のような人間が大学のサイトを見るときというのは、だいたいそこの日本文学科や英文科の教員の顔ぶれが見たいのである。しかし、三流私大のHPなどで、そういう情報がまるで分からない、あるいは不完全なものがある。読ませられるのは、明らかに実情とは…

「感じない男 」と森岡正博

ミクシィに書評を書いておいたのだが、要望(?)があるようなのでここに移す。 森岡は、渡辺淳一の『男というもの』を、男はこうあるべきだと決め付けていると批判しているが、どうも森岡にも、自分の感じ方を「男はこうだ」と決め付けるところがある。たと…

『比較文學研究』八十二号(2003)の、ヨコタ村上孝之氏の論文「恋と遊び−−ドン・ファンあるいは色男」の注7は、全体として私への反論になっているが、その中に「ガダマー流の解釈学にたって考えれば、ある文化はいつも二つの異なるパラダイムの対話と…

いりません論壇時評

新聞の「論壇時評」というものがあるが、あれは何だろう。朝日新聞では金子勝がやっているが、その前の藤原帰一ともども、ただ平坦な(藤原の場合には時にバカ丸出しの)左翼的議論が書いてあるだけで、6,7年前に担当していた米本昌平の時のような意外性…

東条英機映画「プライド」

1998年のものだからだいぶ古い話題であるが、私は昨年あたり初めてビデオで観た。公開当時、東条礼讃映画としてずいぶん叩かれたが、実際に観れば割に丁寧に作られていて、恣意的な捻じ曲げは感じられなかった。質も高いといえよう。むしろ、死去直前の北原…

岸田秀

文藝春秋のPR誌「本の話」9月号が届いた。岸田秀が、新刊の文春新書『唯幻論物語』の自己紹介文を書いている。これまで自分の唯幻論はだいたい二つの批判に晒されてきたという。一つは、岸田が自分の母親についての経験を書いていることへの非難で、何かの…

シナでセクハラの国立大教授

一昨年の「産経新聞」にこんな記事があった。 - 「わいせつ日本人教授」国外退去処分 セクハラ苦情絶えない中国の大学 2003.7.11朝刊 【北京=伊藤正】北京にある名門校、中国人民大学の日本人教授(四六)が同大に語学留学中の日本人女子学生(二〇)にわい…

理想が高い?

「帰ってきたもてない男」に付した求婚七か条に対して「理想が高い」と言う人がいる。そうも思わないのだが、それよりこの「理想が高い」という表現は、おかしくないだろうか。「理想」というのは、高いものである。「理想が低い」と、いうだろうか。低かっ…

「源語提要」の著者について

『源語提要』の著者について−−五井蘭洲と村田春海 小谷野敦 『国書総目録』には、『源語提要』という書物は二項目あり、一方は村田春海、もう一つが五井蘭洲のものである。蘭洲のものは、園田女子大学吉永文庫蔵、春海のものは神宮文庫蔵のいずれも未刊本で…

市川眞人なるもの

朝日新聞出版局のPR誌「一冊の本」6月号の冒頭に、島田雅彦ロングインタビューというのが載っている。『快楽急行』という新刊エッセイ集の刊行にあわせたものだ。これは「朝日新聞」beに連載されていて、島田はエロ親父になったとかさんざんに言われていた…

『新潮45』昨年十一月号で私は笙野頼子が上野千鶴子を「女にだけ当人にウラもとらないでどんな方法論を取ったかを勝手に決めつける」と批判した(大庭みな子編『テーマで読み解く日本の文学』小学館)のを、どこに作家を論じるのにウラをとる批評家がいる…

答えなかったメールに

2002年7月27日、宝塚のマンションにいた時、ある読者からメールが来た。『片思いの発見』を読んでのもので、女性、かつ名前も名乗っていた。この本で私は、『の文学史』を、「やっぱり小谷野さんマッチョです」と言ったさる後輩女性のことを書き、電話で二時…

谷崎潤一郎没後年表

1966(昭和41)年 1月、藝術座で『細雪』上演。菊田一夫、浦島千歌子、岡田茉莉子、司葉子、団令子。 15日、増村保造監督『刺青』封切、若尾文子。 日本の文学『谷崎潤一郎集(二)』田村孝之介装画、中央公論社より刊行。 22日、川田順死去(84)。 …

谷崎潤一郎詳細年譜(昭和40年まで)

(写真は谷崎お気に入りの女優・淡路恵子)1964(昭和39)年 79 1月5日、『京都新聞』で「初釜清談」谷川徹三、佐伯米子、入江、千宗興、三島。 15日、吉川幸次郎、中村歌右衛門ら、藝術院会員。 20日、渋沢秀雄宛代筆書簡、先日は久しぶりに、その…

谷崎潤一郎詳細年譜(昭和38年まで)

(写真は谷崎お気に入りの女優・有馬稲子)1962(昭和37)年 77 1月、座談会「明治の学生作家」久保田・戸板康二・池田弥三郎・車谷弘『銀座百点』 8日、「わが小説−『夢の浮橋』」を『朝日新聞』に掲載。 11日、千萬子より書簡、中公二月号の感想、…