著書訂正

私小説のすすめ』
56p「ワイド版岩波文庫『道草』(二〇〇八年)」→「岩波文庫『道草』一九九〇年」

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片岡みい子さんから、『たいへんよく生きました ぬか風呂サロン闘病記』(論創社)が送られてきた。片岡さんはロシヤ語の翻訳家かと認識していたが、これが初の著作らしい。片岡さんの夫(入籍したのは最後のころだという)だった正垣親一(1948-2001)という人の癌闘病を描いている。と同時にその伝記にもなっている。

 片岡さんが、どう読まれると思って書いたのか今ひとつ分からないが、まあ夫妻そろってソ連の反体制派支援をしてきた、といえば聞こえはいいが、正垣という人は、関西から出た商人みたいな家の出で、世田谷代田で育ったという。近くに山口文憲の家もあったというので、ああお坊ちゃん育ちだから山口ってのはああ脳天気なのかと気づいた。
 正垣も外大ロシヤ語の出身だが、学生運動の続きで、正業には就かずロシヤ関係の政治運動とか事業をやっていたようで、片岡さんと知り合ってすぐ妊娠中絶させたり、しまいにはいくらともしれない借金を作ったり、お坊ちゃん育ちでわがままなひどい人だったとしか思えない。政治運動をしている人にはよくこういう、自分の足もとはめちゃくちゃ、という人が多い気がする。