2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

川村湊の極悪人ぶり

いや毎日新聞の文藝時評には驚いた。川村湊がここまでの極悪人とは思わなかったよ。確かに日本の文壇を悪くしているのは川村かもしれん。法政大の教授が法政大の専任講師を誹謗している小説を絶賛するというのは、パワハラではないか。まあ詳しくはあとで書…

「皇太子」は呼び捨てか

石原慎太郎が皇太子を呼び捨てにしたというから、「徳仁」とか「ナルちゃん」とか言ったのかと思ったら、「皇太子が」って言っただけだという。それは「呼び捨て」ではないよ。 だいたい「陛下」だの「殿下」だのというのは明治より前には使われなかった言葉…

「漫才」論争の珍

『小説新潮』九月号に「広田弘毅は『漫才』と言ったのか」という特集記事があった。これは城山三郎『落日燃ゆ』の最後で、A級戦犯らが絞首刑に処せられる前に松井石根らが「天皇陛下万歳」を唱えていると、後から広田が板垣征四郎などと一緒に来て、教誨師…

ネタバレがなんぼのもんじゃい!

『半落ち』という映画をDVDで観た。本来なら、キネマ旬報ベストテンにも入っていないし、観ないのだが、ツタヤ・ディスカスで観る映画がなくなってきたためである。 断っておくが、私はミステリーというものを軽く蔑視している。もちろん、優れたミステリ…

黒古一夫の村上春樹論

私は『反=文藝評論』に徹底的村上春樹批判論を載せた時、黒古一夫による春樹論を見落としていたらしい。あの時はかなり網羅的に春樹論を見たはずなので、不明を恥じる。黒古には三冊の「村上春樹」を表題に含む著書があるが、うち一冊は私のあとで出たもの…

こけら落し!

昔、柳生博が司会をする『ハンターチャンス』とかいうクイズ番組があった。クイズ番組にもいろいろあって、『カルトQ』のようにとんでもない細かい知識が必要なものもあれば、『ヒントでピント』のように、藝能人出演ながらそうとう頭がよくて知識がないと…

三浦慶子の謎

(一部解決したので削除) - 東大名誉教授の麻生建氏がいつの間にか亡くなっていた。教養学部でドイツ語科に属しており、私は習ったことも面識もないが、比較の先輩なので認識していた。1941年生まれだから2002年ころ定年になって帝京平成大学情報学部長をし…

三年前、国会図書館で

2月最終日、国会図書館に行った。そこで妙な光景にでくわした。 6階に食堂がある。食券を買う。カウンターに並んだら、隣にいた五十年配の男、突然、自分の焼き魚定職の魚の皿を突き出して「くせえくせえ! 代えてくれ!」と叫んだのである。おばさんが「…

光田和伸を追撃

先日、光田和伸の『恋の隠し方』を批判したが、作家の秦恒平先生から、あれは自分が『慈子(あつこ)』という小説で書いたことと近い、と報せてきた。私は『慈子』は読んでいたのだが失念していた。秦先生は全作品をネット上で公開しているので、これである…

記者会見

http://news.nifty.com/cs/entame/moviedetail/cnmtoday-N0015268/1.htm 私は高校生の頃、俳優になろうかと思ったこともあったのだが、確か大学時代、連続ドラマの最終回の次の週に「NG集」を放送するのが流行し、あるいは映画のメイキングビデオなども出…

民主党には投票しない

小沢一郎が、禁煙推進議員連盟の会長である綿貫民輔と手を結ぶなら、私は民主党には投票しない。全国の喫煙者は手を携えて綿貫にNOを叩きつけてやろう。(なくなったらしい) - 『氷点』は1965年刊であるが、1979年に円地文子は『食卓のない家』を刊行し、…

ダンシング・ヴァニティ

筒井康隆の新作『ダンシング・ヴァニティ』を読んだ。面白かったが、あの繰り返しは叙事詩によくある手法のように思った。特にそれが最後で生きてくるというのでもない。 (活字化のため削除) - 芳(かんばし)即正『島津久光と明治維新』(新人物往来社)…

平積み

今、書店の「平積み」という言葉が分からない人は、亜インテリでもいないだろうが、1980年頃にはこの語はあまり知られていなかった。 年代ははっきりしないのだが、NHKの番組で、落語家を集めて、『笑点』の大喜利のまねみたいなクイズ番組をやっていて、そ…

「篤姫」の不自然(訂正版)

http://d.hatena.ne.jp/tonmanaangler/20080915/1221477793 ここにあるのが最初に書いた文である。なるほどそうか。そういえばそんな記憶もある。 しかし随分不自然な設定であることに変りはない。 最初のほうで篤姫が、薩摩から来た中に「小松尚五郎という…

奇文

『大東亜戦争肯定論』を書いた後、朝日新聞はその林房雄を文藝時評に起用した。当時の人も驚いたろう。しかしそれを纏めた『文藝時評』は面白い。講談社文芸文庫ででも復刊すべきであろう。 (活字化のため削除) - http://blog.goo.ne.jp/otowa1962/e/0478e…

筑波は三学期制

えーと某所でご存じない方がいるようなので教えてあげますと、筑波大学は三学期制になっておりまして、二学期は九月一日から始まっております。 - 『中央公論』の十月号にラース・スヴェンセン『退屈の小さな哲学』(集英社新書)の小倉千加子による書評が載…

凡人の連想

草柳文恵が自殺した。どちらかというと私好みの美人だったのでややショックである。父の大蔵はハンサムだったが、随分たくさん女性論を書いていた。文恵は昨年病気の手術をして、悩んでいたというから、悪い病気だったのかもしれない。かつて棋士の真部一男…

困っている

昨日の毎日新聞に、藤森照信による井上章一『日本に古代はあったのか』の書評が出ていた。もちろん褒めているのだが、実は私は困っている。私は井上さんの言説史の方法を評価してきたし、多産でありながら着実な学者だと思ってきたが、今回はどうもいけない…

連合赤軍事件はひたすら愚劣である

私は、連合赤軍あさま山荘事件について、オウム真理教の地下鉄サリン事件と同様の、あるいは三島由紀夫の自衛隊乱入割腹事件と同様の、愚劣な、無意味な事件だとしか思っていない。ただし、フランス革命についてはそう思っていない。これらが愚劣なのは、結…

名乗らないチブル星人

『ウルトラセブン』の「アンドロイド0指令」は、『怪獣総進撃』のキラアク星人役の小林由岐子が突然美しい姿を現すのだが、金髪なのをフルハシもアマギも変に思わない。それはともかくここに出てくるチブル星人の「チブル」というのは、沖縄語で頭という意…

全共闘世代のバカ左翼・黒古一夫

別に「全共闘世代」といわれる世代がみなバカなわけではないのだが、「全共闘世代的意識」なるものが実に愚劣な日本文化のクズであることはもはや言うまでもない。 http://blog.goo.ne.jp/kuroko503/m/200808 これは黒古一夫という筑波大学教授(元は図書館…

読んだけどつまらなかったよ

ちょいと前の日経新聞で佐々木敦とかいう人が、今の小説はダメだと言う人がいるが、読まずに言うのはおかしい、と言っていたのだが(ただし取材記事)、うーん具体的にどこのどなたさんが、読まずにそういうことを言っているのか、ちと教えて欲しいのである…

自殺予防キャンペーンの偽善

十日から自殺予防週間だそうだ。私はこの自殺予防キャンペーンというのを実に胡散臭いものだと思っている。自殺する人間には、それぞれ原因があるわけで、その原因を取り除かないで、自殺だけ止めても意味ないだろう。 たとえば鬱病での自殺というのは、どう…

松浦晋也とやら

今日も暑い。暑いのに書店へ行って不快な新刊を二つも見てしまった。一つは岸田秀の『性的唯幻論序説』の文庫版。だいぶ書き足したようだが、「強姦・買春をするのは人間だけ」とか、相変わらずインチキなことが書いてある。オランウータンも強姦をするのは…

大仏次郎賞と大仏次郎論壇賞は違う!

どうもこの二つを混同する奴が多くて、中島岳志を「大仏次郎賞受賞」とか書いているんだよなあ。大仏次郎賞というのは30年以上の歴史があって、だいたい二人程度、小説と評論の大著が受賞するもので、一般的には六十過ぎてないともらえないくらいの(最年少…

奇書『追憶の真夜中日記』

厖大な著作で知られる官能作家・睦月影郎の『追憶の真夜中日記−24年間の記録』(マドンナメイト文庫)はすごい本だ。睦月氏25歳から48歳までの全射精の記録である。『一茶七番日記』には中年になって結婚した一茶のセックスの記録があって、夜一回の時は記さ…