2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

山下晴代さん、直してください

橋本治『浄瑠璃を読もう』のアマゾンレビューで、山下晴代さんがこういうことを書いている。 << なお、小谷野敦氏が、以下のようなクレームをレビューしておられる。 「「菅原」「千本桜」「忠臣蔵」の三つが、竹田出雲、並木千柳(宗輔)、三好松洛という、…

高橋たか子「天の湖」アマゾンレビュー

高田里恵子の本で、まるでレディコミだと言われている。勲平という男と弟の環というのが出てきて、山岡唯子という画家が、環をヌードモデルにしているがセックス関係になるという話で、間にフランス関係の哲学的文学的会話がちょっとはさまる。

純文学書下ろし特別作品(新潮社)

昔調べた一覧です。二つ目の数字は文庫化の年で、このシリーズはなかなか文庫にしませんでした。 充たされた生活 石川達三 1961(白) 1980浮き灯台 庄野潤三 1961 砂の女 安部公房 1962(白) 1981恋の泉 中村真一郎 1962 花祭 安岡章太郎 1962(緑・青) 1…

偉大なる通俗作家としての乱歩--そのエロティシズムの構造

偉大なる通俗作家としての乱歩--そのエロティシズムの構造 小谷野敦 江戸川乱歩・本名平井太郎は、一八九四年の生まれである。このことは、二十代がまるごと、僅か十五年の大正時代に収まるということを意味する。芥川龍之介は二歳年長、久米正雄は三つ、…

音楽には物語がある(27)ミュージカルの作曲家(2)「中央公論」2021年3月

「オクラホマ!」や「ショウ・ボート」は、映画にもなっている。「オクラホマ!」は一九五五年、フレッド・ジンネマン監督、「ショウ・ボート」は一九三六年と一九五一年に二度映画化されており、私は二度目のジョージ・シドニー監督のほうを観た。しかし、…

「人狼 JIN-ROH」アマゾンレビュー

大人ごっこ星1つ - 評価者: 小谷野敦、2021/04/20押井守という名を見てああこりゃダメだなと思った。いかにも政治の暗部を描きますよという憂鬱そうなナレーションにげんなりしていると、アニメとはまったく合わないストーリーに、魅力のないキャラクター(…

音楽には物語がある(26)ミュージカルの作曲家(1)中央公論2021年1月 

英国の劇作家ロナルド・ハーウッドが死去した。代表作は映画にもなった「ドレッサー」で、映画のシナリオでも活躍し、国際ペンクラブの会長も務めたが、第一級の劇作家とはいえないだろう。私が大学生だった一九八六年に、ハーウッドが案内役を務める演劇史…

四方田犬彦「夏の速度」(作品社)アマゾンレビュー

フィクションらしいが・・・星2つ - 評価者: 小谷野敦、2021/04/20宣伝文句から、今まで秘めて来た実話かと思って手にしたが、あとがきによると、1979年韓国から帰ったあと河出書房の高木有を紹介され、勧められて小説を書いたが、それが単なる見聞記になっ…

石田美紀(みのり)「アニメと声優のメディア史 なぜ女性が少年を演じるのか」アマゾンレビュー

普通の出来か 星3つ - 評価者: 小谷野敦、2021/04/18 「少年の声をなぜ女性声優が演じるのか」という問いに対しては、少年が演じると声変りを迎えて不安定になるから、という答えのほかに、宝塚的伝統?が仄めかされるだけでそれほど決定的な回答は出ておら…

「8月の果て」アマゾンレビュー

柳美里に何が起こったか星5つ - 評価者: 小谷野敦、2021/04/19この大作は「朝日新聞」に連載されたが、二年ほど続いて、柳は構想がふくらんだと言い、朝日は途中で連載を打ち切った。残りを『新潮』に載せて刊行されたが、当時は「中絶」のニュースばかりが…

池波正太郎「私の歳月」アマゾンレビュー

私の歳月 (講談社文庫) 「柳生一族の陰謀」(笑)星3つ - 評価者: 小谷野敦、2021/04/171979年刊行の随筆・対談集。対談相手は佐多稲子、料理関係者、中一弥、そして架空のジャン・ギャバンとのもの。あまり時代考証的な話はなく、映画も東京も昔は良かった…

三輪茂雄「粉の文化史」アマゾンレビュー

5点 1985年にNHKの市民大学で放送されたものを書籍化したものだが、著者は名古屋大学工学部を出て技術屋として会社勤務したあと同志社大学工学部教授となった粉体工学専門の人だが、それ以外の考古学や歴史、文学にも通じる大変面白い人物である。壬申の乱を…

映画「ソワレ」アマゾンレビュー

ソワレ [DVD] これはひどい星1つ - 評価者: 小谷野敦、2021/04/09開始36分でそっけなく「ソワレ」とタイトルが出るが、芸術的に見せようという意図が空回りして、そこまでどういう話なのかほとんど見えない。「童貞放浪記」の山本浩司だと気づかなかったが、…

「持ち給金」と相撲協会

今度の相撲の本に「持ち給金」のことを書いた。力士一人一人が持っていて、勝ち越し、金星などによって加算される給料のことだが、私は高校時代から、これが幕下以下に対しても支給されるのかが分からなかった。もちろん相撲の本に書いてあるが、そこが微妙…

映画「星の子」アマゾンレビュー

星の子 通常版 [DVD] そうは見えない毒親 星3つ - 評価者: 小谷野敦、2021/04/06 原作を読んだとき、主人公は最後に大人になって宗教から解放されるのだと思って読んでいたら、そうならなかったので戸惑った。おそらくこれは今村夏子の実体験で、今村の両親…

橋浦方人「蜜月」の衝撃

立松和平原作、橋浦方人監督の映画「蜜月」を、35年ぶりくらいに観た。立松が夫人と知り合って結婚するまでを描いた私小説の映画化で、佐藤浩市と中村久美が主演している。84年の映画だから、86年ころテレビで放送されたのを観たのだろうから、私は24歳で、…

小説の書き方

松岡圭祐という作家の「小説家で億を稼ごう」とかいう新潮新書を途中まで読んで、この人はどういう小説を書いて億稼いでいるのだろうと思い、処女作の『催眠』というのを読んでみたら、売れるわけは分かったが、新書に書いてあった小説の書き方のうち欠点が…

映画「空母いぶき」アマゾンレビュー

平和主義者も大変だなア・・・星2つ - 評価者: 小谷野敦、2021/04/02当初「右」方面の映画かと思って、おお佐藤浩市いつも出るなあ、と思っていたら様子がおかしい。せっかく撃墜から生還した味方を敵方捕虜がいきなり射殺しても優しく捕虜に声をかける艦長…

古藤田京子アナウンサー

私が中学生のころ、NHKに滝沢京子という美人アナウンサーがいた。高校一年になった1978年に、「少年ドラマ」シリーズが終わり、「600こちら情報部」という子供向け情報番組が始まり、鹿野幸四郎と帯淳子の二人が司会をやっていた、その番組で滝沢さんはニ…