2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

梶輝行の論文について

ウィキペディアの「シーボルト事件」の項を見ていたら、梶輝行という人の論文のことが書いてあった。1996年に長崎のシーボルト記念館の紀要に出たものである。シーボルト事件は、帰国しようとしていたシーボルトが乗るべきコルネリウス・ハウトマン号が嵐の…

子供の頃観た番組で主題歌まで覚えているのに分からなかったのがある。それがようやく判明した。これがオープニングである。 NBCで1969―70年放送、日本では1970年12-71年6月 東京12チャンネルで火曜午後七時から30分「マンガ大冒険! ドタバタ30分」の題…

図書館で毎日新聞を見たら真ん中へんに四コマ漫画があった。家庭欄か。大和彩の『失職女子』を読んでうるうるしていたら尼レビュで一点レビューがついていてもっと努力しろとか自己責任とか書いてありそういう風潮が恐ろしいと思った、といういかにも新聞的…

なんか村上春樹の中頓別をめぐって斎藤美奈子を石原千秋が批判している。あまり私は興味がないのだが、中頓別の町長は村上春樹に対して行政権力を持っていないのでこれは言論弾圧には当たらない。国会議員ならなる。それに対して村上春樹や版元がどう反応し…

工藤美代子の『もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら』に、鶴田欣也のことが書いてあるのを、人に教えられて知った。初出は2000年で、鶴田さんが死んだ翌年のものだ。98年12月20日に鶴田さんから電話があって、末期の肺がんだと告げられたとある…

鳥羽伏見の戦い

文学研究もいよいよ鳥羽伏見の戦いに敗れて徳川慶喜が大坂城へ逃げ出すあたりまで来たようだ。この場合「文学研究=武士」とする。 日本近代文学や英文学の人は、村上春樹、推理小説、アニメ、テレビドラマ、ホラーなどに手を出しておおわらわである。それを…

松田哲夫と呉智英

松田哲夫の出版記念会に呉智英さんが来ていたと佐久間文子が書いていたので、あれっ、呉智英さんは松田と親しいのかなと思ってその新刊を見てきたら古いつきあいだが呉智英さんは日本を悪くしたのは松田だと言っていて敵視しているとあり、そのくせ松田が目…

いやな感じ

加藤直樹の『九月、東京の路上で』という、関東大震災の時の朝鮮人虐殺の本が話題であるらしい。私は「そういえば、あれは」と思ったのだが、工藤美代子の『関東大震災 「朝鮮人虐殺」の真実』(扶桑社、2009)である。まあいわゆる「右翼本」で、朝鮮人虐殺…

吾妻ひでお先生の日記で知って、東野圭吾の『悪意』を読んだ。面白かったがいつもの通り、現実にこんなことするやつぁいないだろうと。 最初のほうで、ヴァンクーヴァーへ移住する作家が、「気温は?」と訊かれて、「緯度が全然違うからねえ。でも夏が涼しい…

別氏夫婦は、最初の子の出生時に届け出ることによって、婚姻時に定めた「子が称すべき氏」とは異なる氏を「子が称すべき氏」とすることができる。出生時に届出がされなかったときは、子は、婚姻時に定めた「子が称すべき氏」を称する。

別氏夫婦は、婚姻時に「子が称すべき氏」を定める。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BE%8B%E5%A4%96%E7%9A%84%E3%81%AB%E5%A4%AB%E5%A9%A6%E3%81%AE%E5%88%A5%E5%A7%93%E3%82%92%E5%AE%9F%E7%8F%BE%E3%81%95%E3%81%9B%E3%82%8B%E4%BC%9A

ウィキペディア「工藤美代子」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%A5%E8%97%A4%E7%BE%8E%E4%BB%A3%E5%AD%90 「要出典」が多いなあ。『工藤写真館の昭和』およびその文庫版解説、『それにつけても今朝の骨肉』、『女が複眼になるとき』『旅人たちのバンク…

與那覇潤の『中国化する日本』は、最初のつかみのところで、2011年のことをさして、 思い出してください。誰しも記憶を辿れば、この期間によい方向にであれ悪い方向にであれ、「歴史が変わった」と感じられる瞬間が、何度もあったことを覚えているはずです。…

私の『日本売春史』に、ソープランドで働くような女は軽い知的障害があることが多い、と書いてあるのが、ある種の読者の「あっ、これは差別だ」意識を刺激するらしい。調べたのかい、などと言いだす。もちろんそんなこと、できるはずがない。売春はしていな…

昨日(11日)は七年ぶりくらいに比較文学会へ行ってきた。千葉大の加藤隆という教授が、恋愛輸入品説の発表をするというので、要約を見たら、私が輸入説論者になっているので、メールを出して、違いますよと言ったのだが、どうも私の本をちゃんと読んでいな…

有馬頼義とドイル

有馬頼義に「死者の声ーある盗作未遂事件」という短編がある。『別冊文藝春秋』1960年春(3月)掲載で、単行本には入っていないかもしれない。副題がなんだなんだと思わせるので読んでみた。私小説仕立てで、有馬が、昔読んだ小説ーホラーものーの、筋は覚え…

山崎豊子と橋本治

橋本治が、山崎豊子を擁護した論というのがある。批評家は、山崎の描く人物が類型的だと言うが、人間は類型なのである、というものだ。 どうもこれは違うのじゃないかと前から思っているのだが、たとえば事実に近いことを書いた小説を「類型的」と言う人はい…

山梨県立文学館から送られてきた『谷崎潤一郎展』の図録に、武藤康史の「根本絢子の文体」という奇妙なエッセイが載っている。なおこの図録にエッセイを寄せているのは、千葉俊二、明里千章、武藤、柴田翔で、千葉、明里はいいとして、あとの二人は「?」で…

『文學界』11月号の「新人小説月評」の冒頭で福永信が、「大波小波。九月十六日夕刊。出てこい。お尻ぺんぺんしてやる」と書いていたから、何ごとならんと図書館で東京新聞を見てきたら、途中で斎藤美奈子の「軍の強制がなかったと決まったわけではない」と…

赤川次郎の父・赤川孝一は、戦後東映でアニメ映画の製作などしていたが、戦時中は満州国で甘粕正彦の側近だったという。1934年東京帝国大学文学部哲学科卒だから、1910年ころの生まれで、次郎は次男だが39歳ころの子ということになる。満洲国文教部社会教育…

2010年ころ、筒井康隆が「朝日新聞」に読書自伝エッセイを連載し始めた時は驚いたもので、というのは、朝日に限らずその当時新聞は、禁煙ファシズムを批判するような人には書かせなくなっていたからである。そして筒井は、煙草については書かなかった。だか…

よくない批判の仕方

堀啓子さんの新著(初の単著)『日本ミステリー小説史』(中公新書)をいただいた。アマゾンでたちまち一点レビューがついた。私も、必ずしも出来のいい本だとは思っていない。既に伊藤秀雄『明治の探偵小説』があり、特にそれを超えていない気がするし、文…

BSプレミアムのドラマ「タイムスパイラル」を観ている。割とこういう軽いSFは好きだ。しかし、タイムリープして過去を変えても似たような形で同じ結果になるってのは宮部みゆきの『蒲生邸事件』に出て来たけど、まさか宮部が最初に書いたわけじゃないだろう…