M木陽子『異常××発生』

 怖い本を見つけてしまいました。自費出版の世界は怖い。Mには三、××には現象を代入してください。まず入手するまでが大変で、版元「アース出版」のHPはあるのにこの本の注文方法が分からないので電話をかけたら、担当者がいないというので、長野のほうの電話番号を教えてもらい、かけると「新建新聞社」で、どうも建築関係の新聞社らしいのだが、その中にこの自費出版代行業者がいるようで、二度掛けてようやく話が通じて代引きで送ってきた。
 今年五月の刊行、140Pの薄い本で、著者は29歳、姫路出身で、神戸文化服装学院専門学校卒、中央大学法学部通信課程在籍らしい。
 端的に言って著者は××××症で、二十歳の時から神戸大など一流大学の男とセックスしては捨てられるという繰り返しで、彼らが実名と大学名入りでじゃんじゃん登場します。著者はその男たちがみな共謀していると信じていて、自分とセックスするとその後いい女が手に入る、と彼らは思っている、と思っている。そして自分を捨てたあと、男たちはストーカーになったと何度も書いているのだが、それは明らかに妄想で、文章が既におかしい。著者が新しい男とデートしていると、前の男が女を連れて現れることになっている。
 しかもそういうことは小学生の頃から続いていると著者は思っていて、中学一年の時のことが、当時の日記をもとに書いてあるのだが、著者がだいぶんに変わっているので、男子たちが半分好奇心もあって彼女をかまうからなのだが、著者も母親も、それは著者がもてているからだと信じていて、塾や学校の先生と話し合っても、からかわれている、と先生が言うと母親が怒るので、もてていると認めざるを得ない。中学生の時殺人未遂にあったと書いているのだが、教室のベランダへ押し出されて鍵を掛けられた、という程度のことで、しかし、その程度、と言っても著者は納得しないのである。
 つきあった男の一人が首吊り自殺したとか、警察や弁護士会に相談して、今年は訴訟を起こすと言っているが、どこまで本当でどこから妄想なのか、分からない。そして最後は、「二巻につづく」とある。
 自費出版代行業は、こういう人を掘り起こすのだなあ。

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 今や2ちゃんでも人気の著者だが、ねらーどもは著書を読んでいないな。「2ちゃんねらーは本を読まない」。