インド残酷物語 世界一たくましい民 (集英社新書) 池亀彩ーアマゾンレビュー

ちょっとこの書き方はないわ
星3つ -、2021/12/12
インドでフィールドワークをしている京大准教授、52歳初の単著である。いくつかの逸話が並んでいるが、冒頭に、不可触民カーストの男と結婚した上位カーストの女性が、家族によって夫を殺される「名誉殺人」の話があり、これが一番印象に残るのだが、そこで著者の運転手は、「あの女性は結局家族のもとへ帰るんじゃないか」と言い、著者もそう思うと書き、読者はどきりとする。私はここが一番すごいと思ったのだが、「あとがき」まで来ると、結局そんなことはなく彼女は再度低カーストの男と結婚して活動家になっている、とあり、拍子抜けした。それならそれを最初の章で書いておくべきではないか、と著者ないし編集部に対して不信感を抱いた