私の『日本売春史』に、ソープランドで働くような女は軽い知的障害があることが多い、と書いてあるのが、ある種の読者の「あっ、これは差別だ」意識を刺激するらしい。調べたのかい、などと言いだす。もちろんそんなこと、できるはずがない。売春はしていないというのが建前だし、世間でたくさん出ているセックス産業系研究書でも、日本を対象としたもので、真正売春を包括的に扱ったものはない。取材に応じるはずがないからだ。
私はソープは客として行ったことはないが、ソープへ行っていた友達はいる。ヘルスには何度か行ったが、割とみな知的だった。その昔、竹下景子が演じる「トルコ嬢(のちソープ嬢)モモコ」シリーズという、堀川とんこう演出のテレビドラマがあって、そこではモモコはちょっと頭が弱いという設定になっていた。あとAV女優はソープ嬢とは違うのだが、観ていて、あ、これは頭が弱いな、と思うことがある(特に『週刊ポスト』のグラビアで話題になった人ではないかと言われたのは、完全な知恵遅れだった)。また『童貞放浪記』の小沼監督が撮った、AV嬢の手記に基づいた映画も観たが、ずるずるとAVに出演してしまう経緯が、頭が弱いとしか思えないものがあった(これは小沼さんには申し訳ないのだが)。
http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2013/12/1217.html
さまざま総合的に考え、また売春という仕事のもたらすマイナスを考えたら、知的障害が多いと当面は仮説的に言っておいてよかろうと思う。異論があるなら、自分で調査研究して、そうではないという結論が出たら、その成果を突き付けてほしい。もっともそのためには、売春が合法化されないとダメだろうが。