向田邦子賞ドラマを観る

 劇作家の石澤富子が死去。岸田戯曲賞受賞者だが、さすがにこれは読んでいない。その前年と後の年が受賞作なしだった時代のものだ。石澤秀二夫人だったのか…。
 向田邦子賞受賞作のDVDをぼちぼち借りては観ている。もちろん第一回山田太一、第二回市川森一はいずれも傑作だった。だがその後どんどん下らなくなっていく。最近ので良かったのは『マチベン』くらいか。しかし法廷ものドラマのありえなさよ。民事訴訟なんて、「書類の通り間違いありませんか」「間違いありません」「では次回の期日は…」ってなものだ。
 しかし北川悦吏子の「ビューティフルライフ」は、なんでもバリアフリーというのを世間に知らしめたものらしいが、耐えられない。もう展開が読めるし、障害者とかに関心を持っているようなふりをする偽善には耐えられないから、一回だけ観てやめた。
 だが、疑問だったのは、常盤貴子が運転をしていることで、もちろん、車椅子だが運転はできるという人はいるだろうが、その後で常盤は、脚を使っていないからふにゃふにゃ、というようなことを言っているではないか。疑問だ。
 しかし常盤貴子って美人なのだろうか。「シャンプータイム」に出ていたころはさすがに他より美人度高かったが…。

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ちゃんと灯火をつけて夜自転車を走らせていたら、あちらからぼおっと歩いてくる娘がいて、危ねえなあと思ったら、携帯電話耳に押し付けてぼんやり歩いている。そんなことしていると脳腫瘍になるぞ。
 きっとあと30年もすると「携帯電話で脳腫瘍」は隠しきれなくなって、隠していたなこの野郎、というので携帯電話会社が訴えられ、「禁携帯ファシズム」になるのだろう。あーあ。

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佐藤優が『ダ・ヴィンチ』7月号で、本郷和人の『天皇はなぜ生き残ったか』を書評している。歴史は物語の性質をもつが実証科学でもあり、「物語づくりが好きな評者は、本郷氏のこの研究を真摯に受け止め、あまり滅茶苦茶な作り話はしないようにと自戒した」とある。
 佐藤は、皇統は南朝正朔論のはずだという私の疑義に対して、血統ではなく三種の神器によって決まるのだとし、本郷との対談で、当時三種の神器が三種類くらいあったと言うのに対して、北畠親房が、どの三種の神器が本物か決めたのだ、と無茶苦茶なことを言っていたが、本郷のこの本でもちろんそんな論は否定されている。
 つまり佐藤の「間違ってました」宣言ということになる。最近は「共和制になるとファシズムになる」とかも言っていないし、私の佐藤批判はおしまい。