2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧
「堪忍袋」という落語がある。明治末年に益田太郎冠者が作った新作である。喧嘩ばかりしている長屋の夫婦が、大家の助言で「堪忍袋」を作り、言いたいことは袋の中へ吹き込むが、中が一杯になって吹き込まれていた悪口が一斉に飛び出してくるというサゲで、…
本当は19日提出の予定だったが、今日東京簡易裁判所へ提出してきた。裁判長の判断次第で地裁へ移されるかもしれない。本当は千人が同じ提訴をしてくれればJRをパニックに陥れられるのだが。マスコミは決して報道しないだろう。こういう声があることすら隠…
城山三郎氏が亡くなったようだ。前からたびたび、ぼけていると指摘していたが、ぼけたまま長命を保ったりせず、幸いだったと思う。http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20060818 http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20061231 ところで城山三郎、本名杉浦英一…
先日、尾崎一雄の夫人だった松枝さんが亡くなった。あの「芳兵衛」である。夫人なくして尾崎一雄なし、と言っても過言ではない。「芳兵衛」とあだ名される妻って、なんか素敵である。「暢気眼鏡」である。「玄関風呂」である。中で忘れがたいのが、もし夫人…
とにかくふた言目には「想像力が足りない」と言う輩が跡を絶たない。以前ある女に、東大生が世界の地理や歴史を知らない、と言ったら「想像力が足りないんですよ」と言う。「いや、想像力じゃなくて、知識でしょう」と言っても「想像力です」と言ってきかな…
三月十一日の日経新聞に、小川国夫が「煙草」という随筆を書いていると聞いて、図書館で見てきた。なるほど後半は、最近の煙草迫害は度が過ぎていないかという話なのだが、前半は、禁煙となっている場所(確か屋外)で、小川が人のいない所まで行って煙草に火…
今度DVDになるらしい。私は六年ほど前、近所でヴィデオ全30巻ほどを一万円で売っていたので衝動買いしたことがある。 私が小学校高学年の頃からNHKで放送していたもので、断続的に大分続いた。最初は熱心に観ていたが、最後のほうはさすがにどんどん話…
以前住んでいたマンションで、ある室の人についてある人が「夫婦別れしたらしいんですよ」と言ったことがある。「離婚」と違って、ある物哀しさが漂う言葉だと思った。「物理学者としての声価は高かったが、虚偽で非人間的な大学の組織に、寅彦の繊細な神経…
(活字化のため削除) −−−−−−−−−−− コンビニで週刊現代の目次を見ていたら、岸本葉子さんお勧めの宿とかいって仙台の和風の豪華なお宿の写真が載っていた。しかし何せほどなく東北、上越新幹線が全面禁煙になるから、JR東日本が改心しない限り、私は仙台へ…
図書館で、1961年の『群像』を見ていたら、第四回群像新人賞の発表があって、評論部門当選作「斎藤茂吉論」と、小説部門優秀作「逆縁」が載っていたが、その著者がいずれも「成相夏男」である。ありゃりゃと思って、受賞者紹介欄を見ると「本名・上田三四二…
(その後受賞者津村記久子が芥川賞をとったので削除) −−−−−−−−−−−−−−−− 夏目漱石が東京帝大を辞めたとき、「講師」だった。まあ明治期のことだし、職名もさまざまだったのだろう、と思っていたが、ふと、では英文科教授は誰だったのか、と考えて、調べたら…
落語界の名跡は乱れきっている。春風亭一朝の弟子が六代目柳朝を名乗ると聞いて、驚いた。先代柳朝の弟子は、一朝、小朝である。年齢順にいえば一朝が、実力からいえば小朝が柳朝になるのが順当だが、それをすっ飛ばして孫弟子に行ってしまうのだ。これはひ…
「文學界」の四月号に、河野多恵子と山田詠美の対談が載っている。河野先生が芥川賞の銓衡委員を降りるらしい。既に読売文学賞、谷崎賞は辞めていて、これですべて降りるということだ。谷崎崇拝者である河野先生がいなくなるのは、心細くもある。 冒頭、山田…
前に書いておいて、どうせ佐藤優などというのは一過性のブームだろうと思って削除したが、そうでもないようなので少し修正して再掲する。 「国体教の山僧・佐藤優」 なんか最近たてつづけに佐藤優の名を知人から聞いた。「外務省のラスプーチン」である。『…
こないだ、「おもちゃのチャチャチャ」は野坂昭如作詞だ、などと豆知識を披露したが、渡辺裕のサントリー学芸賞受賞作『聴衆の誕生』で、「伊東に行くならハトヤ、電話はヨイフロ」も野坂作詞だと知った。なお渡辺がサントリー学芸賞選考委員なのは、阪大文…
先週の「サンデー毎日」の表紙をみて「小渕優子?」と思った人は少なくないはずだ(実は菊川怜)−−−−−−−−−−−−−−− 西村寿行の『犬笛』という小説がある。元は『娘よ、涯なき地に我を誘え』という題名だったのだが、1978年の映画化に際して改題された。犬笛は…
イェイ、読みましたよ、「ひとり日和」(筒井康隆のまね) ヒロイン三田知寿は二十歳、高校を卒業してアルバイトをしている。両親は五歳の時に離婚して、高校の国語教師の母親、47歳に育てられた。家は埼玉県の、東京まで二時間かかるというから羽生くらいの…
桝野じゃなくて枡野さん、遅れてすみません。http://masuno.de/blog/2007/01/19/post-83.php 当たりです。「E」は「上田理恵」です。単行本さえ出していないからこれは難しいです。でもそんな作家を起用した朝日新聞って・・・。 −−−−−−−−−−−−−−− 岩波新書…
先月の「文學界」で、「春琴抄」の春琴は淀殿をモデルにし、佐助は石田三成ではないかと書いておいた。最初は「淀殿」と書いていたが、谷崎先生が「淀君」と書いているので、後半は「淀君」になっている。これに対して、淀君は間違いで、淀殿とか淀の方とか…
佐々木倫子の『動物のお医者さん』(単行本は1989−94)は、当時私も楽しく読んだものだが、その中に、二十代後半と思しい院生の菱沼さんが、年下の男と恋愛関係になりそうな時、札幌オリンピックの主題歌で、トワ・エ・モワが歌った「虹と雪のバラード」を知…
飯田龍太は蛇笏の息子。俳誌「雲母」を受け継いだが1992年廃刊。 俳句の世界は、現代の文学ジャンルの中でも「世襲」制が生きている。近代俳句の創始者正岡子規は子孫を残さなかったが、跡を継いだ高浜虚子は、「ホトトギス」誌上に、娘・星野立子に宛てた「…