2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

大阪大学名誉教授(美学)上倉庸敬(1949年- )の唯一の単著『フランス美学 涙の谷を越えて』(創文社、2009)のあとがきには、無気味なことが書いてある。これは2007年阪大学位論文がもとだとして、 その論文自体、同僚だった大橋良介教授(・・・)が、ご…

http://bookshorts.jp/ishiishinji/ 先ごろ三島賞候補になり、蓮實先生が「とるべきだった」と言ったいしいしんじというのはどういう人かと思いこのインタビューを見てぶったまげた。なにこの有力編集者との友達づきあい。もしかして大学の友人とかなの? そ…

「指輪物語」と恩田陸

話題の『精霊の守り人』をちょっとのぞいてみようと新潮文庫を買ったが、くノ一+ナウシカ+記紀神話みたいでどうもいかん。主人公が30歳の女というのはいいが、色気がない。子供の読物だろうと思ったし、共和主義者の私には、皇子を守る、ということに一向に…

夏目漱石が「I love you」を「月がきれいですね」と訳せと言ったというのは都市伝説らしいが、これは長山靖生の『「吾輩は猫である」の謎』(文春新書、1998)に、 「漱石は、ある時、英語の授業でI love youを「我、汝を愛す」と訳した生徒に「馬鹿、…

マシャード・デ・アシスと二人の女

ブラジル19世紀の作家マシャード・デ・アシスは、どこでだか知らないが「ブラジルの夏目漱石」と言われているという。二つの長篇に日本語訳が二つずつある。刊行順に並べると、 『ドン・カズムーロ』デ・アシス 著 ; 伊藤奈希砂, 伊藤緑訳 彩流社 2002.2. 『…

凍雲篩雪(四月)

小保方晴子を攻撃し続ける人たち 今回は別のことを書くつもりだったのだが、小保方晴子について攻撃を続ける人たちがいるので改めて書く。佐藤優は『文藝春秋』四月号で、サイエンスライターの緑慎也と対談しているが、なぜ対談相手を佐藤貴彦にしなかったの…

新刊です

反米という病 なんとなく、リベラル作者: 小谷野敦出版社/メーカー: 飛鳥新社発売日: 2016/03/09メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る

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谷崎研究者のたつみ都志先生の旧姓が富山であることは初期の論文から分かっていたのだが、父上は富山忠三という関西大学商学部教授だった方であると分かった。著書はなく、以下略歴である。 1902年1月2日 鹿児島市において仲吉の三男として生まれる。 1920年…

20世紀後半から書かれ始めて、次第に増えている、純文学におけるある長篇小説の書き方というのがあって、それは多数の固有名詞、または普通名詞だが固有名詞的な、薬、兵器、家具、身の回り品の名称をやたらと放り込んである小説である。 最初にそういう小説…

大阪の春日井ひとしという方から小冊子『昭和八年の里見とん』が届いた。私の里見伝と久米伝の訂正もある。明治大学文藝科で里見が学生を演劇に連れて行ったり俳優を教室に呼んだりしたのは里見一人のことではなく学科の方針だったという。 久米伝のほうでは…

月曜に、久しぶりに本郷の江知勝へ行ったら、個室なのに灰皿がなく、外で吸ってくれと仲居が言う。驚いて店主を呼んだら、東京都から、禁煙にするよう要望が来ていると言う。課長通達かと思ったから訊いたら、「いやそれが誰からか分からないんですよ、ただ…

石原慎太郎の「ある失踪」

石原慎太郎の「ある失踪」(『文學界』2015年5月)が川端文学賞の最終候補になっていたので読んでみた。これはある74歳の老女が、夫が死んだあとボケて失踪し、下田あたりで保護されて施設に二年くらいいて、それが「ミコモト」と言うので施設の男が探訪する…

「魔王」の子供は病気か

ゲーテの詩にシューベルトが曲をつけた「魔王」は、学校の音楽の時間に教わるのでよく知られている。荒義剛(1920年- 、いわき短期大学教授)の『魔王異聞』(批評社、1992)には、この曲が、子供が熱病で死んだという通説に出会って著者が驚くというエッセ…

「ウルトラマンX」で、隊長の娘が結婚するという回があり、いったいいくつなんだと隊長役神尾佑の年齢を見たら45歳で、まあぎりぎり、22歳で産んで娘23歳とかありかなあと思ったが、隊長の娘ネタといえば「帰マン」の根上淳の娘が12歳くらいで登場する。そこ…

土橋悦子 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%9F%E6%A9%8B%E6%82%A6%E5%AD%90 船橋市西図書館蔵書破棄事件https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%B9%E6%A9%8B%E5%B8%82%E8%A5%BF%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E8%94%B5%E6%9B%B8%E7%A0%B4%E6%A3%84%E4%BA%8…

人形劇「真田十勇士」は断片的に録音してあるのだが、『NHK連続人形劇のすべて』に、台本を見てのあらすじでは、1977年2月2日からの一週間が空白になっているが、これは柴錬の原作を見ても分かるとおり、呉羽自然坊と筧十蔵が加賀の前田利常のところへ行…