2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

違うと言っているのに

「ヘレン・ケラーの生涯を描いた「奇跡の人」の原作者が死去」。あれはヘレン・ケラーの生涯なんか描いていない。あれはサリヴァン先生が主役なのである。 木村毅の『大衆文学十六講』には、第一次大戦後の超人気作家として、エドガー・ウォーレスとホール・…

博士号をとろうとしている人文系院生に告ぐ

(活字化のため削除) (追記:言語学や心理学は理系だから博士号はあったほうがよい) (小谷野敦) (追記:不断見ていないブックマークを見たら、 「Britty 研究 うーん場合によりけりですよね。どこに就職するかにもよるし。旧帝大はいちおう教授はみんな…

以下に掲げるのは、二年前に一度掲げて削除したものである。これは当時阪大言語文化研究科の院生だった某君から来たもので、渡辺秀樹のさらなる悪業を暴露したものだが、当時その某君から懇願されて削除したもので、その際、某君が博士論文を書くまで待つと…

「新ゴーマニズム宣言」は、相変わらず佐藤優の言論弾圧との戦い編である。最後に、佐藤が、小林よしのりが先に撃ってきた、と言っていることについて、「いつから言論界には先に批判したやつが悪いというルールができたのだ。幼児のケンカか?」(大意まと…

先日、ヨコタ村上がつきあっている現ロシヤ人を特定した、と書いたら、それは多分別の人で、言語文化研究科の院生でウェブ上に名が出ていないロシヤ人もいる、と言語文化の院生から言ってきた。だから違うかもしれない。まあ12月にはそやつと結婚するのだろ…

『カムイ伝』に挫折した私

田中優子の『カムイ伝講義』の書評をいくつか見た。褒めてあったのは言うまでもないが、活字での書評は信用できないのでアマゾンを見たらまだ誰も書いていなかった。 私は2000年に田中と対談したが、その際田中は、これまでマンガは全然読んでこなかったので…

変身忍者嵐×快傑ライオン丸

私は小学校3−4年のころは特撮ファンだったが、『変身忍者嵐』は観なかった。同世代の関東地方の人なら分かるだろうが、『ウルトラマンA』の裏番組だったからである。ちょうど同じ頃に、『快傑ライオン丸』の放送も始まったので、いずれも時代劇の等身大変…

見つけてしまう

高橋大輔という、どこかで聞いたような名前のライターによる『間宮林蔵・・・』というのが中公新書ラクレで出ていたので立ち読みした。林蔵がアイヌの娘との間に儲けた子孫を探し出してきたのはお手柄だし、シーボルト事件を、林蔵の「密告」によるものとしてい…

国文学者が英語を読む

平川先生が『アーサー・ウェイリー』で、河添房江先生編集の『講座 源氏物語研究 第十二巻 源氏物語の現代語訳と翻訳』(おうふう)について、収められた論文の出来不出来が甚だしいと書いていた。私はこの本は河添先生から戴いて全部読んではいなかったので…

それは違う

『週刊朝日』の書評欄で亀和田武が、佐藤優の言論弾圧に触れている。そこで、佐藤が櫻井よしこと私に反論しない件で、私に対して言論弾圧をしたら、10倍返しの罵倒が来るだろうと書いているが、それは違う。佐藤は国家公務員であり、一般国民たる私にそんな…

小平麻衣子の更生

小平(おだいら)麻衣子という近代日本文学研究者がいる。今は日大教授だが、以前は埼玉大助教授だった。八年前に私は小平を批判したことがあるが、その際、その悪文家ぶりについて戯文を書いて、発表の機会がないまま眠っていた。さて今年、小平は博士論文…

リキとタカ

私の後輩に実村文という人がいて、いま某大学の准教授だが、私は彼女が大学院へ来た時、なぜか男だと思い込んでいて、「じつむら」などと読んでいたのだが、「文」といえば一般には女だろうになぜそう思い込んだか、しかしどうも男に見える字面である。あと…

ダグラムの感動

私は『太陽の牙ダグラム』が好きだった。ちょうど私の予備校生時代から大学二年にかけて放送されていた。おもちゃが売れたため異例の延長になったが、アニメ評論家の間ではひどく評判が悪いという、『ガンダム』や『イデオン』とは逆の結果となった連続アニ…

谷沢永一の後ろ姿

『國文學』に連載していた谷沢永一の「本好き人好き」が最終回を迎えた。1989年からだから、19年にわたって続いたことになる。もしかして、次回から武藤康史の連載でも始まるのだろうかと期待を抱かせるとともに、一抹の寂しさを感じないでもない。 そういえ…

実は偉い川本三郎?

『シナの五にんきょうだい』は、幼稚園の頃に読んだ記憶がある。もちろん、楽しい絵本だった。だが、石井桃子訳、福音館書店のそれは、ちょうど私が大学生の頃、絶版になっていた。もちろん、「シナ」のためである。それで私はカナダへ留学した際、原書を見…

ヘレン・ケラーに関する誤解

横山雅彦という人の新刊を見ていたら、ヘレン・ケラーが水を認識する場面について書いてあったが、あれはヘレンが失明する前に「water」という単語を覚えていて、忘れていたのを思い出したのである。しかしこの著者は、何やらその時点で、物には名称があると…

ドナルド・キーン何をした

ドナルド・キーンが文化勲章を受章した。しかしこれは、日本文学を海外へ紹介した業績によるもので、キーンが日本文学研究において何か業績があったからではない。単独で日本文学史を書いたというが、それなら小西甚一だってやったし、やろうと思えばやれる…

この上何が欲しい

「週刊ポスト」を立ち読みしたら、香山リカが勝間和代の本を書評して、自分の本がベストセラーにならない理由が分かった、と書いていたので、筆者名を見間違えたかと思ったよ。ベストセラー、なってるじゃないか香山。 大学院も出ていないのに立教大教授にな…