イタリアがダメらしい

ベルトルッチの「シャンドライの恋」を観たらつまらなかったが、わたしゃベルトルッチで面白いと思ったことがない。「1900年」も「ラストエンペラー」もつまらなかった。後者は私には坂本龍一の好きなやつが騒いでいただけという気がする。

 だが考えてみると私はイタリア文学が全滅に近いほど好きではないということに気づいた。イタリア語を学んで、テレビの「イタリア語講座」を楽しく見ていたというのに。

 何しろ、オウィディウスウェルギリウスからして、ギリシャ叙事詩のように好きではないし、「ダフニスとクロエ」は好きだがあれもギリシャだ。「サチュリコン」も好きじゃないし、ダンテやペトラルカもダメ。マンゾーニもダメ、モラヴィアも、「薔薇の名前」も、パヴェーゼもタブッキもカルヴィーノブッツァーティも面白くない。ダヌンツィオもそうだが、今の日本でダヌンツィオが好きだなんて人がいるだろうか。ノーベル賞をとったピランデルロだって別に好きじゃない。

もしかすると「クオレ」は好きかもしれないが、それは高畑勲がそのうちの一話をアニメにしたからでしかない。

 映画監督でも、フェリーニはそんなに好きじゃないし、ヴィスコンティは「家族の肖像」と「若者のすべて」がいいだけである。ルネッサンス美術はもちろんいいし、プッチーニも好きなんだが。