2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

中村真一郎の『文章読本』

昨日だか、私の『文章読本X』に触れて、中村真一郎の『文章読本』が良かった、と書いている人がいた。私はこれは未読だったし、そこで紹介されている内容にはさして感心しなかったが、図書館から借りてきた。 ところが「ですます」体である。さらに、論文と…

〜の時代

侮蔑の時代』アンドレ・マルロオ 小松清訳 鎌倉文庫 1948 青の時代」三島 1950 われらの時代」大江、1959 敗北の時代』コリン・ウィルソン 丸谷才一訳 新潮社 1959 破約の時代』筑波常治 講談社 1959 イブの時代』多岐川恭 中央公論社 1961 幻影の時代 マス…

『ウルトラマン』のジャミラが出てくる「故郷は地球」について、脚本を書いた佐々木守の『 戦後ヒーローの肖像 『鐘の鳴る丘』から『ウルトラマン』へ』岩波書店)にシナリオが採録されていて、最後のイデのセリフは「犠牲者はいつもそうだ」になっている。…

凍雲篩雪

凍雲篩雪(57)アダルトビデオの光と影 私が大学生から大学院生だった頃が、アダルトビデオが最初の黄金期を迎えた時期だった。院生になって自室にテレビを備えた私は、ずいぶんお世話になった。その当時は、レンタルビデオ店で二点を借りてきて、色々なAV…

連載盛衰記

学問的キャッチボール

以前、佐々木邦の初期作品『いたずら小僧日記』について、当時池坊短大教授だった堀部功夫氏が、これの原本は『BAD BOY'S DIARY』として米国で出たものだとした(1991年)のを、その作者がメッタ・ヴィクトリア・フラー・ヴィクターだという論文を書いたのだ…

『梅原猛著作集 13 万葉を考える』(集英社、1982)は、『水底の歌』その後といった感じの文集だが、ここには益田勝美への反論も載っている。で、巻末の著者による解説を見ると、「(益田の批判は)著者の期待に反して、残念ながら『水底の歌』を真面目に読…