ウォルター・アイザックソンの『レオナルド・ダ・ヴィンチ』を読んでいたら、レオナルド初期の、あまり魅力的でない肖像画「ジネーヴラ・デ・デンチ」について、これは人妻であるジネーヴラとプラトニックな恋愛で結ばれていた、1475年にヴェネツィア大使としてフィレンツェに赴任したベルナルド・ベンボが依頼した肖像画で、ベンボには妻も妾もいたが、ジネーヴラと強い愛情で肉体関係なく結ばれていたために「当時このような恋愛は高尚なものとみなされ、非難されるどころか詩にも謳われるほどだった。ルネサンス期にフィレンツェで活躍した人文主義者のクリストフォロ・ランディーノは二人の恋愛について「ベンボは恋愛の炎に身を焦がし、その心には常にジネーヴラが宿っていた」と書いている』とあって驚いた。