2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『頭の悪い日本語』を読んだ、後期高齢者と称する人から手紙が来た。「小谷野敦殿」と宛名があり、「君は」と書いてあって、自分の息子と同年だとあり、何やら意味のよく分からないことが箇条書きで書いてあった。 104で電話番号を調べて電話をかけた。名…

コロンボの「死者のメッセージ」をやっていたので観た。もちろん二度目である。犯人は人気女性推理作家だが、コロンボは例によって、「いやーうちのかみさんが大ファンで」と始めるのだが、そのあと「新作が出るとすぐ図書館へ駆けつけて亥の一番に借りてく…

藤原佐為の性別

23巻を一日一冊くらいで読んでいたから、『ヒカルの碁』を、この三週間くらい読んでいた。私は碁は分からないのだが、まあ面白かった。だが途中で佐為が消えてしまうと、がたんとつまらなくなり、遂に回復しないまま終わった。あれは幽霊である佐為がいるか…

凍雲篩雪 そういえば『週刊文春』五月二十九日号に、雁屋哲を揶揄する記事があったが、その中で雁屋が天皇制反対論者であるというくだりに、「あの人こそ天皇ですよ」といったコメントが入っていた。つまり独裁的だということなのだが、本物の天皇が独裁者だ…

私の大学院の先輩に岸川典生さんという人がいる。といっても面識はない。学年では四つ上で、名簿で見た。この年には赤尾雄人というロシア・バレエの研究をしていた人もいたが、この二人はおそらく博士課程に進めなかったのだろう。赤尾さんも面識はないが、…

「編」の謎

原基晶氏の新訳『神曲』が次々と刊行されている。私はあまりこの作品に興味がないのだが、解説では、先行訳にもしかるべき批判が加えられていて興味深い。せりふの部分などはこれまでなかった俗語訳であろうか。 さて『神曲』の翻訳はこれまでだいたいこんな…

『文藝春秋』八月号に発表された川端の手紙だが、あれは新発見というより、今まで隠していたというのが正しい。 あと川端香男里が、康成が昭和二十六年に伊藤初代の死んだのを知ったのは昭和四十年と書いているがこれは疑わしい。「水郷」で、初代が死んでい…

新刊です

病む女はなぜ村上春樹を読むか (ベスト新書)作者: 小谷野敦出版社/メーカー: ベストセラーズ発売日: 2014/05/09メディア: 新書この商品を含むブログ (12件) を見る訂正 107p 「本当はその姉の女二宮が…」→「女三宮が人妻だったので代わりに姉の女二宮を妻とし…

筑摩書房の旧『世界文学大系』にヘンリー・ジェイムズの巻があり、『ロデリック・ハドソン』が入っている。これに月報がついていて、はじめに西脇順三郎が書いているのだが、どうも西脇は、『デイジー・ミラー』と『ねじの回転』しか読んでいないらしく、あ…

「『文學界』五十年のあゆみ(戦後編)」(『文學界』1983年11月)は、江藤淳、中村光夫、磯田光一の鼎談だが、江藤がここで「純文学論争」の内幕を語っていて、当時『群像』の編集長で文学の鬼と言われた大久保房男が、1959年創刊『週刊現代』の編集長を兼…