2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

小宮彰さんと「左翼」

私の大学院の先輩に小宮彰(1947-2015)さんという人がいた。フランス科から比較文学に進み、東京女子大で長く教えていた。比較の集まりにも当初はよく姿を見せていたが、七年前に68歳で独身のまま急逝した。一冊だけ「ルソーとディドロ」という単著を死去の…

どうして男はそうなんだろうか会議 ――いろいろ語り合って見えてきた「これからの男」のこと ・澁谷知美・清田隆之編    アマゾンレビュー

フェミニズム系男性論星2つ 、2022/09/26渋谷や清田らは「フェミニズム系男性論」の書き手だから、本書もそういうバイアスの下で書かれている。私の『もてない男』は、批判したいならすればいいのに(しかも筑摩書房の本で)完全に無視。「セックスの相手が…

三進堂書店のおやじ

御茶ノ水駅南側丸善の向かいに古本屋があり、駿台予備校へ行っていたころや大学時代御茶ノ水へ出る時などよく寄ったものだが、ここのオヤジが何とも変な人で、カウンターに座って手でタンタタタンタタとリズムをとり、買う段になると妙に手早くむっつりとし…

小平麻衣子(おだいらまいこ)の<未熟>

小平麻衣子(慶大教授、日本近代文学)が「日本近代文学館」の館報で一ページ分の「配合と組み合わせ」というのを書いているが、何だか文章がぎごちなく、下手である。今度「日本近代文学大事典」の新版が出るので、その項目執筆をしていて、昔自分が書いた…

ゴジラ1万2千トンの衝撃

初代ゴジラは、身長50メートル、体重2万トンという設定だった。今では、この大きさの生物が地球上で直立できないことは常識になっているが、そのことはここではひとまず措く。 1974年ころ、テレビアニメ「コン・バトラーV」で、巨大ロボットコンバトラーVの…

音楽には物語がある(45)運動会と音楽 「中央公論」9月号

前にも似たようなことを書いたが、子供のころ、運動が苦手だったから、運動会の日は嫌だったとか書く人がいる。人形劇「プリンプリン物語」では、メガネくんキャラのカセイジンが、運動会の日はおなかが痛くなって休んじゃった、と言っていた。後者はともか…

「偏平足」の謎

「ドラえもん」の最初のアニメは、成功せず短期間で終わってしまったが、その主題歌に「偏平足だよ」という歌詞があった。これに限らず昔の言説に「偏平足」を笑いものにするものがいくつかあったが、なんで偏平足というのが笑いの対象になったのか、謎であ…