小倉千加子よ

 週刊朝日(12月22日号)で、小倉千加子野田聖子について書いていた。野田の夫婦別姓論が女の側の家名存続のためであることはその通り。しかし皮肉なのか何なのか、夫婦別姓少子化対策の起死回生の方策だと書いている。だが、現在の夫婦別姓案は、「子供の姓は統一する」なのだから、そうはならんだろう。「別姓で結婚しよう」と決めた男女が、子供の姓をどちらにするかで揉めて、結婚とりやめ、ということになるとか、いったんは決めたのにいざ生まれたら女の側が離婚と子の姓の変更で裁判を起こすとかいう騒ぎになるのが落ちではないか。まあ小倉は皮肉として書いているのかもしれないが、前提が間違っていたのでは皮肉も利くまい。

 ところで小倉は「セクシュアリティの心理学」で、同性愛者解放のためにはカムアウトがよい、と言ってセジウィックを批判しているのだが、なぜ自分ではカムアウトしないのだろう。変な話である。