三浦慶子の謎

(一部解決したので削除)

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東大名誉教授の麻生建氏がいつの間にか亡くなっていた。教養学部でドイツ語科に属しており、私は習ったことも面識もないが、比較の先輩なので認識していた。1941年生まれだから2002年ころ定年になって帝京平成大学情報学部長をしていて、つい二年ほど前に同大学のサイトでにこにこしていたが、今年の一月末頃亡くなったらしい。東大名誉教授なのにニュースなどは出なかった。単著もあるんだがなあ。ガダマーなどドイツ哲学が専門だった。

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現代思想』が「大学の困難」を特集したので買おうかと思って立ち読みしたら、下らないのでやめた。今の大学の困難ってのは多くは90年代の大学改革が原因なんだから、それをやった連中の罪を問うべきで、元に戻せ、と言うだけでいいのだよ。あるいは東大の定年を五年引き上げたのだって、老人に恩恵を施しただけで、いま61から65の東大教授連が昔どおり定年になっていたら、どれほど若い研究者の職が見つかることか。本田由紀が一言でもそれを批判したら、偽善者と言われずに済むのだが、どこかで言っているのかな。同僚や恩師の悪口は言えないから、みんな話を逸らしている。呆れたのは巻頭の亀山郁夫で、人文学は危機だが、自分の『カラマーゾフの兄弟』が売れたのは希望だみたいなことを書いている。ただの自慢にしかなっていない。そういう意味でなら、著書や翻訳が売れる大学教師ってのはほかにもいるわけで、それが一握り(0.1%か0.01%か)でしかないことが問題なのに、学長ともなると凄い偽善を平気でやるんだなあ。
小谷野敦