先日、書庫を整理していたら、「ユリイカ」のギャグ漫画特集が出てきて、私は武石りえこと永野のりこについて寄稿していたのだが、春日武彦としりあがり寿の対談を読んで、二人が、鴨川つばめがダメだと言っているのを見て、ちと考え込んだ。
鴨川は、私が高校生の頃『マカロニほうれん荘』で一世を風靡したが、そのご精神を病んで「消えたマンガ家」になってしまった。春日としりあがりは鴨川を「子供」だと言っていて、確かに鴨川つばめは童貞くさいところがある。
だが私は、赤塚不二夫と山上たつひこが分からないのである。十年くらい前、金井美恵子が『赤塚不二夫大全』(とかいう本)を絶賛しているのを見て買い込んだが、まったく面白くなくて売ってしまった。
山上たつひこは、私が中学生のころ『がきデカ』で一世を風靡したが、下品で私にはついていけなかった。もちろん、「通」は『喜劇新思想大系』を推すから、これも買って読み始めたのだがまったくダメだった。
のち山上は小説を書いてちょっと話題になったのだが「兄弟!尻が重い」というそれは二年くらい前に読んで、押井守や森見登美彦のもっと洗練されてないのみたいで、げんなりしてしまった。
この二人の「ギャグ」は、若い人にも分かるのだろうか、ちょっと聞いてみたい気がする。