大江健三郎詳細年譜

1850年 曾祖父・八三郎生まれる。

1855年安政2)内ノ子騒動

1866年(慶應2)奥福騒動

1894年(明治27)父・好太郎生まれる。祖母はフデ。

1902年(明治35)母・小石生まれる。

1914年(大正3)20歳の父と12歳の母が結婚。

1919年(大正8)祖父この頃死ぬ。数え五十歳。

1923年( 12) 姉・一生まれる。

1924年4月24日、好太郎、明智新六らと大瀬革進会を結成、総選挙で窪田文三を応援と決定する。(史料愛媛労働運動史4巻、124p、愛媛新報)

1929年(昭和4)長兄・昭太郎生まれる。
? 次兄・清信生まれる。

1933年、姉・重子が生まれる。
   5月15日、伊丹十三(池内義弘)生まれる。

1935年1月31日 愛媛県喜多郡大瀬村に生まれる。父は大江好太郎、母は小石。長兄・昭太郎(燃料商、歌人)、次兄・清信。姉二人、弟・征四郎、妹一人。父は製紙原料商で、ミツマタ印刷局に届けていた。
   2月18日、京都市でのちの妻ゆかりが伊丹万作(池内)のもとに生まれる。
   
1938年、妹・冨佐子生まれる。

1939年、弟・征四郎生まれる。のち松山西署刑事、警部で退職。  4歳

1941年 大瀬国民学校入学。校長・寺田栄一郎。六年間全優の優等生。  6歳
  小学校で作文が全国コンクールに入選、皇后を讃えたもの。
1942年、シンガポール陥落、マラヤ陥落。              7歳

1944年11月20日 父が急死。
   祖母が相次いで死去。               9歳
1945年 十歳で敗戦を迎える。学校は大瀬小学校と改称。昭太郎は南予の深浦特攻基地で敗戦を迎え、帰る。 10歳
   池内ゆかりは伯父の養女となり松山に行く。
1946年 六年生。                         11歳
   9月21日、伊丹万作死去、46歳。
   中村為治訳『ハックルベリイ・フィンの冒険』、『ニルスのふしぎな旅』などを読む。  
1947年 大瀬中学に入学。二年まで野球部に所属。島崎藤村の詩を読む。  12歳
  「雨のしずく」
1948年 中学二年、子供農業協同組合の組合長に選出される。 13歳

1949年 修学旅行で九州へ行き、ユゴー『死刑囚最後の日』を買う。 14歳
    初めて自分で注文したのが岩波文庫罪と罰』 
1950年3月「書評『罪と罰』」大瀬中学校生徒会誌 創刊号。     15歳
    愛媛県立内子高校に入学。高知の高校を受けるが落ちる(倉橋ら座談会)。
   伊丹十三松山東高校に転入。
   6月、朝鮮戦争にともなうレッドパージに衝撃を受ける。
   7月「初夏の夜」「人間と運命との争闘 ハムレット私見」内子高校生徒会誌『うめの木』
   9月、渡辺一夫『フランス・ルネサンス断章』を買い感銘を受ける。
   10月「赭い秋」「書評 谷川徹三『詩と哲学』」同
   『大菩薩峠』を通読。 太宰治『魚服記』に印象を受ける(津島)   
1951年2月「浪漫的完成について 太宰治におけるその展開」『うめの木』 16歳
    内子高校は受験勉強をせず、大学進学者もいないため、二年への進級時、愛媛県松山東高校へ転校し、越境通学。旧職業軍人の家に下宿する。担任は国語・漢文担当の渡部勝己。
   文藝部で雑誌『掌上』を編集。伊丹十三と知り合う。
   兄に映画「一ダースなら安くなる」を見せられる。
   「緑色の髪の少年」を見る。日夏耿之介訳『ポオ詩集』、大岡昇平編『富永太郎詩集』(創元選書)
   7月「午後の素描」「解脱について」「編輯雑感」『掌上』      
   石川淳が別冊文春に書く短編が好きだった(大いに盛り上がる)。漱石こゝろ』を読む。
   池内が下宿していたところへ安西徹雄と訪れる。
   詩を書く。中原中也富永太郎、ボドレール、ランボーをフランス語でも読む。
   母と兄から大学へ行くよう言われる。
   夏休み、宿題で『暗夜行路』を読む。
   10月、池内は休学。
1952年1月30日「果てしない絵」『愛媛新聞』            17歳
   2月「歴史」『掌上詩集』
    三年生。池内は松山南高校の二年次に編入
   学校騒動で連日生徒会。

   アメリカ文化センターで『サーバー・カーニバル』を読む。 
1953年3月 愛媛県松山東高校卒、東大を受けるが不合格。     18歳
  藤沢に下宿して正修予備校に通う。郷里からの仕送りは一万円。(銀行員の初任給一万五千円)サルトルを読む。 
   10月、安岡章太郎『悪い仲間』を買う。
1954年1月24日? 東大の一次試験、降雪で湘南電車が止まり、大船まで歩く。
   3月、受験の帰路、芦屋の伊丹家に寄る。           19歳
   4月 東大教養学部文科二類に入学。石井晴一、山内久明が同級にいた。北区西ヶ原四の三〇加藤方。
   伊丹は大阪大学理工学部を受けるが不合格、上京。
   麻生磯次の授業で西鶴を読む(富岡対談)
   深瀬基寛『エリオット』(筑摩書房)を生協で買う。
   9月 東大学生演劇の脚本「天(そら)の嘆き」を執筆、佳作となる。
   10月4日、谷川俊太郎岸田衿子が結婚。
   11月、駒場祭で「天の嘆き」を上演?
   12月『新潮』に同人雑誌賞として石崎晴央「燒繪玻璃」掲載。

1955年2月、社会党共産党の手伝いをする。
    27日、総選挙(天の声解散)               20歳
   5月、『文藝』第3回全国学生小説コンクールで「優しい人たち」が佳作となる。
   7月、「太陽の季節
    夏、『オーデン詩集』(深瀬基寛訳)を買う。
    ガスカール『けものたち・死者の時』を読む。
    東大学生演劇脚本「夏の休暇」を執筆。
   9月 「火山」が第一回銀杏並木賞を受賞し、『学園』に掲載される。山下肇から、線の細い吉行だと言われる(64戦中から戦後へ)        

1956年1月「太陽の季節」が芥川賞を受賞。        21歳
   4月 文学部フランス文学科に進学。海老坂武、小中陽太郎高畑勲塙嘉彦阿部昭加藤晴久、石井晴一がいた。助手は清水徹。教授は渡辺一夫、杉捷夫、助教授は井上究一郎、小林正。
    高津春繁のギリシャ語の授業に出る。
      『嘔吐』の原書を買い翻訳は買わないと決意する。
   5月、「霧の船」で五月祭賞に応募し落選。
   7月、小説「黒いトラック」を『学生生活』に発表。
    『文藝』第5回全国学生小説コンクールで「火葬のあと」が選外佳作となる。
   9月 東大学生演劇脚本「死人に口なし」を執筆。(安岡との対談1966)
     東大学生演劇脚本「獣たちの声」を執筆。自殺未遂で東大病院に入院していた石井晴一の話からヒントを得たもの。入選するが上演してくれないので冬休みに小説に書き直す。
   10月26日、兄昭太郎の結婚に際して詩を送る。

1957年5月 「獣たちの声」を小説にした「奇妙な仕事」が五月祭賞で入選、「東京大学新聞」に掲載され、平野謙の賞賛を受ける。          22歳
   池島信平が読んで面白がり『文藝春秋』に転載しようとするが載らず(すばる座談会)、『文學界』に書かせろと言う。(盛り上がる)
   8月「死者の奢り」『文學界』柏原兵三に見せて指示を受け徹底改稿する。
    「他人の足」『新潮』
   9月「石膏マスク」『近代文学』(未)
   10月「偽証の時」『文學界』(未)
   11月、ラジオドラマ「遊園地」
   12月「動物倉庫」『文學界
1958年1月「飼育」『文學界』                 23歳
    「死者の奢り」で芥川賞候補。
   2月「人間の羊」『新潮』
    「運搬」『別冊文藝春秋
    2日<徒弟修業中の作家> 朝日新聞 (綱)
   3月「鳩」『文學界
           『死者の奢り』文藝春秋新社 
    19・26日<僕のなかの駒場 不思議な静寂と無気力の日日>「東京大学新聞」
    23日≪徳川夢声の問答有用≫『週刊朝日
    31日、売春防止法施行。
   4月≪現代文学の突破口≫江藤、開高、菊村到 『文學界
   武満徹岸田衿子を介して紹介を頼み、岸田今日子とともに知る。
   5月〇≪吼えろ!劇場--ハイティーンの生活と意見 ロカビリー族まかり通る≫ミッキー・カーチス朝比奈愛子山下敬二郎、大宅映子『文藝春秋
    〇≪マスコミに棹さす新文学世代≫『婦人公論有吉佐和子開高健臼井吉見
   砂川闘争に参加。全学連委員長の香山健一、森田実に会う。
   6月「芽むしり仔撃ち」『群像』 (朝吹対談)
    「見るまえに跳べ」『文學界』 
     <文体の基準>『文学』
    ≪「戯曲と文学」-「幽霊はここにいる」≫安部、田中千禾夫椎名麟三、遠藤『俳優座
           『芽むしり仔撃ち』講談社 
    1日、三島由紀夫が結婚。
    10日午後一時から産経会館でミス「婦人公論」最終審査会、石原、成瀬が欠席し、丸山誠治とともに加わる。
    <憂楽帖>「毎日新聞」(綱)
     「半裸の娘たち」を含む。嶋中鵬二の怒りを招く。
    『芽むしり仔撃ち』出版記念会に石川淳
   7月「暗い川おもい櫂」『新潮』
    <冷房完備の品定め> 『銀座百点』
    〇≪「実感」をどう発展させるか≫江藤、加藤秀俊、田口富久治、橋川文三中央公論
    「飼育」で芥川賞受賞。 
   8月「鳥たち(鳥)」『別冊文藝春秋
   8月1日、NHK「話の散歩」に渡辺一夫と出演。
    31日〇≪文壇あれこれ 新進作家の座談会≫有吉、開高、菊村到週刊読売
   岸田衿子の軽井沢の別荘に行く。
   世田谷区成城町379(成城6-16-19・21・26)長岡方に下宿。
   9月「不意の唖」『新潮』
    「戦いの今日」『中央公論
    「喝采」『文學界
    <連帯の感情(授賞の感想)>『文藝春秋
    1日、李珍宇が逮捕される。
    16日、三島、安部と鼎談。
    21日、〇≪学生作家の生態≫木下文代、山下肇婦人公論臨時増刊』
   「東大新聞」の座談会で柏原兵三と同席。
    <影響だらけと深淵>『群像』(綱)
     14日、NHK「私だけが知っている」に出演。徳川夢声,池田彌三郎,江川宇礼雄,有吉佐和子
   10月      『見るまえに跳べ』新潮社
    深瀬基寛の退官講義があると知って京大へ行くが門前払いを食う。
   11月<叫ぶ全学連とふるえる学生>『文藝春秋
          <ポール・アンカと少女たち>『婦人公論
     ≪文学者とは≫安部・三島『群像』公房全集
     1日、江藤淳谷川俊太郎石原慎太郎寺山修司浅利慶太永六輔黛敏郎福田善之曽野綾子ら若手文化人らと「若い日本の会」を結成し、警職法に反対。
     4日、警職法反対のデモに参加。
   12月<受賞のあとさき--焼け頭に書物ということ>『新潮』
  この年、突然の作家生活のため強度の睡眠薬中毒になる。
1959年1-6月「夜よゆるやかに歩め」『婦人公論』         24歳
   1月〇≪われら民主主義の子ら≫永井道雄司会、石原、曽野綾子中央公論
    ≪文学者と政治的状況≫平野、公房、石原、清張、椎名『文學界』(公房全集29)
   1月4日-2月22日 <無分別ざかり>(戦後世代のイメージ)『週刊朝日』(綱)
    4日<新・戦後派の心>朝日新聞(綱)
    「北の島」取材のため礼文島へ行く。黒柳徹子
   1月、谷崎潤一郎「気になること」『中央公論』で大江の文章を批判。
   2月<文壇初年兵の記>『文藝春秋
   3月 ラジオドラマ「北の島」
    新書判『谷崎潤一郎全集』第三十巻月報に「文章について」。
    東大仏文科を卒業。卒論は「サルトルの小説におけるイメージについて」。本文は日本語。良をもらう。卒論審査では阿部昭が隣り。
    末の八日間、NETで若い日本の会によるドキュメンタリー「半常識の目」を放送。大江を主人公に江藤らが「見るまえに跳べ」を撮る。
   4月、〇≪異性論≫平林たい子若い女性』
    〇≪文学に生きるということ≫正宗白鳥久保田万太郎、開高『文學界
    7日、NHK「みんなの話題 結婚」に出演。中屋健弌,戸川エマ,水谷良重
   5月「短編小説と長編小説」小田切秀雄安岡章太郎『群像』
   睡眠薬を飲んで寝る生活をしながら『われらの時代』を書く。塙嘉彦渡辺一夫の手紙を持ってくる。気が狂うかと思った(石垣純二)。
   6月「部屋」『新潮』(未)
   7月「ここより他の場所」『中央公論
     <若い作家の連帯>『新潮』
     <反・行動的>『文學界
             『われらの時代』中央公論社
   8月‐60年3月「青年の汚名」『文學界
   9月        『夜よゆるやかに歩め』中央公論社
               『死者の奢り・飼育』新潮文庫 
   10月<現実の停滞と文学>『三田文学』(綱)
     〇≪怒れる若者たち≫江藤、石原、浅利慶太村上兵衛、橋川 『文學界
   11月「上機嫌」『新潮』 
    ≪シンポジウム・発言≫石原、江藤、山川方夫武満徹、羽仁進、吉田直哉谷川俊太郎、浅利、城山三郎    『三田文学
     25日、日活、蔵原惟繕「われらの時代」長門裕之吉行和子渡辺美佐子
   12月「報復する青年」『別冊文藝春秋
     <われらの性の世界>『群像』(綱)
     15日、NHK「みんなの話題 現代青年気質」に出演。臼井吉見,大宅壮一,三宅艶子,山下肇。 
   (今井正とゲイバーに行くー倉橋ら座談会)
1960年1月「勇敢な兵士の弟」『文藝春秋』(全作品)    25歳
   ヨーロッパ放浪をへて、伊丹は大映に入社、伊丹一三を芸名とする。
   2月<土門拳ヒロシマ>『新潮』(綱)
    6日、渡辺一夫「教師の気持ち、学生の気持ち」「読売新聞夕刊」池田・ロバートソン会談に触れる。
    18日、伊丹万作の長女ゆかりと渡辺一夫の媒酌で結婚。江藤に司会を頼む。七人出席。石原が呼ばれなかったので怒る。世田谷区成城657(成城5-12-9・10・22)守田方の二階に下宿。
   3月「後退青年研究所」『群像』
    〇<「怒れる若者たち」ノート>『世界』
    (安江良介が初めて担当する) 
    <政治的沈黙、そして死--特集・アルベール・カミュの人と作品>『文學界
     倉橋由美子パルタイ」『文學界
    20日芥川也寸志作曲「暗い鏡」がNHKラジオで放送される。
    「安保批判の会」に入る。
   4月「孤独な青年の休暇」『新潮』
   5月        『孤独な青年の休暇』新潮社 
    2日、NHK「生活の知恵 才能」に出演。小口忠彦,高橋日出彦,波多野勤子,木島則夫。 
    27日、江藤との対談「われら若者は何をなすべきか」「週刊明星」で意見が対立する。
    30日より野間宏を団長とする中国訪問日本代表団、竹内実、亀井勝一郎松岡洋子、開高と。23時45分発のインド航空。
    31日、香港の九龍飛行場。汽車で広州へ。レセプションで野間が声明文を読み上げる。ホテル「愛軍大廈」。
   6月<川端康成の文章の多義性>『新潮』
    〇≪現代文学太宰治≫吉行、開高、中村真一郎武田泰淳、奥野『文學界
          『青年の汚名』文藝春秋
          江藤淳編『新鋭文学叢書 大江健三郎集』筑摩書房 
    1日、中山大学。
    2日、急行で北京へ。
    4日、正午過ぎ、北京着。茅盾、老舎、欧陽予倩ら。ホテルは新僑飯店。
    5日<奉安殿と養雛温室> (綱)
     <民主主義は踏みにじられた>『サンデー毎日』(綱)
     12日『週刊明星』われら若者は何をなすべきか
    9日、夜、郭沫若と食事。
    16日、北京のホテルで樺美智子の死を聞く。開高、竹内と「作家出版社」へ。
    19日、飛行機で上海へ。「和平飯店」泊。
    21日、毛沢東に会う。(陳毅に会う)
    26日、特急で北京へ。
   7月<結婚および死>『新潮』(綱)
    3日、北京発、広州着。(開高健『過去と未来の国々』)
    6日、帰国。石川淳紹興酒を買ってくる。
    10日、国際文化会館伊丹一三と川喜田和子の結婚式に出席。橋本忍と話す。
    11日、「民主主義をまもる集い」で大阪へ。妻病気で日帰り。
    13日、伊丹が川喜多和子と結婚。
    16日、由起しげ子が猫を持ってきて、トラーと名づける。
   8月6日、広島の原爆記念祭へ行く。開高健と。城山三郎らとテレビ。「太陽がいっぱい」を観る。皇太子に関して右翼がテレビ局へ抗議に来る。
    10日、「真夏の夜のジャズ」を観る。石原慎太郎
    13日<めぐり来る十五年目 民主主義のゆくえ>「産経新聞夕刊」
    20日、ギリヤークの調査のため北海道へ行く。
    新日本文学会に入会。
   9月‐62年2月「遅れてきた青年」『新潮』 
   9月<孤独な青年の中国旅行>『文藝春秋』(若者たち)
    <戦後青年の日本復帰>『中央公論』(綱)
    -12月<作家日記> 『マドモアゼル』
    渡辺一夫大岡昇平らが李少年を助けるためのお願いを出す。
   9月5日、材木町のイタリア料理店で妻と有馬稲子に会い松山弁を教える。
    7日、NHK「X氏いわく 自分の眼・自分の声」遠藤慎吾,轟夕起子,金内吉男,小林千登勢。
   10月4-6日、江藤淳「新文学の崩壊」読売新聞、大江は崩壊したと書く。この頃倉橋らとの座談会。
     7日「下降生活者」『群像』十一月号。
     8日、大映増村保造「偽大学生」若尾文子藤巻潤ジェリー藤尾伊丹十三
     12日、浅沼稲次郎山口二矢に刺殺される。
     15日、社会主義青年同盟の結成会で挨拶。
     18日、NHK「みんなの話題 暴力」岩井弘融,荒垣秀雄,岡本太郎,和田夏十
    『写真中國の顔 文学者の見た新しい国』現代教養文庫野間宏、竹内実、亀井勝一郎開高健松岡洋子共著。  
   11月2日、山口二矢拘置所で自殺。
     6日、NHKドラマ「オタスの森 われらのなかのギリヤーク人」
     10日、「風流夢譚」の載った『中央公論』十二月号が出る。
   12月7日「セヴンティーン」『文學界』一月号  
    <わが愛する詩 中野重治『雨にけむる品川駅』>『マドモアゼル』二月号
     28日、美空ひばりと対談。
1961年1月「幸福な若いギリアク人」『小説中央公論』      26歳
    〇≪作家の青春≫『近代文学倉橋由美子、埴谷、平野謙
   (一週間くらい前に友達とトルコ風呂に行った)
    -10月<われら純アプレゲール(日本の若者たち)>『毎日グラフ』
    ≪ルポ 数万人の貴子さんの中の一人≫島津貴子
    7日「政治少年死す‐セヴンティーン第二部」『文學界』二月号
    16日、右翼から脅迫状が編集部に届く。
    16-19日<20才とおとな>秋山ちえ子対談「毎日新聞」 
    22日、≪純アプレ 美空ひばり
   2月1日、小森一孝、嶋中宅を襲撃。
     6日、深沢が記者会見し謝罪。
     7日、『文學界』三月号に大江に無断で一頁の山口、防共挺身隊、全アジア反共青年連名及び関係団体への詫び状が載る。
     23日、牧伸二と対談。
   3月<トラー王失踪>『銀座百点』
    <鉄道弘済会の娘たち>(プラットフォームの娘たち)『世界』(綱)
    12日<啄木の“明日”>「毎日新聞」 
   4月〇≪現状をどう見るか 表現の自由テロリズム日高六郎佐々木基一花田清輝新日本文学
    16日、NHKドラマ「飼育」自身の脚本、山本薩夫演出、宇野重吉ら。「テレビ芸能ジャーナル」羽仁進,戌井市郎,文学座新研究生,水城蘭子。 
    同日附≪純アプレ≫山本祐義。
   伊丹は大映を退社、「北京の55日」出演のため海外へ。
   6月<はたして政治的だったか?>『新日本文学
    <アジア・アフリカ人間の会議>『世界』
    12日<いつまでもむごたらしい死者>『日本読書新聞』(綱)
    24日、NHK「あなたは陪審員 現代青年論2」小汀利得,大島渚,新井正義,中河幹子。 
   7月<強権に確執をかもす志--特集・5・19激動から1年>『世界』(綱)
    〇≪現代文学の可能性≫石原、安部、小林祥一郎「別冊新日本文学」(公房全集13(石原が戦後派を「ダメになった人たち」と言う。私小説に興味があると言う)
    4日<「愛と炎と」を見て>毎日新聞夕刊
    9日、≪純アプレ≫村松剛
    16日、≪純アプレ≫澁澤龍彦
    28日、<批評家は無用の長物か 江藤氏にカミついた倉橋氏の意見に思う>「産経新聞夕刊」。倉橋由美子に対して江藤淳を擁護したもの。
    日下直樹「不肖の子」『多摩』
   8月6日、≪純アプレ≫原爆被災者。
    13日≪純アプレ≫黒柳徹子。(若者たち)
    20日、≪純アプレ≫アイ・ジョージ。(若者たち)
    27日、≪純アプレ≫張本勲
    31日、羽田からブルガリアへ出発。ポーランドブルガリア両国の招待。
   9月<私小説について 自己探検の文章>『群像』(綱)
   9月1日、ベイルートで飛行機が故障し泊まる。
    2日、アテネ経由でソフィアへ降り立つ。ソフィアのホテルで『遅れて来た青年』の最後の部分を書く。(叫び声文芸文庫)
    3日≪純アプレ≫原研の若い科学者。
    10日、ディミトロヴァへ。黒海で泳ぐ。「純アプレ」古今亭朝太(志ん朝
    中旬、アテネへ戻る。
    ローマへ。フィレンツェ
   10月<最初の詩>『群像』(綱)
     8日、〇≪慎太郎、大江ルポを批判する≫対談『毎日グラフ』これで連載いったん終り。
     パリ。伊丹が夫妻で住んでいる。ワルシャワ
     15日から『毎日グラフ』で「ヨーロッパ紀行」の連載。
     モスクワで開高健とおちあう。ソ連に五週間滞在。リヴォーワ夫人。
   11月、モスクワでエレンブルグと話す。タシケント。ベルリン。
      12月18日、パリで反OASのデモに参加。
     19日、開高とともにサルトルに会う。田中良が通訳。
    帰国後、新日本文学会を脱退。
     22日、大島渚監督『飼育』三国連太郎沢村貞子
1962年1月<わが旅・文学的側面>『新潮』           27歳
         『遅れてきた青年』新潮社 
    宇能鴻一郎が「鯨神」で芥川賞受賞。
    31日、サド裁判で証人として証言。針生一郎栗田勇中島健蔵と同日。
   2月<ニコラ・バターユという天才>『藝術新潮』(綱)
    12日<旅行カバンのなかの未来イメージ>『週刊読書人』(綱)
   3月<サルトルの肖像>『世界』
    <私がソヴィエトの青年なら>『文藝春秋
    田中良「核兵器・人間・文学--サルトル=開高・大江会見記」『世界』
    〇≪ソ連文学の新しい波--モスクワからパリまで≫江川卓開高健、鈴木道彦『新日本文学
    4日、NHK教育「テレビ芸能ジャーナル 世界の作家 民族の文学」木下順二,開高健
    26日<地球は青かった毎日新聞夕刊 (綱)
   4月<今日のクラナッハ>『藝術新潮』(綱)
    〇≪先輩・後輩≫宇能鴻一郎文學界
    ‐63年12月「僕らは日本のことを話しているのだ」『毎日グラフ』
    1日≪僕ら≫中曽根康弘
    17日、NHK「孤独な青年の休暇」寺山修司脚本,大山勝美演出。
    22日、NHK「三人の会による現代日本作品の夕べ~第5回大阪国際フェスティバルから~ドラマティックオペラ「暗い鏡」(一幕七場)「涅槃」交響曲 友竹正則,奥村淑子,宮原徳子,芥川也寸志。 
   5月「不満足」『文學界
    <性犯罪者への関心>(性犯罪者への挨拶)『新潮』(綱)
    6日<独立十年の縮図‐内灘>『朝日ジャーナル』(綱)
    27日≪僕ら≫深沢七郎
   6月           『芽むしり仔撃ち』角川文庫
    10日〇≪僕ら≫加藤周一(加藤対話集1)
    16日<失業に悩む軍港‐呉>『朝日ジャーナル』(綱)
    24日≪僕ら≫江田五月
   7月<文学における民族性の表現--実作者の覚え書として>『文学』
    <未来につながる教室 群馬県島小学校>『文藝春秋』(綱)
    1日≪僕ら≫岡田茉莉子
    6日、ウィリアム・フォークナー死去。
    15日≪僕ら≫市川染五郎幸四郎
    22日≪僕ら≫源田実
   8月「ヴィリリテ」『小説中央公論』(未)
             『世界の若者たち』新潮社
   精神的危機に陥り、ドストエフスキーを読むことで乗り越える。
    26日≪僕ら≫北杜夫
   10月「善き人間」『新潮』(未)
     <今日の軍港 基地横須賀>『世界』(綱)
    〇≪私の選んだ世界の短編小説ベストテン≫座談会・吉行、開高
             『新日本文学全集 開高健大江健三郎集』集英社
             『ヨーロッパの声・僕自身の声』毎日新聞社
     7日頃、田中良が自殺。31歳。
     14日、キューバ危機の始まり(大内)
   11月「叫び声」『群像』
     <廿世紀小説の性>『文學界』(綱)
      開高健『声の狩人』岩波新書
     4日、NHK「若い広場 われら10代 あすはぼくらの手で」香山ゆり。
    小澤征爾N響との紛争があり、武満徹井上靖、三島、黛敏郎、團伊久磨、有坂愛彦、一柳慧中島健蔵山本健吉浅利慶太谷川俊太郎石原慎太郎と「小澤征爾の音楽を聴く会」を結成。 
     26日、李珍宇の死刑執行。
   12月30日≪僕ら≫小田実
1963年1月<人殺したちの中の一人>                28歳
    <サーバーの犬とぼくの知っていた犬> 『銀座百点』
    〇≪新しい小説、新しい批評≫高見順文學界
    〇≪日ソ文学交歓≫大岡昇平、開高、佐々木基一、野間、アクショーノフ、ルクス、リボーワ(江川卓訳)『新日本文学
    金沢に行く。浦山桐郎「非行少女」のロケを見る。
    1日〇≪歴史をつくるもの≫大内兵衛エコノミスト
             『叫び声』講談社
    14日、NHK「あすへの歩み 夜間高校生―未成年シリーズ(2」平井伸一,山添章,雨宮美登里,本田親明。
    15日、日比谷公会堂で「小澤征爾の音楽を聴く会」。
   2月<スパルタ教育>『新潮』
    <戦後文学をどう受けとめたか>『群像』(綱)
    <サーバーの犬とぼくの知っていた犬>『銀座百点』
    〇≪帰ってきた二人≫開高健『風景』
   2-翌2月「日常生活の冒険」 『文學界
    3日<性のゆがみと文学 林房雄氏に答えて>朝日新聞 (綱)
    17日、≪僕ら≫福田恆存
   この頃、武満徹が成城の近所へ越してくる。
   3月<ぼく自身のなかの戦争>『中央公論』(綱)
    8日、クノップ社ストラウスの要請で三島邸に招かれる。阿川、安岡、庄野、遠藤、有吉、安部、石原、開高、奥野。
   4月<対話と自己告白>『新潮』 (綱)
    <文章について>  日本現代文学全集『谷崎潤一郎集(二)』講談社月報
         6日、ヘミングウェイの姉マルセリーヌ・サンフォードがペンクラブの世話で講演。前座で福田陸太郎と講演する(伊藤整日記)
     7日、NHK「われら10代 ぼくらは仲間」金井克子,池谷薫
   5月「大人向き」『群像』(未)
    「性的人間」『新潮』
    新宮市市民公会堂で講演、これを16歳の中上健次が聴く。
             『夜よゆるやかに歩め』講談社ロマンブックス
    30日-6月1日<現代文学と性>東京新聞 (綱)
   6月「敬老週間」『文藝春秋
    <シュールレアリストの部屋>『藝術新潮』
    <『われらの時代』とぼく自身> 『われらの時代』新潮文庫(綱)
           『角川版昭和文学全集 開高健大江健三郎集』
    13日、長男・光誕生。
    光を日大板橋病院に入れる。帰路立教大学渡辺一夫を訪ねて話をする。
    伊丹は『婦人画報』に「ヨーロッパ退屈日記」を連載。
   7月<風変りな連中>『新潮』
    <解説>『斎藤喜博著作集 教育の演出』麦書房
     21日、〇≪僕ら≫市川猿之助 『毎日グラフ』
     28日<オーデン>朝日新聞
   8月<危険の感覚>『新潮』(綱)
    <「みづうみ」について>『文藝』
    ≪性の追究≫中村真一郎、吉行『群像』(中村「愛・人生・芸術」)
              『性的人間』新潮社 
    岩波の安江良介の依頼で広島の原水禁のルポに行き重藤文夫に会う。
   9月25-28日、日仏会館ホールで劇団波の会により「動物倉庫」が上演される。橋本陸男演出。真船豊「太陽の子」と。
   10月<難解さのすすめ>『文學界』(綱)
     <広島1963年夏--ルポルタージュ>『世界』
     <マリリン・モンローの世界>『群像』(綱)
   11月<困難の感覚についてーわが創作体験>(困難の感覚ということ)『文学』(綱)
    〇≪ドストエフスキーの面白さ・わかりにくさ≫埴谷・荒正人ドストエフスキーの世界』河出(埴谷全集13)
     10日<反逆的なモラリストノーマン・メイラー>『朝日ジャーナル』(綱)
     21日、NHK私の秘密渡辺紳一郎,藤浦洸,塩月弥栄子,八木治郎。 
     22日、ケネディ暗殺。
   12月1日、学徒出陣二十周年記念講演と映画の会。阿部知二渡辺一夫南原繁と講演。
     7日、黒人文学の会でボールドウィンの話をする。
     9日、聖教新聞のための座談会。
1964年1月「空の怪物アグイー」『新潮』               29歳
    「アトミック・エイジの守護神」『群像』
    ≪現代社会と青年像 苦悩する若い世代の求めるものは≫北杜夫、開高、藤原行正『潮』
    ≪文藝内閣第1回閣議:今年の展望≫石川達三伊藤整小田実山本健吉水上勉有馬頼義安岡章太郎阿川弘之遠藤周作平林たい子武田泰淳平野謙荒正人奥野健男、野間、開高『文藝』
    22日、講演で大阪グランドホテル。中央公論・嶋中、大宅壮一ドナルド・キーン、平林、伊藤整
    23日、名古屋みやこホテル。講演。
    24日、11時の電車で帰京。キーン、嶋中、伊藤、近藤、鈴木。 
    1日≪世界平和をどう築くか≫大熊信行、北条浩、秋谷城水
   2月「ブラジル風のポルトガル語」『世界』
    3日、文藝内閣第四回閣議
    4日から25日、よみうりテレビで「夜よゆるやかに歩め」嵯峨美智子菅原謙次
   3月<小説とはなにか>『文學界
    〇≪われらにとってアメリカとは何か≫安岡章太郎荒正人岡本太郎『現代の眼』
    〇≪功労重役を排せ≫松下幸之助文藝春秋
    ≪文藝内閣第3回閣議:芸術とセックス≫石川、伊藤、山本、阿川、遠藤、泰淳、平野、荒、開高、円地文子高橋鉄『文藝』
   愛媛へ帰郷。
    22日<サハラ先史壁画>『朝日ジャーナル』(綱)
    27日、岐阜市生長の家ホールで文春文藝講演会。有馬頼義井上靖
    28日、松阪市公会堂で同上。
    29日、西宮市立津門小学校で同上。
    30日、赤穂高校で同上。
    31日、京都会館第一ホールで同上。
   4月≪文藝内閣第4回閣議:出世論争≫石川、小田、山本、平林、有馬、安岡、奥野、開高『文藝』
                     『日常生活の冒険』文藝春秋
    6日<ラブレー>『週刊読書人』(綱)
    8日、山口市へ出発。伊藤整らと。
    9日、山口市で伊藤、犬養道子と講演。
    10日、広島で原爆ドームを訪ねる。船で四国へ渡り道後の川吉別荘で伊藤と四階玉椿で同室。
    11日、広島へ戻り講演、ホテル泊まり。
    12日、高松へ行き15時着、川六に宿る。講演。
    13日、田中良と写真とりに松山へ。    
    25日、神田共立講堂で芥川・直木賞五十回記念講演会。川口松太郎石川達三中村光夫水上勉と。
    26日<少年たちの非行のエネルギーは抹殺されるべきものか?>『朝日ジャーナル』(綱)
   5月1日〇≪現代の若いセックス≫公房、羽仁進、倉橋、戸川昌子婦人公論』(公房全集18)
   6月〇≪新中国をどう見るか≫竹内好、開高『潮』
    ≪学生からみた憲法問題≫潮見俊隆、小林直樹野田卯一、田畑茂二郎、佐伯喜一、稲葉誠一、ほか島村英紀ら学生『世界』
    ≪文藝内閣第6回閣議:女性の白書≫石川、伊藤整、山本、水上、平林、十返千鶴子、ドクトルチエコ『文藝』
    8日〇≪現代文学にとっての性と冒険≫石原慎太郎『読書人』(孤独なる戴冠)
   7月〇≪日本共産党に訴える≫志賀義雄『文藝春秋
    14日<「弦楽のためのセレナード」というレコード>朝日新聞夕刊(綱)
    16-18日<戦後世代と憲法朝日新聞(綱)
    恐山へ。
    柴田翔芥川賞受賞。
    28日、帰国した柴田翔の『されどわれらが日々ー』出版記念会。相良守峯。
    30日、司馬遼太郎『鬼謀の人』(新潮社)の帯に推薦文を書く。
   8月「犬の世界」『文學界
    〇≪戦中から戦後へ 戦後文学の内的出発点≫荒、佐々木基一、安岡、堀田善衛『世界』
    2日<飢えて死ぬ子供の前で文学は有効か? サルトルをめぐる文学論争>『朝日ジャーナル』(綱)
    14日<“小国民”の体験から>読売新聞夕刊
    30日<私の小説作法>「毎日新聞
           『個人的な体験』新潮社・純文学書き下ろし特別作品
           『現代の文学 大江健三郎集』河出書房新社
   9月〇≪現代作家はかく考える≫三島『群像』(三島全集)
    〇≪二葉亭四迷をめぐって≫中村光夫『図書』(座談の愉しみ)
    手塚富雄「性の文学を批評する」『展望』復刊号で批判されたと感じる(厳粛まえがき)
    17日号、三島の書評『個人的な体験』週刊読書人
   (反論を書くが没になるー沼野チェホフ対談)
    再度広島を訪れる。
    24日号、江藤淳の書評『個人的な体験』  週刊朝日(1960)
    27日号、≪文化人は退屈な善人≫近藤日出造週刊読売
    24日、ネイサン、江藤、松浦竹夫、奥野らと三島邸でパーティ。
    29日<ダリ>「毎日新聞夕刊」 (綱)
   10月<この百年とわれら日本人>「産経新聞」(志)
     18日<競技場のユーモア-オリンピック断章>読売新聞
     23日<テレビのなかの苦しむ顔-オリンピック断章>同
   10-翌3月<ヒロシマ・ノート>『世界』
   11月<小説家の無意識>『新潮』(綱)
    〇≪現代において文学は可能か≫いいだもも小田実篠田一士高橋和巳『展望』(高橋全集18)
    ≪文藝内閣第11回閣議 日本でこわいもの≫石川、有馬、安岡、開高『文藝』
     2日、NHK教育「日本近代文学の100年」(1)近代文学館文庫の開設にちなんで―(明治の文学)」高見順,吉田精一,塩田良平,伊藤整
     6-10日、俳優座劇場で劇団新劇場により「動物倉庫」が上演される。演出・安井武。加藤道夫「十一月の夜」と。
          7日、近代文学館文庫開設祝い講演会、産経ホール午後一時。今日出海、久松、小田切進、川口、石川達三、大佛、佐多、舟橋、村上、井上靖小林秀雄、伊藤。
     16日<マース・カニングハムをみる>読売新聞夕刊
    『個人的な体験』で新潮社文学賞受賞。
   12月〇≪われらが文学≫柴田翔文學界江藤淳との蜜月は六か月だった、今彼は危険な変わり方をしていると言う。
     1-3日<新しいものと古いもの>『産経新聞』(志)
     6日≪ボクは動物園のスズメ 『個人的な体験』で新潮社文学賞を受賞する大江健三郎さん≫村松喬 『サンデー毎日
1965年1月<絶望的な蛮勇気>『新潮』(志)          30歳
    1日、NHK教育「日本人の目標 ~フィルム構成と座談会」金井利博,重藤文夫,加藤秀俊,村上兵衛。 
    10日<日本に愛想づかしする権利>『サンデー毎日』(綱)
    29日号『週刊朝日』の表紙になる。
    31日、沖縄に行く。
   2月<もうひとつの『個人的な体験』>『文藝』
    <裸体の栄光と悲惨--「カイエ・ダール」心象のヌード>『藝術新潮』(志) 
    <恩賜的と恢復的>『明治文学全集』月報(志)
    21日<紀元節と個人の「自己」の問題>『朝日ジャーナル
          『厳粛な綱渡り』文藝春秋
   3月<不倖なら手を叩こうー「期待される人間像」批判>『文藝』(綱)
    ≪日本人発見 魅力ある人々≫木下順二中野好夫、広津、鶴見『展望』(「日本人とは何だろうか 鶴見俊輔座談」)
    ≪文藝内閣第15回閣議 悪書のススメ≫石川、山本、平野、北、吉行、阿川『文藝』
    ≪現代の文学者と社会≫江藤『群像』(江藤淳全対話)
    14日<誰を方舟に残すか?>『朝日ジャーナル』(志)
    伊丹『ヨーロッパ退屈日記』を文春から刊行。山口瞳の解説。
   春、文藝春秋の講演会で沖縄本島石垣島を回る。有吉、石川達三と。
   4月≪文藝内閣第16回閣議 現代人の優雅な冒険≫平林たい子、小田、泰淳、安岡、阿川『文藝』
    5日<原民喜を記念する>『週刊読書人』(同時代)
         6日<何がもっとも恐ろしいか?>『エコノミスト
    18日<ホモ・プロ・セ>『朝日ジャーナル』(志)
   5月≪文藝内閣第17回閣議 戦争≫松本清張、開高、野間、阿川、戸川昌子『文藝』
                『芽むしり仔撃ち』新潮文庫
    3日、NHK「テレビ討論 日本人の憲法意識」福田恆存,小林直樹,高坂正堯,佐藤功。  
    23日<今日の中の昨日と明日>『朝日ジャーナル』(志)
    24-26日≪今月の論調≫長洲一二日高六郎毎日新聞
    6月<沖縄の戦後世代>『世界』(志)
    ≪文藝内閣第18回閣議 20年後の日本≫石川、山本、泰淳、安岡、北、荒、奥野『文藝』
    1-3日<『原爆体験記』を読む>朝日新聞夕刊 (同時代)
    27日<自由人>『朝日ジャーナル』(志)
    29日<シゴカレル思想>『エコノミスト』(志)
   この年、世田谷区成城町五八五に転居。
   夏から冬にかけて北米旅行。送別で江藤淳が亀清へ連れて行き芸者と遊ぶ。(江藤「私の好敵手」)
   ハワイの文学会議でウォレ・ショインカに会う。
   7-8月ハーヴァード大学キッシンジャー教授のセミナーに参加。
   ハーマン・カーンの講義に抗議する。
   アレン・ギンズバーグに会う。プリンストン大学を訪ねる。ケンブリッジでジャック・ルドヴィクと一緒。
   7月<戦後世代の中国・沖縄感覚--戦後20年の現実と課題-1->『エコノミスト
    <なにを記憶し、記憶しつづけるべきか?>『原爆体験記』広島市朝日新聞
    ≪短編小説の可能性≫公房『世界』(公房全集19)
    ≪原初の飛行機乗り≫田村隆一現代詩手帖』(田村『詩と批評B』)
    30日、谷崎潤一郎死去、79歳。
   8月<アメリカの夢>『新潮』
    ≪前衛芸術とは何か≫公房、花田『群像』(公房全集19)
    ≪藝術・政治・人間≫武満徹『日本』(「武満徹の世界」)
    福田恆存が「当用憲法論」『潮』でテレビでの大江の発言を批判する。
            『ヒロシマ・ノート』岩波新書
    19・23日<もうひとつのアメリカ>毎日新聞夕刊
   9月〇≪文学者の政治参加≫井上光晴、埴谷 『群像』(埴谷全集13)
    5日<土人部落(テリトリー)のハックルベリー・フィン>『朝日ジャーナル』(志)
   9-10月、米国国務省の招待で『ハックルベリー・フィン』のミシシッピ地方を旅する。
   10月10日<多様性コソ力デアル>『朝日ジャーナル』(志)
     16日? ニューヨークで三島と食事。ショーロホフのノーベル賞決まる。
   11月≪のぼり窯≫平野、本多、井上光晴久保栄研究』(ロマン・のぼり窯)
     1-3日<アメリカの百日>「毎日新聞」夕刊(志)
     12日、国会傍聴席で日韓条約強行採決を見る。
     21日<火星人の威信>『朝日ジャーナル』(志)
     26日<恐ろしきもの走る>『週刊朝日
     ネイサンは三島に会い、『絹と明察』は訳さず『個人的な体験』を訳すと告げる。
   12月<“記憶して下さい。私はこんな風にして生きてきたのです”>『図書』(志)
     15日≪われらの文学≫公房『新刊ニュース』
     19日<宙に浮んだ馬>『朝日ジャーナル』(志)
1966年1月<自己検閲の誘惑>『文藝』(志)           31歳
    <叛逆ということ>『エコノミスト』(志)
    <持続する志>『世界』(志)
    10日、NHK私の秘密渡辺紳一郎,塩月弥栄子,藤浦洸,長谷川肇 
   2月<有効性の魔>『新潮』(志)
    『われらの文学 安部公房』に解説 (志)
   3月<狂気と自己救済 文学は何のためにあるか>『群像』
    〇≪現代学生の知的状況≫高橋和巳中央公論
     <言葉>『文學界』(志)
    文藝春秋紀尾井町の新社屋に移る。この時大江の「鳩」の生原稿が処理されて古書店に出回り、文春に抗議する。 
   4月<B.ダンハム「現代の神話」--私の古典-1->『エコノミスト
    ー『大江健三郎全作品』全6巻 新潮社 
    「出発点を確かめる」を連載。(表現する者)
    第一巻に「自筆年譜」光の出生について記す。
   春からあらためてフォークナーの全作品を読む。
   5月≪われわれはなぜ書くか≫安岡『文藝』(われわれはなぜ書くか)
    (『響きと怒り』の子供の尻の話)
    この頃小説が書けないとこぼす。原水協を脱退。
   6月17日<学力テスト・リコール・子規>『週刊朝日』(志)
   7月<谷崎潤一郎「鍵」・エロティシズムの実験小説--戦後ベストセラー物語-38->『朝日ジャーナル』(志)
    〇≪現代文学の混乱と救済≫江藤、平野、中村『群像』(江藤全対話2)
    16日、三島から北杜夫宛、大江が自殺未遂とか。
    22日、NHK教育/教養特集「作家と時代精神臼井吉見,武田泰淳,広津和郎,三島由紀夫。 
   9‐12月<アメリカ旅行者の夢>『世界』(鯨)
   9月<井上光晴に向かって> 『われらの文学 井上光晴』(志)
   9月3日、NHK「土曜談話室 動物ずき」岸田今日子
    17日、安部、小島、安岡らとの座談。
    18日、サルトルボーヴォワールが来日。
   10月<様ざまな民衆の虚像--佐藤、ジョンソンを支えるもの>『エコノミスト』(志)
     <垂直的人間の声>『新潮』(志)「田村隆一と…」
     <記憶と想像力>講演『展望』(志)
     12日、サルトルボーヴォワールを囲む座談会。加藤晴久通訳。
     16日≪サルトルの知識人論≫公房、白井浩司『朝日ジャーナル』(公房全集20)
          25日、札幌で伊藤整北海道新聞の座談会に出る。中野重治更科源蔵
     26日、伊丹が協議離婚。伊藤、原田康子、更科とNHKのテレビ座談会に出る。
   11月≪現代をどう描くか≫公房、安岡、小島『群像』(公房全集20)
     (「全体小説」に疑念を表明する)
     13日〇≪日比谷高校生の選良意識とモラル--連帯感をはばむ"能力"主義?≫(座談会)」『朝日ジャーナル
             『われらの文学 大江健三郎集』講談社(大江、江藤編)解説で江藤が大江を批判。解説「持続せよ、持続せよ」を寄稿。
     16日、NHK教育「教養特集 文学と風土~座談会」伊藤整,中野重治,原田康子,更科源蔵。 
   12月〇≪サルトルとの対話≫加藤周一坂本義和、鶴見、日高六郎サルトルボーヴォワール『世界』
1967年1-7月「万延元年のフットボール」『群像』        32歳
   1月≪今こそ内面世界へ≫森有正中央公論』(森有正対話編1)
   1月5日<ユートピアの想像力>毎日新聞夕刊 (志)
   2月≪アメリカ文学を考える≫江藤、アナイス・ニン『文藝』(江藤全対話)
    16日<テロは美しく倫理的か?>朝日新聞夕刊 (志)
    27日<話題よぶ作家二人インタビュー>安岡と 毎日新聞夕刊
   3月、『現代日本文学館 大岡昇平』文春に「大岡昇平伝」「解説」(志)
   (江藤淳プチブルと言う)
   4月<暴力的な思い出>『新潮』(志)
    〇≪文学における明治と戦後≫中村光夫『展望』
    14日〇≪“個人的な体験”からみた予備校≫小田実週刊朝日
   5月<被爆者の自己救済行動(ルポルタージュ) >『世界』(志)
   6月13日、NHK教育「教養特集 太宰文学と現代の青春」武田泰淳,安岡章太郎,小田切進,久米明
     28日、『万延元年のフットボール』を朝日新聞大岡昇平が称賛。
     30日、読売新聞で山本健吉が賞賛。毎日新聞平野謙
   7月≪作家にとって批評とは何か≫磯田光一、野間、小島、中村真一郎文學界
    長女・菜摘子が生まれる。
    大城立裕が芥川賞を受賞。
   8月27日、NHK藝術劇場「暗い鏡 ヒロシマのオルフェ」
   9月≪作家と想像力≫小島、安岡『文学』
              『万延元年のフットボール講談社
    20日、『万延元年のフットボール』で谷崎潤一郎賞受賞決定。伊藤整が反対。受賞パーティで嫌みを言う(1982安岡対談)
   9-10月<アメリカ旅行者の夢>『世界』
   10月〇≪政治と文学〔沖縄の問題を中心に〕≫大城立裕『文学界』
     ≪現代文学をどうするか≫大岡、小島信夫、野間、松原新一、安岡、山本健吉平野謙『群像』
     松原新一『大江健三郎の世界』講談社
     8日、羽田事件。
     9日、江藤との対談で対立。
      <山崎君の日記を読んで>『週刊朝日』41号(第三週)
     20日東京会館谷崎賞の授賞式。丹羽文雄が話す。伊藤整。  
     22日<死んだ学生への想像力〔羽田事件〕>『朝日ジャーナル』(志)
   11月「走れ、走りつづけよ」『新潮』
     <同時性のフットボール--文学的近況>『中央公論』(志)
    江藤が引き続いて秋山駿と対談。
    佐藤・ジョンソン会談に際し沖縄へ旅行。
     27日、赤坂シドで石原、開高と鼎談。
   12月<何のために小説を書くか 鈍い人間の想像力>『新潮』
    (自民党から立候補するという石原慎太郎を名を出さずに批判)
     <すべての日本人にとっての沖縄>『週刊朝日』(志) 
     <沖縄の嘆きと憤りを共有するために>『週刊朝日
    秋山駿と対談、江藤への怒りを表明する。
     16日、NHK教育「教養特集 この人と語る―作家・野上弥生子武田泰淳
     18日、<「万延元年のフットボール」前後>読売新聞夕刊
1968年1月<生け贄男は必要か>『文學界』            33歳
    <核基地に生きる日本人--沖縄の核基地と被爆者たち>『世界』(志)
    <安部公房劇場--その架空のロビーでの対話>『文藝』
    ≪現代をどう生きるか≫江藤淳『群像』。『万延元年のフットボール』を江藤が批判し激しく対立、決別する。「侃侃諤諤」で揶揄される。
    『三田文学』で秋山駿と江藤淳が対談、江藤が『万延元年』を批判する。
    1日<再び戦後体験とはなにか>「毎日新聞
    9日≪核時代に生きる 現実政治における選択≫いいだもも、堀田『エコノミスト
    12日<戦後の人間として「明治」を読むこと>朝日新聞夕刊(志)
    柏原兵三が芥川賞を受賞。
    25日<「国防教育」に反対する>「朝日新聞」(同時代)
    30日、講演「戦後において確認される明治」(核時代)
    紀伊國屋ホールで毎月一回の連続講演を行い、『核時代の想像力』としてまとめられる。
   2-8月「狩猟で暮したわれらの先祖」『文藝』
    ≪私の文学を語る≫ 秋山駿 『三田文学』(大江健三郎特集)
    江藤に嫌悪感を示し、石原の参議院選立候補を批判。
    7日、吉野壮児が川端を訪ねる。
    ≪文学における普遍と固有≫石原、開高『日本の文学』付録
   2月、<『群像』編集部に抗議する>「侃々諤々」への抗議文『群像』
    石原慎太郎「LSD」『文學界』大江をモデルにしたとされるか(秋山「絶交始末記」)
    石原「小説家の現実感覚」『文藝』で大江に反論。
    20-24日、金嬉老事件
    27日、講演「文学とはなにか?」(核時代)
   3月〇≪われらの文学≫柏原兵三 『文學界』(江藤の悪口)
    ≪人間の狂気と歴史≫渡辺一夫『思想との対話12・人間と機械など』講談社
          『現代文学大系〈第61〉堀田善衛阿川弘之遠藤周作大江健三郎集』筑摩書房
   オーストラリア旅行。アデレードでのアート・フェスティヴァル。エンツェンスベルガー、ビュトール、アクショーノフ、アップダイク、ル=クレジオに会う。
   4月<政治的想像力と殺人者の想像力--われわれにとって金嬉老とはなにか?>『群像』(志)
   ジョン・ネイサン英訳『個人的な体験』グローヴ・プレスから刊行、出版元(バーニー・ロセット)と訳者の招きで米国旅行。   
                      『性的人間』新潮文庫
    20日<「強大なアメリカ像」の崩れたあとに>『週刊朝日』(志)
    30日、講演「アメリカ論」(核時代)
   5月<野間宏著「サルトル論」>『世界』
    2日<辱められた憲法とその「新生」>毎日新聞夕刊(同時代)
    ニューヨークでジョン・ネイサンと『個人的な体験』の紹介のため批評家に会う。エリオット・フリーモント=スミス(Eliot Fremont-Smith 1929-2007)。
    28日、講演「核時代への想像力」(核時代)
   6月<ただ無知によって (外国と私の文学)>『文學界』 (志)
    17日、「ニューヨーク・タイムズ」にフリーモント=スミスの批評。
    21日<「アメリカの夢」と暗殺者たち>『週刊朝日』増大号 (志)
    28日、講演「文学外とのコミュニケイション」(核時代)
   群像新人文学賞の選考委員になる。
   7月「核時代の森の隠遁者」『中央公論
    21日<投票が権利放棄を意味するとき--一票は武器か、精神安定剤か>『朝日ジャーナル』 (参院選は民意を反映したか(特集)
    <テーマを求めて>『群像』
    石原慎太郎参議院選全国区で三百万票を集めて当選。
    30日、講演「文学とはなにか(2)」紀伊国屋ホール(核時代)。新潮社で、「新刊展望」のための「新潮日本文学」についての伊藤整との対談。
   8月<原爆後の日本人の自己確認--被爆の「経験」化の多様な結実>『世界』(志)
    <核時代のエラスムス>『図書』(鯨)
    20日チェコ侵攻。
    21日、朝早く安部公房から電話がありチェコ大使館へ励ましに行く。
   9月≪現代の文学と想像力≫野間宏 『群像』(「全体小説への志向」)
    (浄土真宗を勉強していると言う)
    10日、講演「ヒロシマアメリカ、ヨーロッパ」(核時代)
    21日、広津和郎死去、76歳。
    27日、講演「犯罪者の想像力」(核時代)
   10月「父よ、あなたはどこへいくのか?」『文學界
    ≪一作家一冊で文学全集を読むことの意義≫伊藤整、谷田昌平『新刊展望』
               『持続する志』文藝春秋
     川端康成ノーベル文学賞受賞。
     沖縄主席公選のため沖縄に滞在。
     24日、講演「行動者の想像力」(核時代)
     30日≪想像力の根源≫高橋和巳『文学のすすめ』筑摩書房
   11月<詩と伝統の世界語--エンツェンスベルガー著,小寺昭次郎訳「現代の詩と政治」>『群像』
     <知識人の死 (広津和郎氏追悼)>『文藝』(鯨) 
                 『日本文学全集 大江健三郎集』河出書房新社 
     1日、NHK女性手帳川端康成の世界」3―座談会」三神茂,円地文子,中村光夫,大久保愛 
     12日頃、光が脳外科手術を受ける。日大板橋病院の森安信雄(52)。
     19日<ほんとうの教育者としての子規>「朝日新聞」 (鯨)
     26日、講演「想像力の死とその再生」(核時代)
     28日、中央公論社渡辺一夫と対談。
     29日、ホテルニューオータニ芙蓉の間でペンの会を兼ねて川端康成ノーベル賞受賞祝賀会。川端が隣に座り「もうあきあきしましたよ」と言う。
   12月19日、講演「想像力の世界とはなにか?」(核時代)
1969年1月<核基地の直接制民主主義〔沖縄の主席公選〕>『世界』(鯨) 34歳
    <核時代の『三酔人経綸問答』>『図書』(鯨)
    ≪文学表現の自律性≫小島、武田泰淳、野間、丸谷才一、安岡、吉行『文藝』
    1日、伊丹は宮本信子(23)と結婚。
    3日≪産業社会の中のわれら≫都留重人週刊朝日
    ≪乱世の対話≫渡辺一夫『世界の名著 エラスムス
    9日、日本青年館で火事があり、古堅宗憲が一酸化炭素中毒で死ぬ。
   2月「われらの狂気を生き延びる道を教えよ」『新潮』(題名はオーデン)
   3月<死者の怒りを共有することによって悼む〔古堅宗憲沖縄県人会事務局長の死に関連して>『世界』
     鶴見俊輔(48)と対談。
    沖縄へ行く。
   4月      『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』新潮社
   新潮新人賞の選考委員となる。
   5月<想像力論への端緒--野間宏「創造と批評」>『群像』
    <新潮新人賞選評> 『新潮』 
    <さてしもあるべき事ならねば--堀田善衛「美しきもの見し人は」>『文藝』 
    ≪語りつぐ戦後史-28-戦後民主主義は放棄されねばならないか≫鶴見俊輔思想の科学』(鶴見対談集)
    9日、紀尾井町福田家で大岡昇平と対談。
    13日<明日を創る・小説>「読売新聞夕刊」
   6月15日、小田実らの六・一五抗議安保反対デモに参加。
   7月≪文学と「狂気」≫秋山駿、川村二郎、野間『文藝』
    〇≪柳田学・折口学・茂吉短歌≫大岡昇平『日本の文学』
     次男・桜麻が生まれる。
    1日≪どのように現代とかかわるか≫武満徹『新刊ニュース』
    13日「安保と私 言葉に実態を与えよう」『サンデー毎日
       『新潮日本文学 大江健三郎集』
   7-12月<活字のむこうの暗闇>『群像』(壊れものとしての人間)
   8-70年6月<沖縄ノート>『世界』
   10月<作家内部の社会、社会内部の作家(作家にとって社会とはなにか)>『思想』
     15日、大岡昇平が世田谷区祖師谷(現・成城7-15-12)に転居し近所になる。
     25日<言葉1970--原理的な意味における再検討 (経済軍事化を追及する--70年代の危険な選択>『エコノミスト』(鯨)
     『日本文学全集 中村真一郎.福永武彦.安部公房.石原慎太郎.開高健.大江健三郎』新潮社
   11月17日<Going to meet the Man> 『週刊アンポ』
   中野重治が『甲乙丙丁』で野間文芸賞を受賞、記念の会に行く。
1970年1月<地獄めぐり、再び--中野重治「甲乙丙丁」>『文藝』(鯨) 35歳
    ≪文学者が今なすべきことは何か≫泰淳、野間、安岡、遠藤『群像』
   2月<強制収容所の想像力--ソルジェニーツィン煉獄のなかで』>『群像』
            『壊れものとしての人間 活字のむこうの暗闇』講談社
   3月2日、ジョン・ネーサンと対談。
    30日、渋谷で青地晨宇井純と安保再改訂反対のデモ。大石芳野撮影。
   4月≪政治と文学の季節に≫中野重治,武田泰淳 『群像』
    <アップダイク氏と自由>『カップルズ』付録(新潮社)
         『現代日本の文学 安部公房大江健三郎集』学習研究社
       (ネーサンとの対談「理想への衝動」、松原新一「紀行」)
   5月<新潮新人賞選評>『新潮』
   5月14日、NHK教育「教養特集 「時代と文学精神」―文学者の生き方をめぐって」平野謙,大岡昇平,小島信夫,瀬戸内晴美 
   6月‐71年6月<渡辺一夫架空聴講記>『渡辺一夫著作集』筑摩書房(同時代)
    二宮敬と『渡辺一夫著作集』の編集委員を務める。
    26日<一九四五年夏に「明日」を見る>「朝日新聞」(鯨)
   7月≪『漱石とその時代』をめぐって≫江藤     『波』
               『核時代の想像力』新潮選書
    13日、丸ビルでペンクラブ理事会。韓国でのペンクラブ開催を批判して松岡洋子木下順二小田切秀雄とともに退会。
    17日、吉行、小島信夫と鼎談。
   8月21日<おもてを伏せてふりかえる>『アサヒグラフ』(鯨)
   9月<文学者の沖縄責任--広津和郎「さまよへる琉球人」の場合>『群像』(鯨)
    ≪文学によって何を求めるか≫アップダイク 『新潮』 
                『遅れてきた青年』新潮文庫
                『沖縄ノート岩波新書
   10月〇≪現代文学と性≫小島信夫,吉行淳之介 『群像』
     19日、小田、野間宏と鼎談。
   11月〇≪日本語で書くことについて≫金石範,李恢成 『文学』(朝鮮文学)(「言葉の呪縛」筑摩) 
    〇≪ボクはなぜ太ったか≫石垣純二の健康診断『毎日ライフ』
     14日、沖縄に行く。
     17日、沖縄返還協定調印。
     18日、アジア・アフリカ作家会議のため、ニューデリーへ飛ぶ。
     インドのベナレスに堀田善衛と滞在。
     25日、三島由紀夫の自決事件。堀田から聞く。
     バンコク、クアラルンプール、シンガポール、マニラをへて帰国。
   12月<作家が小説を書こうとする……文学ノート>『新潮』
    〇≪子どもが読む本・聞く本≫石井桃子『図書』
     9日、謝花昇についての座談会。
     25日<死滅する鯨とともに> 『アサヒグラフ』(鯨)
    仏語訳『個人的な体験』クロード・エルセン 
1971年1月<再び持続する志 (戦後の二十五年と「世界」の二十五年) >『世界』36歳
    ≪現代文学における公的なるものと私的なるもの≫野間宏,小田実 『群像』 写
   〇≪大江健三郎氏に聞く≫吉田熈生      『國文學
   『國文學 解釈と教材の研究』「江藤淳大江健三郎 戦後世代の心情と論理」
    ≪アニマルの不安 現代日本人の本質を考える≫長洲、小田切秀雄川添登『月刊エコノミスト
    1日≪アジアの中の日本人≫大城立裕「北国新聞
    4日<あらためて、それが人間であることと…>「毎日新聞」 (鯨)
    11-13日<沖縄・インド・アジアの旅> 「朝日新聞夕刊」
    ≪歴史の発見≫羽仁五郎小田実岩波講座哲学4』
    点字図書館で沖縄について講演。
   2月<シンガポールの水泳>       『群像』
    〇<職業としての作家>『別冊経済評論』 (職業と人生(特集)) 
    <林達夫への侏儒の手紙>『林達夫著作集』月報 (同時代)
    △≪謝花昇 その生涯が語るもの≫大江志乃夫、大田昌秀、新里恵二『世界』
   3月<言葉と文体、眼と観照(文学ノート-2-) >『新潮』
    <日本点字図書館からの微光> 『図書』
    ≪『青年の環』と全体小説≫ (「青年の環」特集)」野間宏 『文藝』(青年の環論集)
   4月2日〇<わが落第記>『週刊朝日
   4月、野口武彦『吠え声・叫び声・沈黙 大江健三郎の世界』新潮社
    『国文学 解釈と鑑賞』特集・大江健三郎=性と政治
   5月<新潮新人賞選評>『新潮』
    3日、高橋和巳死去、39歳。
    28日<アジアに向って閉ざされた沖縄 (史上最悪の"琉球処分"せまる(特集))>『朝日ジャーナル
   6月<復帰拒否者を想像せよ (「復帰」を問う(特集)>『世界』
    <想像力の枷--高橋和巳の想像力,その一面 (高橋和巳を弔う特集号) >『人間として』
    <曇った鏡のなかの醜い青年 (文学界と私)>『文學界』 
    14日、円地、清岡との鼎談。
    17日、沖縄返還協定が調印される。
   7月≪高橋和巳・文学と思想≫小田、中村真、埴谷、野間『文藝』臨時増刊(追悼特集号)(文藝読本高橋和巳
               重藤文夫共著『原爆後の人間』新潮選書 
              『万延元年のフットボール講談社文庫
    <モラリストとしての伊丹万作>   編『伊丹万作エッセイ集』筑摩叢書
              『日常生活の冒険』新潮文庫
    大田昌秀との共同編集で季刊『沖縄経験』を創刊し、「沖縄日記」連載。
   8月≪日本語の伝統と創造≫ 円地文子,清岡卓行 『群像』(文学における感受性と言語表現(特集)) (「有縁の人々と」)
    <表現の物質化と表現された人間の自立(文学ノート第三)>『新潮』
   10月「みずから我が涙をぬぐいたまう日」『群像』
  (父の死を描いたため、母、妹と義絶する)
     <敗戦経験と状況71 (日中講和の原点に立って(特集)>『世界』(鯨)
                      『叫び声』講談社文庫
     15日「伊丹の編集するページ 大江健三郎君深夜番組を評す」『週刊読売
     26日<「沖縄国会」に考えること--つねに沖縄の人間の自立した選択を>『エコノミスト
      <声明「沖縄国会」を前にして--いまこそ沖縄の非軍事化を(1971.10.7) (「沖縄国会」に考えること--つねに沖縄の人間の自立した選択を)>同 
   11月「死滅する鯨の代理人」『新潮』
   12月<山羊の臭い (志賀直哉追悼)>『新潮』
    ≪沖縄非軍事化構想と国会≫石橋政嗣矢野絢也大内啓伍不破哲三中野好夫坂本義和『世界』
1972年1-10月<同時代としての戦後>『群像』         37歳
   1月<再び日本が沖縄に属する--強行採決、変則国会のあと〔傍聴記〕 (「沖縄」強行採決後(特集))>『世界』(同時代)
    〇≪言葉と想像力--小説の文体をめぐって≫柴田翔文學界
    <悲劇の表現者マリア・カラスをめぐって〕>『文藝』(同時代)
    4-8日≪笑いへの想像力≫内田義彦「毎日新聞」(内田対談集) 
   2月<夢魂について>『中里介山全集12』筑摩書房月報
                『鯨の死滅する日』文藝春秋
    13日、柏原兵三死去、38歳。
    19-28日、あさま山荘事件
   3月<作家が異議申し立てを受ける(文学ノート-4-)>『新潮』 
                    『空の怪物アグイー』新潮文庫
    17日≪相対化の視点--日本における「さすらい」の原点≫色川大吉朝日ジャーナル』(「文明横議 色川対談集」)(友達が相次いで死んで生きがいがないと言う)
    27日、伊丹十三の長男・万作が生まれる。
   4月<柏原兵三・鎮魂 (柏原兵三を悼む)>『新潮』 
    ≪沖縄学の今日的課題≫永積安明,外間守善 『文学』 (沖縄の文学・文化) 
    光が八歳で特殊学級に入る。
    16日、川端康成自殺、73歳。
   5月<新潮新人賞選評>『新潮』
    5日、NHK教育「教養特集 児童文学の座標」山中恒,いぬいとみこ,佐野美津男,坪田譲治。 
    ソール・ベローが来日し食事を共にする。
    15日、沖縄県が発足。
    日本文藝家協会理事に選ばれる。
   6月<自殺について (川端康成追悼特集) >『新潮』
    ≪革命と死と文学--ドストエフスキー経験と現代≫埴谷雄高 『世界』 
    ≪書いたもの全部評論集に≫池島信平『新刊展望』(「文学よもやま話」)
   <自註と付録ー核時代の『悪霊』、または連合赤軍事件とドストエフスキー>                『壊れものとしての人間』講談社文庫
   群像新人賞の選考委員終り、谷崎潤一郎賞選考委員となる。
   7月<核時代の「悪霊」>『世界』
    <ソウル・ベローの冒険>『波』
    7日、田中角栄内閣発足。
   8月<狂ふ所を花に当てて--「風姿花伝」 (私の中の古典)>『新潮』 
   10月「月の男」     『みずから我が涙をぬぐいたまう日』講談社
     8日、武満徹と対談。
   11月<受け身はよくない--いわゆる「戦後の終り」にむけて (日中講話の思想と条件(特集)>『世界』(言葉)
    「多喜二、百合子、中野重治」中野『小林多喜二宮本百合子講談社
     3日<読書家ドン・キホーテ--三百六十五日、書評会に出た話 (読書特集)>『 朝日ジャーナル』(同時代)
     10日号『週刊朝日』で『みずから我が涙…』の書評(匿名)
     24日号『週刊朝日』に読み違えがあると大江が投書。
   12月1日号『週刊朝日』で平野謙が正体を現し書評担当を降りると声明。
     8日号『週刊朝日』に、丸谷才一「現代小説とその批判との関係 大江健三郎平野謙両氏の投書をめぐって」自分も読み違えていたと告白。
   この頃から水泳に通い始める。
1973年1月<死者たち・最終のヴィジョンとわれら生き延びつづける者 (文学'73年と「戦後」(特集)>『群像』                   38歳
    <書かれる言葉の創世記(文学ノート-5-) >『新潮』
    ≪危機的時代の藝術≫武満『波』
    林達夫が朝日賞を受け山の上ホテルで祝賀。山口昌男由良君美、丸谷、西郷信綱、高階、萩原延寿清水徹、高橋巌、中村雄二郎、大塚信一。
   2-74年1月<状況へ>『世界』
    5月「破壊者ウルトラマン」を含む。
   3月    『同時代としての戦後』講談社
    1-2日≪現代に生きて≫エンツェンスベルガー「朝日新聞」夕刊
    30日<「ほんとうの自由」>読売新聞夕刊 (同時代)
   6月≪新人について≫吉行淳之介,丸谷才一 『群像』(世紀末そして忠臣蔵
    <怒りについて (椎名麟三の死) >『新潮』
    <弔辞 (椎名麟三追悼(特集)>『文藝』 
    11日≪しかもなお未来を≫エフトシェンコ「毎日新聞
   7月<言葉によって>『図書』
    <原民喜と若い人々との橋のために>『夏の花・心願の国』新潮文庫(同時代)
   8月<消すことによって書く(文学ノート-6完-) >『新潮』
     <新潮新人賞選評>『新潮』
     『アイボリーバックス日本の文学 石原慎太郎 開高健 大江健三郎中央公論社
   『沖縄経験』五号で終刊。
   9月      『洪水はわが魂に及び』新潮社純文学書き下ろし特別作品
    ≪″洪水”の啓示するもの≫渡辺広士『波』
    3、10、17<書いたあとの想像力>「読売新聞」
    アジア・アフリカ作家会議に出席のためソ連に行き。アルマ・アタ、ジャンブールに滞在。
   10月、渡辺広士『大江健三郎』審美社
   11月<力としての想像力>『図書』(言葉)
   12月<ギリアックの作家、ボンベイの詩人>『新日本文学』(アジア・アフリカ文学運動の新たな展開(特集)
    『洪水はわが魂におよび』で野間文芸賞受賞。
1974年1月≪綜合的人間について加藤周一『波』
   2月13日、ソ連ソルジェニーツィンの市民権剥奪、国外追放。
     「ソルジェニーツィン釈放要求の声明文」「ソルジェニーツィン氏を守る会」に署名。
   4月<追放について (ソルジェニーツィンを考える) >『新潮』   39歳
   5月          『見るまえに跳べ』新潮文庫 
              『みずから我が涙をぬぐいたまう日』講談社文庫
    25日、日本アジア・アフリカ作家会議ので結成総会、野間宏議長、堀田善衛事務局長。呼びかけ人には、小田実中野重治らとが名を連ねる。
   6月<『洪水はわが魂に及び』ノートより> 『波』
   この年、光は田村久美子にピアノを習い始める。
   7月            『青年の汚名』文春文庫
   8月<新潮新人賞選評>『新潮』
   9月<この一年、そして明日 (金大中氏拉致一年の現実(特集)>『世界』(言葉)
    ≪日本とアラブ連帯への架橋 文学は何をなしうるか≫アラブ作家たち、中薗英助、野間、堀田、小田、加藤、針生一郎、いいだ、李恢成、竹内泰宏、津村喬、高史明『潮』
   ≪嘘によらずに生きよ 『クレムリンへの手紙』を読む≫堀田『波』
            『状況へ』岩波書店
    23日、花田清輝死去、65歳。
   10月20日、『レコード芸術』11月号のコラムで安原顕が大江と小田を罵倒。
     24日、嶋中、安原宛の書簡で、中公と仕事をせず、谷崎賞選考委員を辞めると宣言。
   11月       『文学ノート 附・15編』新潮社 
   ジョン・ベスタ―訳『Silent Cry』(万延元年のフットボール)刊行。
   
1975年1月<未来の文学者>『新潮』(言葉)       40歳
   2月≪現代世界の表現者武満徹 『世界』(ひとつの音に世界を聴く)
    <原始美術と集団的想像力>『グランド世界美術 1 原始の美術』講談社
    「ロシア手帖の会」主催の「ソルジェニーツィンを考える集会」で講演「『収容所群島』の文学的構造」
    『ガルガンチュアとパンタグリュエル』改訳の祝いの会に出る。
   3月<「収容所群島」の文学的構造 (ソルジェニーツィンを考える) >『すばる』(言葉)
    ≪作家はどう発言するか≫安岡『月刊エコノミスト』(安岡対談集)
   5月10日、渡辺一夫死去、73歳。
    17日、韓国の詩人金芝河の釈放を訴えて、小田実井出孫六李恢成らと数寄屋橋公園で48時間坐り込みのハンスト。
    山口昌男『文化と両義性』刊行。
   6月<笑う批評>『別冊文藝春秋
   小林が渡辺一夫を気違いと言うので喰ってかかり泣く。あとで宣長の手紙をくれる。(大岡対談・河合対談)
   6-7月                 『厳粛な綱渡り』文春文庫
               『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』新潮文庫
   8月<新潮新人賞選評>『新潮』
   9月<表現された子供>『図書』(言葉)
    1日、武満徹「カトレーン」の初演を小澤征爾指揮で聴く。
    29日、NHK教育市民大学講座「イメージの世界4―イメージの回復」河合隼雄,中西進。 
   『火山の下で』を読む。
   11月<にせの言葉を拒否する (朝鮮政策の転換を求める<特集>『世界』(言葉)
    石原慎太郎の韓国紀行を批判。
   12月、『岩波講座 文学』の編集委員となる。ほかに猪野謙二、高橋和巳寺田透野間宏
    <なぜ人間は文学をつくり出すか>『岩波講座 文学』(表現)
    <全体を見る眼>『図書』(言葉)
    ≪芸術における表現をめぐって≫武満『音楽現代』(武満対談集 創造の周辺)
1976年1月<諷刺、哄笑の想像力>『新潮』 (言葉)    41歳
    <創造の原理としての想像力>『岩波講座・文学2』(言葉)
    鄭敬謨「石原慎太郎の自由・私の自由」『世界』
    3日≪文学・歴史・文明≫野上弥生子朝日新聞」(野上全集別巻2)
   2月≪現代世界と文学表現≫谷川俊太郎,山口昌男 『世界』
    大岡昇平の朝日賞受賞を祝う会が小林秀雄吉田秀和、大江が発起人で開かれ挨拶する。井伏鱒二と話す。
   3月<道化と再生への想像力>『新潮』 (同時代)
    石原「鄭敬謨・大江健三郎に答う」『文藝春秋』で反論。
   3月末からメキシコ行き。
   4月から7月までコレヒオ・デ・メヒコ客員教授としてメキシコシティーに滞在。鶴見俊輔の勧め。週に一回英語で日本戦後思想史を講義。そのほかは下宿にこもって本を読む。
    酒場でファン・ルルフォに遭遇する。
   5月        『言葉によって 状況・文学Ⅰ』新潮社
   6月、塙嘉彦が『海』編集部長となる。
   夏、光が最初のてんかんの発作。マンゴーを食べてひっくり返っている(津島90)
   帰国。
   8-10月「ピンチランナー調書」『新潮』
   9月、『中央公論』で山口昌男の連載に編集者が書き直しを要請、粕谷一希が辞任するか。
    29日、谷川俊太郎と対談。『マザー・グース』をめぐって。
   10月           『ピンチランナー調書』新潮社
           (附録で中野孝次との対談「風刺・哄笑・再生の文学」
     9日<「人間」と滅亡を見つめて>「朝日新聞夕刊」 (同時代)
    西脇順三郎から「これからは諧謔の時代です」というはがきが来る。
     18日、森有正死去、64歳。
     22日、竹橋アラスカで林達夫山口昌男と座談。
    塙嘉彦筒井康隆を紹介する。
   11月〇<眼量(こころ)を放(ひろ)げられよ--毛沢東の死によせて>『世界』
    ≪風刺・哄笑・再生の文学≫中野孝次『波』 
                     『同時代としての戦後』講談社文庫
   12月≪文学は現代をどうとらえるか≫大岡昇平 『新潮』(「水・土地・空間 大岡対談集」)
     ≪表現行為と子ども (子どもと文学) ≫谷川俊太郎 『文学』(「自分の中の子ども 谷川対談集」)
1977年1月、芥川賞選考委員となる。            42歳
   2月<現代文学研究者になにを望むか>『海』
    <忙閑日記 遅れてきた構造主義者>『文學界』 
   3月<大岡昇平氏と現代> 『国文学 解釈と教材の研究』
    <芥川賞選評>『文藝春秋
    9-10日、東京郵便貯金ホールで東京オペラ協会により「暗い鏡」が上演される。稲垣純演出。
   5月、柄谷と蓮實が『現代思想』で対談、岩波、大江、山口を批判する。
    6日、銀座の浜作第二店で林達夫山口昌男と座談。大塚信一が録音。
   6月<文学・その方法の総体(ボディ)>『新潮』
   『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』のジョン・ネイサンによる英訳が出るがその前がきで、三島夫人に卑猥な言葉を発したと書かれネイサンと絶縁する。
   7月<知的な協同作業と文学>『世界』
    △≪文化の活性化を求めて≫山口昌男高橋康也渡辺守章鈴木忠志大岡信磯崎新、武満、一柳慧東野芳明吉田喜重井上ひさし『世界』
   8月<イメージ分節化の方法--「ヴェニスに死す」による>『海』
        <新潮新人賞選評>『新潮』
   9月ー翌2月      『大江健三郎全作品』第二期・全6巻 新潮社
    毎号「わが猶予期間」を執筆。(表現する者)
   9月≪文学をどう活性化するか≫井上『波』
    ≪作家と文体≫安岡『文体』(文体とは何か)
   10月中旬から二週間、ハワイ大学の東西文化研究所でのセミナー「東西文化の出会い」に日本人として一人参加、周縁性の文化について報告。
   12月<“知の世界の涯を旅する者”> 山口昌男『本の神話学』中公文庫(同時代)
1978年1月<小林秀雄本居宣長』を読む>『新潮』(表現する者)   43歳
    <再生の多義性(論壇)>『世界』 
   1月‐79年末<文藝時評>「朝日新聞」(小説の経験)
   4月3日、平野謙死去、70歳。
   5月≪文学と戦争体験--地域性の力(現代小説の地平-2-)≫ギュンター・グラス『海』
                『小説の方法』岩波現代選書
   6月<散文精神をめぐって (追悼 平野謙)>『海』 
    <発見された者として (追悼・平野謙)>『新潮』 (同時代)
    <新潮新人賞選評>    
   10月<解説>     柳田國男海上の道』岩波文庫 (同時代)
                『表現する者 状況・文学**』新潮社
   12月<文学は戦後的批判を越えているか>『世界』(方法を)
     <『個人的な体験』から『ピンチランナー調書』まで>       
             『新潮現代文学 個人的な体験・ピンチランナー調書』
1979年1月<想像する柳田国男>『新潮』          44歳
   2月<独裁者という鏡 (今日の海外文学-6-G・ガルシア・マルケス--驚異の幻想)>『海』 (同時代)
   3月<芥川賞選評>『文藝春秋
   4月<戦後世界につらぬく批評性 (大岡昇平特集)>『国文学解釈と鑑賞』
    8日、NHK教育「若い広場」マイブック「ハックルベリー・フィンの冒険」斎藤とも子。
    15日、同「伊丹万作エッセイ集」
    22日、同「中原中也詩集」
    29日、同「渡辺一夫著作集より『寛容について』」
   5月≪小説の祝祭空間--二つの周縁から≫マリオ・バルガス・ジョサ, 杉山晃訳 『海』 
   6月<青年ヘ--中年ロビンソンの手紙>『世界』
    21日、中上健次と対談。
   8月<海外文学への同時性>『海』 
    <青年と世界モデル--熊をからかうフライデー>『世界』 
    はじめ、西村六郎(1931-)の世話で、山口昌男高橋康也中村雄二郎原広司井上ひさし清水徹渡辺守章吉田喜重とバリ島に行く。
    24日、中野重治死去、77歳。
    26日、渡部勝己死去、58歳。
   11月<その「戦後」のひとつ (追悼・中野重治)>『新潮』(同時代) 
     <ペシミズムの問題--中野重治渡辺一夫>『文學界』 (同時代)
     <解説> 林達夫『思想の運命』中公文庫 (同時代)
     〇≪神々の島バリ≫井上、清水、高橋、武満、中村、原、山口、吉田、渡辺『世界』
    ≪現代文明を風刺する『同時代ゲーム』≫加賀乙彦『波』
               『同時代ゲーム』新潮社純文学書き下ろし特別作品
     5日、12日、NHK教育「文学への招待 大江健三郎“私の子規”」
   12月<人生の師匠たち>『別冊文藝春秋
1980年1月「頭のいい『雨の木』」『文學界』     45歳
    <子規はわれらの同時代人--変革期の生活者・表現者>『世界』 
    ≪多様化する現代文学--一九八〇年代へ向けて≫中上健次 『新潮』(中上健次全発言2)
     25日、塙嘉彦死去、45歳。
     青山葬儀所での葬儀を手配。
   2-3月「身がわり山羊の反撃」『群像』
   2-4月「『芽むしり仔撃ち』裁判」『新潮』
   2月≪「同時代ゲーム」について(自作案内) ≫清水徹文學界
   3月<同時代論の試み--作家自身によるモデル解説>『世界』(同時代論集) 
   この頃税金を借りにゆかりが大阪の母のところへ行き大江も講演で同行(日本語と日本人の心)
   4月<友人塙嘉彦 (塙嘉彦追憶)>『海』 
            『方法を読む=大江健三郎文芸時評講談社
   5月16日、日本文学大賞で『同時代ゲーム』が落選。同日、新潮新人賞の選考に出ていて、その後バーで阿川弘之にワイングラスをぶつける。
   6月        『現代伝奇集』岩波現代選書
    光が合宿へ行き「プー」と呼ばれることを拒否する(津島82)
   7月<新潮新人賞選評>『新潮』
   8-9月≪言葉と空間のブリコラージュ≫磯崎新, 原広司 『建築文化』
   9月<反論理の水先案内人--光州と被爆者援護法 (金大中氏の現状)>『世界』 
    14日、NHK教育日曜美術館 「私とベイコン」三木多聞,西橋正泰,藤堂かほる 
   10月≪編集にあたって≫山口、中村雄『叢書・文化の現在』内容見本
   11月、蓮實重彦大江健三郎論』青土社
   11月-翌8月    『大江健三郎同時代論集』全10巻 岩波書店
   11月、ラスプーチン『生きよ、そして記憶せよ』原卓也安岡治子訳に推薦文。
     18日、ソ連のイリーナ・グリーヴニナが当局に逮捕された件で、父親のグリーヴニン宛に安岡章太郎原卓也江川卓とアピール文を送る。
   12月<楽しさということ--中野重治一側面>『新日本文学
    横浜での「アジア平和研究国際会議」基調報告で英語による講演「核時代の日本人とアイデンティティー」。
1981年1月<宇宙のへりの鷲--ついに書かれなかった小説を批評する>『新潮』(同時代)    46歳
    <核時代の日本人とアイデンティティー>『世界』(核の大火)
    <白鳥の宇宙モデル (正宗白鳥--生誕百年によせて)>『文學界』 
    9日<知識人は流れをどう捉えているか--100人アンケ-ト (検証・「戦後を疑う」論理) >『朝日ジャーナル
   2月<明日の被爆者(論壇)>『世界』(同時代)
    <かつてない深甚な恐怖が鳥をとらえた>  『個人的な体験』新潮文庫
    「ロシア手帖」主催の「ドストエフスキー死後百年祭」(渋谷山手教会)で講演。
   3月<媒介する小説>『波』
   4月<青年へのドストエフスキー--祝祭的な表現の構造>『世界』
    ≪小説とエッセイの間『同時代論集』をめぐって≫柴田翔『図書』
    光が高校生として入る青鳥養護学校の入学式に出る。
    日本英文学会で講演「作家としてフォークナーを読む」
      5月24日、駒場祭で講演「小説と現実をむすぶ」そのあと安江良介同席で東大新聞のインタビュー、蓮實重彦に触れる。
   6月<核シェルターの障害児--青年へ,憲法について (改憲論の本質を劈く>『世界』
    8日号インタビュー「東京大学新聞」 
   7月<作家としてフォークナーを読む>(核の大火)『文學界』 
    <小説と現実をむすぶ>『図書』(核の大火)
   8月<フィクションの悲しみ>(核の大火)『現代思想
   10月<子規 文学と生涯を読む>(核の大火)『文學界』 
    ≪核・軍縮エコロジー安江良介『読書のいずみ』
    18日、小樽市の全道肢体不自由児者福祉大会で講演「「優しさ」を不可能にするものと闘うために」(核の大火)
   11月「『雨の木』を聴く女たち」『文學界
     <核状況のカナリア理論>(核の大火)『世界』
     ≪パンソリのコスモロジー≫中上、山口、草野妙子 『海』(中上健次全発言集成6)

     1,8,15,22,29日(日曜)多摩市の市民講座の山口昌男の講座を聞く。その後、家に山口を招いて話をする。
   12月5日、京大の法学政治学ゼミナールで講演「核の大火と人間の声」
     12日、北大図書刊行会・生協主催で講演「核時代を生き延びる道を教えよ」(核の大火)
    「ドストエフスキーから」(核の大火)『現代のドストエフスキー』新潮社
1982年1月「『雨の木』の首吊り男」『新潮』      47歳
    「文学者の反核声明」に呼びかけ人として名を連ねる。
    柳田邦夫「週刊誌ジャック」『現代の眼』で、大江が安原顕による批判に怒り、嶋中鵬二に電話して中公の仕事はしないと告げたとして批判。
   2月≪歴史小説の新手法--「流離譚」をめぐって≫安岡章太郎文學界』(安岡章太郎15の対話)
    『現代の眼』に投稿、手紙を書いただけだと反論。
   3月「さかさまに立つ『雨の木』」『文學界
                    『ピンチランナー調書』新潮文庫
    3日、「核戦争の危機を訴える文学者の集会」に参加。
    テレビ朝日の企画でヨーロッパの反核運動を取材。
   4月、岩波ブックレット創刊、第一号『反核ー私たちは読み訴える』の編集委員。ほかに生島治郎中野孝次伊藤成彦井上ひさし小田実木下順二小中陽太郎夏堀正元
   5月「泳ぐ男‐水の中の『雨の木』」『新潮』
    <中年の「脆弱性ヴァルネラビリティ)」をひきずって」(最後)『図書』
    ゆかり「父のこと」『伊丹万作全集』第一巻月報(筑摩書房
             『核の大火と『人間』の声』岩波書店
   6月「いま現在の沖縄戦、われわれの明日」牧港篤三『沖縄の悲哭』(集英社
   7月「無垢の歌・敬虔の歌」『群像』
    ≪「雨の木」連作の光と影≫スーザン・ネイピア『波』
            『『雨の木』を聴く女たち』新潮社
   8月2日、NHK教育「夏のエッセー・マイブック「オーウェル評論集」「動物農場原田美枝子。 
    3日、同「「野性の棕櫚」フォークナー著 ほか
   9月「怒りの大気に冷たい嬰児が立ちあがって」『新潮』
    ≪小説作法-4-≫中野孝次文學界』(『対談小説作法』文春)

    「はい、山口さん、私はこのように聞きました・・・」山口昌男文化人類学への招待』岩波新書
   10月<反核を明日につなぐ--広島長崎・オイロシマ往還 (歴史の問い--八・一五と教科書)>『世界』
    <水田九八二郎「原爆を読む」--核の戦後史(大図書館)>『文藝春秋』 
    愛媛に帰っているとガルシア=マルケスノーベル賞受賞について感想を求める電話がかかってくる。
   この年、井上靖会長の要請で日本ペンクラブに復帰。
    18日、重藤文夫死去、79歳。
    24日、池袋コミュニティ・カレッジ公開講座「詩の冒険・小説の冒険」で谷川俊太郎と対談、司会・三浦雅士
   11月、講演「さまざまな教育の思い出」
    10日、レオニード・ブレジネフ死去、アンドロポフが書記長となる。
   12月≪原理としての子ども (子どもの宇宙) ≫山口昌男 『海』臨時増刊(知のルビコンを超えて)
    ≪言葉が共有する領域--公開講座 詩の冒険・小説の冒険より≫谷川俊太郎,三浦雅士現代詩手帖
        『広島からオイロシマへ '82ヨーロッパの反核平和運動を見る』岩波ブックレット 
1983年1月「蚤の幽霊」『新潮』          48歳
    「落ちる、落ちる、叫びながら…」『文藝春秋
   2-3月<想像力新論>『図書』
   3月「魂が星のように降って、?骨のところへ」『群像』
    ≪同時代の「道行」≫佐多稲子『波』
    『『雨の木』を聴く女たち』で読売文学賞を受賞。
   4月「鎖につながれたる魂をして」『文學界
    <「運動」のカテゴリー (小林秀雄追悼記念号) >(最後)『新潮』 
    ≪大説「南」を読む (金芝河特集) ≫鶴見俊輔 『海』
   4-84年12月<小説のたくらみ、知の楽しみ>『波』
    20日から5月25日、毎週水曜日岩波市民セミナーで連続講義「日本現代のユマニスト渡辺一夫を読む」
   5月≪伝えられたもの (追悼小林秀雄) ≫大岡昇平文學界』(大岡全集別巻)
                   『洪水はわが魂におよび』新潮文庫
   6月「新しい人よ眼ざめよ」『新潮』
    <「光」 (追悼尾崎一雄)>(最後)『新潮』
    筒井康隆「極私的大江健三郎論」『國文學解釈と教材の研究』
               『新しい人よ眼ざめよ』講談社
    4日、森田芳光家族ゲーム」封切、割とすぐに観る。
    23日≪大江健三郎氏に聞く≫桐原良光 「毎日新聞夕刊」
   7月≪人間の条件の根底にあるもの≫長岡弘芳    編『何とも知れない未来に』集英社文庫
    電車内で隣の人の新聞でフランシス・ベーコンの絵を見、そのまま東京国立近代美術館へ展覧会を観に行く。(親密な手紙)
   秋、カリフォルニア大学バークレー校に研究員として滞在。
   (うつ病で苦しむ)
   「ぼくはもうだめだ、二十年も生きちゃ困る」
   9月<芥川賞選評> 『文藝春秋
    1日、大韓航空機撃墜事件。
    宮本信子の父・眞吉が死んで、伊丹が喪主を務める。
   11月「河馬に噛まれる」『文學界
    本多勝一菊池寛賞をあらためて拒否しなおす」『潮』
     24日、本多勝一から『貧困なる精神15』とともに手紙。
   12月 『新しい人よ眼ざめよ』で大佛次郎賞受賞。森安信雄が授賞式に。
1984年1月「揚げソーセージの食べ方」『世界』        49歳
    「グルート島のレントゲン画法」『新潮』
    1日△≪明日を開く文学≫公房『福島民報』(公房全集27)
    1日‐5月1日≪往復書簡 核時代のユートピア堀田善衛朝日新聞」(堀田全集14)
   2月9日、アンドロポフ死去、チェルネンコ書記長。
   3月「見せるだけの拷問」『群像』
   3-85年2月<再び状況へ>『世界』
   4月  『日本現代のユマニスト渡辺一夫を読む』岩波セミナーブックス
    25日、林達夫死去、87歳。
   5月「メヒコの大抜け穴」『文學界
    「もうひとり和泉式部が生まれた日」『海』
    7-9日、日仏文化サミット・国際シンポジウムに参加。
    14-17日、国際ペン東京大会。ロブ=グリエ、スタイロン、シリトー、ヴォネガットら。講演「核状況下における文学 なぜわれわれは書くか」。
    18日、ペンクラブ理事会で反核声明。江藤淳が反対し、論争となる。
    26日、NHK教育「テレビシンポジウム 「現代文学の可能性」ウィリアム・スタイロン,アラン・ロブ・グリエ,加藤秀俊 
   6月<大いなる「妹の力」 (野上弥生子の一世紀) ><受賞の言葉>『新潮』
    ≪南島歌謡をめぐって≫外間守善,山口昌男 『文学』(沖縄の文学・芸能)
    「河馬に噛まれる」で川端康成文学賞受賞。
    7日、NHK教育「教養セミナー 国際ペン大会記念・テレビ対談(4)現代小説のめざすもの」カート・ボネガット
    10日、『諸君!』が反核声明を批判、本多勝一文藝春秋で仕事をする大江を批判する。
    15日、『諸君!』編集長・堤堯が『文藝春秋』編集長になると聞き千葉源蔵に芥川賞委員辞任を申し出る。
    23日、本多から追って手紙。
    27日、本多へ返事。
    森安信雄が病に倒れ、見舞いに行って『渡辺一夫を読む』を渡す。
   7月≪テクノロジー文明と「無垢(イノセンス)」の精神 (国際ペンと来日作家) ≫カート・ヴォネガット 『新潮』
    芥川賞選考会を欠席、委員を辞任。
   8月「その山羊を野に」『新潮』
    「河馬に噛まれる part2(『河馬の勇士』と愛らしいラベオ」)」『文學界
    <明日に届く林達夫>(最後)『図書』
                      『同時代ゲーム新潮文庫 
   9月「『罪のゆるし』のあお草」『群像』 
    28日、森安信雄死去、68歳。
   10月、テキサス州オースティンへ旅行、テキサス大学アジア諸国の文学者を招く会議で講演。帰途バークレー
   11月「いかに木を殺すか」『新潮』
     伊丹十三監督「お葬式」公開。
   井上靖を団長とする中国訪問に参加。吉永小百合竹西寛子。新疆、ウルムチトルファン。帰路、西安、北京、上海で巴金に会う。
   12月「『浅間山荘』のトリックスター」『へるめす』
    岩波書店から『へるめす』創刊、編集委員として山口昌男中村雄二郎大岡信磯崎新武満徹と名を連ねる。
    中国作家・浩然を招く。
    ≪ユートピア探し物語探し≫井上ひさし、筒井『へるめす別巻』
            『いかに木を殺すか』文藝春秋
           『『世界』の40年 戦後を見直す、そして、いま』安江良介対談
岩波ブックレット 
    5日、文藝春秋川本三郎のインタビュー。  
1985年1月<旅行器としての樹木>(最後)『新潮』       50歳
    18日号『朝日ジャーナル』に投書「筑紫氏に問う」。
    25日号『朝日ジャーナル』で筑紫「『オオザッパな編集長』について」。
   2月≪森の子供の宇宙感覚≫川本三郎インタビュー 『文學界
    (江藤は子供だと言う)
             『生き方の定義‐再び状況へ』岩波
     「筒井康隆はいかに独特か」『筒井康隆全集 第25巻』新潮社
    24日、筒井康隆から礼状。
    26日、筒井に返事。「旧家の出と聞いて…」
   3月「河馬の昇天」『へるめす』
    6-7日、NHK教育「教養セミナー「対談 司馬遼太郎―師弟の風景―松陰・子規をめぐって」
    10日、チェルネンコ死去、ゴルバチョフ書記長。
    22日号『朝日ジャーナル』「読者から」欄に本多勝一の「大江健三郎氏に問う『オオザッパ』とは」が載る。
    22日、津島佑子の子・大夢事故死。
    30日、野上弥生子死去、99歳。
    カリフォルニア大学サンタクルス校へ一カ月ほど行く。講演。   
    津島佑子の子供の事故死を知って手紙を書く。
   4月         『小説のたくらみ、知の楽しみ』新潮社
    5日、ETV8「野上弥生子の1世紀」―時代と文学― 佐多稲子,大岡信,小田切進 
     『朝日ジャーナル』「読者から」欄に「本多氏にー私信の全文公開を」
    19日号『朝日ジャーナル』に本多との往復書簡掲載。
   6月「四万年前のタチアオイ」『へるめす』
   6,9月≪知の愉しみ≫林達夫、山口 同(林達夫座談集)
     <確信されたエロス (追悼 野上弥生子先生) >(最後)『世界』
   7月29-8月1日、NHK教育「ETV8 「戦後を問う」―大江健三郎・テレビ往復書簡― 井上ひさし坂本義和山崎正和中沢新一 
   8月〇≪言葉、そして文学へ≫富岡多恵子 『群像』
    〇≪想像力と女性的なもの≫津島佑子 『世界』
    △≪プラトニズム≫村上陽一郎、斎藤忍随『新岩波講座哲学14』
    日航機墜落事故
   9月「サンタクルスの『広島週間』」『へるめす』 
    「死に先だつ苦痛について」『文學界
    トロントのハーバー・フロント文学祭で講演。ゴールディングボールドウィン、エルトン・キージー
    6日、NHK教育市民大学 文化人類学の視角 「祝祭と想像力」 山口昌男
   10月「生の連鎖に動く河馬」『新潮』
     ≪師弟の風景 吉田松陰正岡子規司馬遼太郎 『別冊文藝春秋』(司馬対話選集2)
      (江藤・蓮實対談『オールド・ファッション』)
   12月<M/T 生涯の地図の記号>『へるめす』
              『河馬に噛まれる』文春 
     18-20日の立教大でのシンポジウム「戦後日本精神史の再検討」で講演「戦後文学から今日の窮境まで」
1986年1月<カーヴ湖居留地の「甘い草(スイート・グラス)」>(最後)『新潮』 51歳
    ≪小説の面白さ イマジネーションと言葉の力≫井上、筒井『へるめす』
    13日、山口、中村雄と林達夫について鼎談。
   2月              『「雨の木」を聴く女たち』新潮文庫
   3月<戦後文学から今日の窮境まで--それを経験してきた者として>(最後)『世界』
   5月≪生ける林達夫≫中村雄、山口『林達夫座談集・世界は舞台』岩波
   6-9月「M/T」『へるめす』
                      『新しい人よ眼ざめよ』講談社文庫
   7月10日、大岡昇平との対談。
   8月≪小説についての幸福な夢想≫筒井『波』(筒井康隆スピーキング)
   9月<戦後文学から新しい文化の理論を通過して>(最後)『世界』
    〇≪祝祭と想像力≫山口『文化人類学の視角』岩波
   10月〇≪純文学の危機を超えて≫大岡昇平 『群像』
              『M/Tと森のフシギの物語』岩波
   11月14日、円地文子死去、81歳。
   12月「ロマン主義と現代批評(日本英文学会大会報告) 」山内久明,出淵博,上島建吉,磯田光一 『英文學研究』
   12-翌6月「革命女性」(最後)『へるめす』
   12月2日、青山葬儀所で円地葬儀、弔辞。永井路子司会、田中澄江、有光次郎、ドナルド・キーン河野多恵子三田佳子
1987年1月<ポスト戦後世代と正義>(最後)『世界』        52歳
    <ゲームと物語>『文学』
    <「体感」と「崩れ」島尾敏雄>(最後)『新潮』
   2月<「読む」と「書く」の転換装置>『新潮』
    モスクワのゴルバチョフ主導の円卓会議に出席。帰途パリへ寄りアンヌ・バヤール・坂井の通訳で渡辺一夫の話をする。
   3月        『昭和文学全集 大岡昇平 埴谷雄高 野間宏 大江健三郎小学館
   4月、日本ペンクラブ理事となる。
    井上靖の、パリ、ストラスブルク、フィレンツェの旅に同行。
   6月<新しい小説のために--「集落の教え」にそくして>『群像』
     日本近代文学館理事となる。
   8月△≪文学と建築の世界風景--<集落の教え>をめぐって≫原広司『建築文化』
   9月<作家の側から (パリ・シンポジウムからの報告) >『文學界
    <『明暗』の構造><渡辺一夫の今日性>(最後)『へるめす』
    1日、三島由紀夫賞創設が発表。選考委員として江藤淳筒井康隆中上健次宮本輝とともに。引き受けたことで大岡に怒られる(新井)
   10月≪新しい文学のために≫島田雅彦 『群像』
           『懐しい年への手紙』講談社
                    『いかに木を殺すか』文春文庫 
     講演「信仰を持たない者の祈り」東京女子大(習慣)。二宮フサの依頼か。
    妻と紀伊国屋ホールで井上ひさし「雪やこんこん」を観るか。
   11月22日、NHK教育「こころの時代―宗教・人生―「信仰を持たない者の祈り」
     29日、大韓航空機爆破事件。
   12月≪彷徨する現代人の魂の行方『懐かしい年への手紙』≫司修『新刊ニュース』
    ‐88年9月「キルプの宇宙」 『へるめす』
    沖縄へ行く。
    29日、石川淳死去、88歳。
 
1988年1月<最後の小説>『新潮』        53歳
            『新しい文学のために』岩波新書
    9日、NHK教育「ビッグ対談「私たちはいま,どこにいるか」―主体性の再建― 隅谷三喜男
   2月<短篇にはじまり、… (短篇小説を考える>『文學界
    ≪文学の未来に向けて≫井上、筒井『へるめす』
    12日、赤坂・辻留で石原、江藤、開高と座談会。
   4月              『万延元年のフットボール講談社文芸文庫 
         『私たちはいまどこにいるか 主体性の再建』隅谷三喜男対談 岩波ブックレット 
   5月「ベラックワの十年」『新潮』
    ≪文学の不易流行≫江藤淳開高健石原慎太郎 同
    ≪群像の短編名作を読む≫大岡、吉行、大庭『群像』
             『「最後の小説」』講談社
          『ユートピア探し物語探し 文学の未来に向けて』井上ひさし, 筒井康隆共著 岩波書店
     20日三島賞選考。高橋源一郎を選ぶ。
   7月<三島由紀夫賞選評>『新潮』江藤と同席する不快を表明する。
          新潮カセット講演『時代と小説・信仰を持たない者の祈り』
    〇≪小説家の”声”、演奏家の”声”≫神崎愛、荘村清志『音楽の友』
     講演「癒し、恢復と文学」大阪(習慣)
    20日NHK教育「ETV8 賀川豊彦を知っていますか―生誕100年目の証言」隅谷三喜男 
   9月      『キルプの軍団』岩波
    講演「文学からリハビリテーションを考える」東京(習慣)
    20日大岡昇平の傘寿と金婚式を祝う会がホテルオークラで。水上勉丸谷才一中野孝次城山三郎篠田一士いいだ・もも、菅野昭正、秋山駿、中村稔。
   10月「夢の師匠」『群像』
     6日、日本ペンクラブ遠藤周作会長)新宿の紀伊国屋ホールで「国家秘密法」--私たちの言論表現は守られているか?」のテーマでトーク・イン。
     講演「日本の知識人」ルーヴァン大学(習慣)
    妻とフィレンツェに行き「新生」めぐりをし、ウフィツィ美術館に行く(三善)
   11月2日号『ダ・カーポ』から中上健次の文藝時評(一年)
   11月29日、ETV8「シリーズ 授業」(2)書きながら考える” 大瀬中学校
         25日、山の上ホテル富岡幸一郎のインタビュー。
   12月≪三善晃対談シリーズ・現代の芸術視座-12-「最後の小説」・期待の地平≫『音楽芸術』(「対話十二章」)
     <文学からリハビリテーションを考える (第16回リハビリテーション世界会議から>『総合リハビリテーション
   12-90年9月≪オペラをつくる≫武満『へるめす』
     <アラブのエクリチュール>『現代アラブ小説全集 カナファーニー』河出
     25日、大岡昇平死去、79歳。
     26日、NHK大岡昇平さんをしのぶ」埴谷雄高 
     芹沢光治良から『神の計画』が送られてくる。
1989年1月「人生の親戚」『新潮』        54歳
    1日、芹沢宛お礼の手紙(『人間の幸福』)
    7日、天皇死去。子どもの未来・大人の生きがい 「生涯学習時代とテレビ」―教育テレビ30周年記念」河合隼雄,中野収 
    読売文学賞選考委員となる。
    23日、NHK教育「日本再発見「樹々のささやきが聞こえる」如月小春 
   2月≪大江健三郎と「キルプの軍団」≫(インタビュー文芸時評--小説の読み方作り方)」富岡幸一郎 『すばる』(作家との一時間)
     5日、NHK教育日曜美術館「魂の歌~ウィリアム・ブレイク」岡部昌幸 
                      『河馬に噛まれる』文春文庫 
   3月「マッチョの日系人」『文學界
    〇≪大岡昇平・人と文学 (追悼 大岡昇平) ≫埴谷雄高,安岡章太郎 『群像』(埴谷全集17)
    <類い稀な文学的現象 (大岡昇平--人と文学) >『新潮』
    <日本人の短篇 (芥川賞100回記念特別号)>『文學界』 
    16日、NHK 対論・昭和と日本人4「時代を見つめる精神」堀田善衛 
   4月≪人生の悲しみ≫澤地久枝『波』
    桜麻が東大理科に入学。
                 『人生の親戚』新潮社
                   『小説のたくらみ、知の楽しみ』新潮文庫
    22日、NHK教育「対論・時代を読む「芸術家・その内なる声」ミヒャエル・エンデ
    日本ペンクラブ会長に大岡信が就き、梅原猛、大庭みな子とともに副会長となる。
    29日、長兄・昭太郎死去、60歳。喪主は長男・恭輔。
   中上・柄谷対談(すばる)
   5月11日、ベルギーでユーロパリア文学賞受賞。
    19日、阿部昭死去、54歳。
   6月4日、第二天安門事件
   7月<見事な不機嫌 (阿部昭を悼む) ><三島賞選評>『新潮』
   7-8月≪文学を通して障害の受容を考える≫上田敏作業療法ジャーナル』(自立と共生を語る)
   7-翌3月「再会、あるいはラスト・ピース」(治療塔)『へるめす』
   8月〇≪生と死の境界、そして文学≫河合隼雄 『文學界』(河合隼雄全対話4)
    14日、長岡弘芳死去、58歳。
   9月<『レイテ戦記』解説>         『大岡昇平の世界』岩波
   10月<大岡さんは生きている> 大岡『昭和末』岩波(嘆きもて)
     モスクワの『外国文学』(編集長・アイトマートフ)のシンポジウムに外国人編集者として参加。
     17日、イリーナ・リヴォーワ死去、74歳。
     18日、ブリュッセルのユーロパリア賞受賞式に出席し講演。「日本の周縁とヨーロッパ」(習慣)
     28日、ノーベル賞受賞者フォーラム(青山学院大学)「小説の過去・現在・未来」。クロード・シモン蓮實重彦
     講演「アフリカへ、こちらの周縁から」京都
   11月≪『孔子』について≫井上靖 『新潮』
     10日、ベルリンの壁崩壊。
     11日、大瀬村で「大江・荘村清志in 大瀬村」羽田から光、新井敏記と飛ぶ。一泊。(丸メガネ)
     12日、「読売新聞」で蓮實、シモンとの様子が掲載される。
   12月<アフリカへ、こちらの周縁から>『群像』(習慣)
     9日、開高健死去、58歳。福岡空港で飛行機を降りて知る。
     18日、NHKスペシャル「サハロフの遺言・大江健三郎との対話」

1990年1月<治療塔>『新潮』      55歳
    ≪私の愛する哲学≫安野光雅『ちくま』
    1日≪日本を考える≫網野善彦朝日新聞
    10-15日、カリフォルニア大学サンディエゴ校のシンポジウムに参加して講演「ポストモダンの前、われわれはモダンだったのか?」(習慣)
    柄谷行人中上健次と話す。
   2月〇≪現代を生きる作家 (開高健追悼)≫石原慎太郎 『新潮』
   3月「案内人(ストーカー)」『Switch』        
         <最初の人生の難所の思い出>                『叫び声』講談社文芸文庫
                  『M/Tと森のフシギの物語』同時代ライブラリー
    菜摘子が上智大学を卒業(河合全対話)
   4月「静かな生活」『文藝春秋
    <解説>夏目漱石『明暗』岩波文庫
      この年、昭太郎の長男・恭輔に長男・太樹が生まれる。
    20日三浦哲郎の川端賞受賞記念パーティ、東京会館井伏鱒二河盛好蔵飯田龍太安岡章太郎小沼丹
   春、講演「人生の習慣」
   5月「この惑星の捨て子」『群像』
             『治療塔』岩波
     1-2日≪資本主義について≫浅田彰 「朝日新聞夕刊」
    26日、『人生の親戚』で伊藤整文学賞受賞。
    26日、NHK衛星「わが青春の吉永小百合
   5月、丸谷とともに芥川賞選考委員に復帰。
   6月「自動人形の悪夢」『新潮』
    9日、カリフォルニア大学アーヴァイン校で津島佑子と対談。
   7月「小説の哀しみ」『文學界
    <三島賞選評>『新潮』
    20日、自宅で新井敏記のロング・インタビュー。
   8月「家としての日記」『群像』
    3日、NHKスペシャル「世界はヒロシマを覚えているか~大江健三郎・対話と思索の旅」
   9月≪現代文学への通路≫ (現代SFの冒険)高橋源一郎 『新潮』
    <芥川賞選評>『文藝春秋
    金芝河にインタビューするため初の韓国入り。政治的活動をしないという誓約をさせられる。
   9-11月≪大江健三郎「未来を愛する人の物語」新しい小説家のために≫新井敏記 『文學界』    (四角メガネ)
   10月、フランクフルト図書市に参加し、講演「なぜフランクフルトに来たか?」を行う(習慣)
        『静かな生活』講談社 
        『自立と共生を語る-障害者・高齢者と家族・社会』三輪書店(正村公宏、川島みどり、上田敏共著)
     8日、NHKセミナー―現代ジャーナル―「大江健三郎・対話の旅」ロバート・リフトン 
      ≪ドイツ統一を軸に≫ギュンター・グラス朝日新聞夕刊」
     9日、同 金芝河
     10日、同 ウラジーミル・グーバレフ、チンギス・アイトマートフ
     11日、同 F・ダイソン、C・セーガン
     26日、都留重人らと国連平和協力法への反対声明。
   11月≪作家になることと作家でありつづけること≫津島佑子『へるめす』
               武満徹共著『オペラを作る』岩波新書
                   『キルプの軍団』同時代ライブラリー
   12月1日、NHK教育「土曜フォーラム「世界の転換期と文学表現」―フランクフルト・ブックフェアから― ミヒャエル・エンデ,津島佑子 
     8日、NHKスペシャル障害者の日開かれた社会へ 第2部―社会参加への道・アメリカとイタリアからの報告と討論―「アメリカ障害者法の衝撃,心の病い・イタリア・トリエステの試み」原田泰治、調一興
     10-19日≪1990年は問いかけた≫久野収宇沢弘文東京新聞夕刊」
     17-19日≪対談≫安部公房 「朝日新聞夕刊」(公房全集29)
   日本臓器製薬の季刊誌『SAWARABI(早蕨)』2号(冬季)から「恢復する家族」を連載。(95年まで)ゆかりが挿絵を描く。
1991年1月「宇宙大の『雨の木』」『Literary Switch』  56歳
    ≪作家の生成≫カズオ・イシグロ 同
    <古典の経験 (「古典」とは何か) >『新潮』
    ≪ドイツと日本の同時代--多様性・経験・文学≫ギュンター・グラス 『群像』
    ≪過去と未来を結ぶ--地球的アイデンティティの構築を≫坂本義和 『世界』
   1-92年8<新年の挨拶>『図書』
    2日、野間宏死去、75歳。
    4日、葬儀、光明寺会館。井上光晴堀田善衛小田実木下順二
    5日≪世界を視野に≫筒井康隆時事通信系各紙」(筒井スピーキング)
    7日<読むことの「予戒」 書き継がれる文学の闇か微光か>「読売新聞」
    湾岸戦争への日本の協力に抗議声明。
    講演「考える書き方」高松(習慣)菊池寛の話。
    29日、井上靖死去、83歳。
    31日、加藤吉弥死去、60歳。
   (義母が同居している。菜摘子は大学図書館で働く)
   2月           『みずから我が涙をぬぐいたまう日』講談社文芸文庫
    2日、四国を語る~日本列島ふるさと発スペシャル ―安岡章太郎大江健三郎― ~松山市太山寺で録画~
    20日青山葬儀所井上靖葬儀。大岡信千田是也
   3月〇≪「キルプの軍団」にどう対応するか≫河合隼雄 鶴見俊輔『潮』(「時代を読む」)
    <ふたつの電話の間 (追悼・野間宏) >『新潮』
    <芥川賞選評>『文藝春秋
    講演「小説の知恵」(習慣)
   4月〇≪「人生の親戚」との付き合い方≫河合 鶴見 『潮』(「時代を読む」)
    桜麻が農学部に進学。
   5月、三島賞選考で、中上にシャモワゾーを貸そうとして拒否されるか。
   7月「火をめぐらす鳥」『Literary Switch』
    <三島賞選評>『新潮』
    14日、NHK 日曜インタビュー「人生の習慣」」
   8月<井筒宇宙の周縁で--「超越のことば」井筒俊彦を読む>『新潮』
    国際比較文学会(青山学院大学)で、マサオ・ミヨシ、ハルトゥーニアン、柄谷行人と討議。記録に残らず。
   9月<芥川賞選評>『文藝春秋
   10月              『厳粛な綱渡り』講談社文芸文庫 
     5日、NHK衛星「山田洋次の世界(1)「家族・幸福・映画を語る」永瀬正敏,和久井映見,三國連太郎 
     安部公房とともにノーベル賞候補と報じられる。
     17日<A・ストルガツキーを悼む SF通じ人類の業を洞察>「読売新聞」
     31日、NHK教育「現代ジャーナル」芦原義信,井上荒野 
   11月「『涙を流す人』の楡」『Literary Switch』
    ≪危機の世界をどう捉えるか 文化理論と文学の可能性≫ロブ・ウィルソン、ドナルド・ピース『へるめす』
                『治療塔惑星』岩波 
   12月          『ヒロシマの「生命の木」』NHK
                      『持続する志』講談社文芸文庫 
     25日、ソ連崩壊。
          山荘で二日にわたって立花隆と対談。NHK「21世紀への思索」のため。
     26日、文庫エッセイの解説を書いた栗坪良樹が担当編集者と来訪。
1992年1月「僕が本当に若かった頃」『新潮』          57歳
   1-翌8月<新年の挨拶>『図書』
    ≪文学的創造を問う≫ミッシェル・トゥルニエ  『群像』
    1日、NHK「21世紀への思索 「大江健三郎立花隆
   2月「マルゴ王妃のかくしつきスカート」『文學界
            新潮カセット『ほんとうに知的な生き方―野上弥生子とその時代』
                    『鯨の死滅する日』講談社文芸文庫
    原広司の設計による大瀬中学校の校舎が完成。
   3月<芥川賞選評>『文藝春秋
   4月「茱萸の木の教え・序」『群像』
   4月-94年3月<文藝時評>「朝日新聞
   4-5月≪人間存在の破壊されないこと≫新津恵子、大島力『信徒の友』
   5月     『僕が本当に若かった頃』講談社
    後半、シカゴ大学に滞在。ノーマ・フィールド。
    家にミヨシとキルシュネライトが来る。
    22日、シカゴ大学百年祭記念講演「日米の新しい文化関係のために」(あいまい)。伊丹十三がヤクザに襲撃される。シカゴでこれを聞く。
    帰路、カリフォルニア大学ロサンゼルス校で講演。エドワード・サイードと知り合う。
    ハワイ島オアフ島の大学で講義。
   6月2日、よみうりホールで講演「菊池寛と人間的興味の小説」。
    9日、「揺れ動く」の日記の日付。
   7月<三島賞選評>『新潮』
    20日≪核の現状とヒロシマの役割≫大牟田稔、栗原貞子、豊田利幸、横原由紀夫「朝日新聞
    30日、高橋虔死去、89歳。
   8月<菊池寛と人間的興味(ヒューマン・インタレスト)の小説>『文學界』 
    12日、中上健次死去、46歳。
    22日、千日堂会館で葬儀、都はるみ安岡章太郎
   9月<芥川賞選評>『文藝春秋
           『人生の習慣(ハビット)』岩波
    帰省し原広司設計の校舎を見る。
    7日、講演のため北欧へ出発。
    8日、スウェーデンストックホルム。「北欧で日本文化を語る」(あいまい)
    10日、イェーテボリ
    15日、フィンランドヘルシンキ
    16日、エストニア・タリン。
    18日、デンマークコペンハーゲン
   10月      『文学再入門』NHK
                    『懐しい年への手紙』講談社文芸文庫
     5日ー12月21日「NHK人間大学 文学再入門」
     8日、大瀬中学校落成記念「大瀬村の会」で講演、音楽会、荘村清志、江戸京子、瀬川祥子。デレク・ウォルコットノーベル文学賞受賞。
     10日、NHK衛星「シンポジウム「環境と調和する文明」佐和隆光,中村桂子,石弘之,広瀬弘忠 
     19日、大江光の初演奏会で講演。銀座ヤマハホール
     21日、『大江光の音楽』発売、ベストセラーとなる。
     24日、沖縄学会国際シンポジウムで講演。
     29日、ヤマハホール、光の初演奏会で講演。
   11月5-6日≪作家と現代≫ ゴーディマー「読売新聞夕刊」
1993年1月「燃えあがる緑の木 第一部 『救い主』が殴られるまで」『新潮』 58歳
    <ゴーディマとのこのような出会い> 同
     ≪小説・死と再生≫古井由吉 『群像』(「小説家の帰還」)
    3日、NHK「新春メッセージ」
    4-11日≪時代の風景 文学、建築そして森≫原広司東京新聞夕刊」
    22日、安部公房死去、68歳。読売文学賞選考会。
    25日、自宅で密葬に参列。
   2月               『壊れものとしての人間』講談社文芸文庫
    3日、ETV特集ヒロシマの心忘るまじ」-森滝市郎の日記から」大牟田稔、沼田鈴子
   3月<芥川賞選評>『文藝春秋
                      『小説の方法』同時代ライブラリー
    桜麻が東大卒業、大学院に進む。
   4月≪真暗な宇宙を飛ぶ1冊の書物≫ (安部公房追悼特集) 辻井喬 『新潮』
    12日、被爆者援護法を求めるデモに参加。
   5月<自立ということの意味>『自立ということの意味』東京都精神薄弱者育成会編 大揚社
    9日、「看護フォーラム」有楽町マリオン朝日ホール「看護する看護される、分かりあう分かちあう」静岡県立大短大部教授・佐藤登美と対談。
    25日、ニューヨーク公共図書館で講演。「回路を閉じた日本人でなく」(あいまい)
   6月≪ロマン主義の文学と美術≫高階秀爾『世界美術大全集20ロマン主義』月報、小学館
     9日、家族でヨーロッパへ旅だつ。ジュネーヴのホテル。
    ザルツブルクでコベンツルに一週間滞在。音楽祭で「ニーベルンゲンの指輪」
    ウィーンで三日間。
    パリのオルセー美術館
     26日、帰国。
   7月10日、井伏鱒二死去、95歳。
 『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』によりイタリアのモンデッロ賞受賞。
   9月<揺がぬ「黒い雨」> (井伏鱒二追悼)『新潮』
     <芥川賞選評>『文藝春秋
    ベルリン・ドイツ・オペラの来日公演のパンフレットにエッセイ。
     24日、安部真知死去。
   10月               『同時代としての戦後』講談社文芸文庫 
     ≪文庫こそ日本の誇り≫井上ひさし『IN POCKET』
     14-18日、シシリー島を旅しモンデッロ賞を受ける。
   11月≪物語る者として『燃えあがる緑の木』≫小森陽一『波』
    ≪解発する文学『もぐら日記』から安部公房を読む≫武満、辻井喬『へるめす』
          『「救い主」が殴られるまで』新潮社
    30日、一柳慧の妻・松江須弥子死去、60歳。弔辞を読む。
   12月     『新年の挨拶』岩波 
     9日、講演「人を癒す文化」国際障害者年記念ナイスハート基金、「障害者の日有楽町朝日ホール障害者の日・記念の集い」。
1994年1月≪「救い」としての文学≫池澤夏樹 『新潮』   59歳
    25日、原水爆禁止国民会議議長・森滝市郎死去、95歳。
   3月<芥川賞選評>『文藝春秋
   4月7日、大岡信と対談。
    28-5月27日 NHK教育フランス語講座
   5月10-11日≪断筆≫筒井康隆朝日新聞夕刊」(筒井康隆スピーキング)
   6月「燃えあがる緑の木 第二部 揺れ動く(ヴァシレーション)」『新潮』
    7日、柄谷行人と対談。
    8日、青山学院短大で講演。
    21日<死者と共に生きる 敗戦50年、生き残った者の道>「読売新聞」
    26日、旭川で光の音楽の録音。ゆかり。発作。
    27日、大江、旭川へ。海老彰子、加藤知子、小泉浩
    29日、青山学院短大で講演。
   7月<三島賞選評>『新潮』
    30日、広島の原爆記念ドームへ光を連れていく。
   8月≪詩の言葉、詩の思想≫ 大岡信國文學 解釈と教材の研究』
    ≪好きな言葉・自分の引用≫中沢けい『波』
                          『人生の親戚』新潮文庫
    2日、広島県民文化センターで演奏会。
    6日、BSフォーラム「広島のソナタ大江光の音楽と父の言葉」~広島県民文化センターで録画。
    23日<ユマニスムに向かって>朝日新聞(嘆きもて)
   9月≪中野重治のエチカ≫ (没後15年)柄谷行人『群像』
    <芥川賞選評>『文藝春秋
     7日、ETV特集「「父の日記を読む」(3)"敗戦日記"~フランス文学者・渡辺一夫の戦争」久野美子
     18日、NHKスペシャル「「響きあう父と子」-大江健三郎と息子光の30年」
   『大江光ふたたび』発売。
   長男光の作曲家としての成功を期に小説執筆の終止を宣言。
   10月5日、国際医療フォーラム、丸の内ホテルで基調講演「癒される者」(あいまい)
     6日、サントリーホールで光の演奏会。講演「新しい光の音楽と深まりについて」(あいまい)。
     13日、ノーベル文学賞受賞。
     14日、文化勲章を辞退。
     15日≪大江文学の世界≫原広司北国新聞
     16日、鎌倉芸術館で光の演奏会に出席。講演「新しい光の…」。
     17日、国際日本文化研究センター「日本研究・京都会議」で講演「世界文学は日本文学たりうるか」(あいまい)。
     20日柄谷行人「日本にも「小説」はある 最も望ましい大江氏へのノーベル賞」「読売新聞」
     21日、福岡市中央区市民会館・全国青少年補導センター連絡協議会定期大会で記念講演「呼びかける力」
     27日、愛媛県功労賞も辞退と報道。
   11月≪大岡文学をめぐって‐『大岡昇平全集』刊行に際して≫埴谷、菅野昭正『ちくま』(埴谷全集18)
                    『小説の経験』朝日新聞社
                       『最後の小説』講談社文芸文庫
          3日、文化勲章授与の日、新潟市で講演会。
     20日井伏鱒二追悼一周年の記念講演会。福山市市民会館。「井伏さんの祈りとリアリズム」(あいまい)
     26日、上智大学、国際家族年記念講演「『家族のきずな』の両義性」(あいまい)
   12月        新潮カセット『私の最後の小説 燃えあがる緑の木』
     1日、「大江光ふたたび」が日本レコード大賞企画賞を受賞。
     2日から本多勝一が『週刊金曜日』で三週続けて大江を批判する。
     3日、NHK「ニルスの不思議な旅と私」
     来日したデレク・ウォルコットと対談。津田ホール。
     4日、ストックホルムへ出発。ゆかり、光。
     5日≪人間の自由、平和を求めて≫ウォルコット「読売新聞」
     7日、ノーベル文学賞受賞記念講演「あいまいな日本の私」
     11日、受賞式。シェル・エスプマルク文学賞選考委員長の紹介演説。式後ストックホルム市庁舎で歓迎晩餐会。
     12日、ラーゲルレーフの故郷を訪れる。
     13日、ルシア祭り。
     15日、帰国。
     31日、光がレコード大賞企画賞受賞。
1995年1月<世界文学は日本文学たりうるか?>『群像』   60歳
    ≪詩と散文の生れるところ≫谷川俊太郎 『新潮』
    〇≪初心から逃れられずにきた≫安江良介 『世界』
     1日≪50年目に問う戦後≫加藤周一朝日新聞
      朝日賞受賞。
               『あいまいな日本の私』岩波新書
     20日山の上ホテルでのドナルド・キーン井上靖文化賞受賞式に出席。
   2月         大江ゆかり画『恢復する家族』講談社
    1-5日、安江、坂本義和と韓国へ行き、コリアン・クリスチャン・アカデミー主催のシンポジウムを金芝河池明観らと行う。
    4日<敗戦50年と解放50年>ソウル、日韓シンポジウム(私からの)
    10日≪アジアの文学の可能性≫金芝河「読売新聞」
   3月「燃えあがる緑の木 第三部 大いなる日に」『新潮』
    <芥川賞選評>『文藝春秋
    4日、有楽町朝日ホールにて朝日賞記念講演「『知』をめぐる私の意見」。堀田善衛との対談。
        7日、柄谷と対談。
    9日≪21世紀への歩みを語る≫堀田善衛朝日新聞夕刊」
                『大いなる日に』新潮社
    井上ひさしが『週刊金曜日編集委員を辞める。
   4月≪第43章 モンテーニュの人生について≫堀田善衛 『新潮』臨増
    9日、名古屋の日本医学会で講演「癒される者として」
    22日≪世界と日本と日本人≫柄谷『大江健三郎 群像特別編集』
    22-26日、米国に滞在。
    24日、アトランタでカーター元大統領主催のノーベル賞受賞者五輪会議に出席。
    帰途ニューヨークでソンタグ、サイードらを含むパーティをジーン・スタインが受賞記念に開く。
    米原万里『不実な美女か貞淑な醜女か』に推薦文。
   4-5月、NHK教育フランス語講座」清水康子。
     衛星「癒す人癒される人  医学会総会 講演 癒される者として」
   5月<すでに懐かしい本>『本』(嘆きもて)
    1日、<日本人は年とともに改良されたか>ハーヴァード大学(私からの)
    英国へ行きウェールズを訪ねる。
    1,2「往復書簡=ギュンター・グラス朝日新聞(私からの)
    3日、NHK教育視点・論点 私の青春と憲法
    7日「天皇が人間の声で話した日」 ニューヨーク・タイムズ・マガジン
    13日、三鷹市民ホールで講演「表現することと憲法
    17,18日「往復書簡=グラス」朝日新聞
    21日、浦上天主堂で講演。純心女子短大の主催。「信仰する人たちもそうでない私らも」(私からの)
   7月、本多勝一『貧困なる精神X 大江健三郎の人生』毎日新聞社
    2日<日本人はアジアで復権できるのか>「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」
    3,4日「往復書簡=グラス」朝日新聞
   8月〇≪生の終りを見つめるスタイル--文学・社会・時代≫エドワード・サイード(木幡和枝通訳)『世界』
    <現代文明の課題--希望と恐れとともに (敗戦50年と解放50年--和解と未来のために<日韓シンポジウム>(ソウル>『世界』
    4日、ヴァイツゼッカーが来日。
    5日、NHKラジオ「土曜ジャーナル 戦後人物史・森滝市郎広島県原爆被害者団体協議会 伊藤サカエ、広島県原水禁代表委員 宮崎安男
    6日、NHK教育「こころの時代 家族の絆を見直す」国際家族年記念講演から。
    7日、ヴァイツゼッカーの講演を聴く。
    9日、帝国ホテルでヴァイツゼッカーと対談。
    14日、名古屋でヴァイツゼッカーを囲むシンポ。岡本道雄、加藤周一坂本義和。シュテルン誌独占インタビュー「大江健三郎が語る・オウム・戦後・日本人』Bart
    20日、フランスの核実験への批判「大地は煙り鳥たちの歌はない」発表。フランスで開催予定の日仏文学シンポ出席辞退。
    21日<「初心のファクス」中国・フランスの核実験について>「読売新聞」(私からの)
    22-24日≪言葉の力≫ワイツゼッカー東京新聞夕刊」(「歴史に目を閉ざすな」)
   9月<芥川賞選評>
    ≪新人であるということ--文学は「そのこと」にこそ意味がある(芥川賞制定60周年記念特別座談会) ≫井上ひさし,丸谷才一文藝春秋』(丸谷「大いに盛り上がる」)
                       『静かな生活』講談社文芸文庫
    1日、小澤征爾の還暦記念コンサートでロストロポーヴィチが光の曲を弾く。
        2日、伊丹万作五十周期に家族で松山へ行く。
    4日<大地は煙り、鳥たちの声はない>「朝日新聞夕刊」(私からの)
    6日<仏、傷だらけの核実験>「読売新聞夕刊」(私からの)
     クロード・シモンが大江を批判。
    7日、フランスのシンポジウム中止が正式決定。
    11日、国連大学で講演「平和への文化のために」(私からの)
    14日、松本で信濃毎日新聞の講演「時代から主題を与えられた」(私からの)
    16,17日「往復書簡=グラス」朝日新聞
    22日、NHK教育「金曜フォーラム 歴史に学ぶ~新たな50年に向けて」ワイツゼッカー加藤周一坂本義和、岡本道雄~愛知県・愛知芸術文化センター
    27日<核時代の節度と正義>「ル・モンド」「朝日新聞夕刊」(私からの)
    29日、伊丹十三監督「静かな生活」山崎努、柴田美保子
   10月12日、クロード・シモン「知識人の役割 不和あおるより啓示の発見を」を「読売新聞」に掲載。 
    13日<抗議の後の和解をこそ 仏の核実験へ世界市民の希求>「読売新聞」(私からの)
    18日、米国へ。
    29日、ウィーゼルと広島での会議について話す。
   11月『渡辺一夫敗戦日記』刊行。
     9日≪和解と共生のため記憶し語り続ける≫ウィーゼル「朝日新聞
     16日頃、ウォレ・ショインカと東京、福岡でシンポジウム。
     26日、小樽市民会館で河合隼雄谷川俊太郎とシンポジウム。絵本・児童文学研究センター主催「児童文学ファンタジー大賞創設記念第二回文化セミナー・日本語と日本人の心」
1996年1月<黄昏の読書--若い友人への覚え書き>『世界』(ゆるやかな絆) 61歳
    ≪文学・哲学・宗教≫中村雄二郎 『新潮』(「現代芸術の戦略」)
    (宗教にひかれる、サルトルを評価せず)
              『日本の「私」からの手紙』岩波新書
    11日、芥川賞選考で、又吉栄喜を推す石原慎太郎と対立する。
    12日、ETV「ノーベル賞作家講演・想像する力」ウォレ・ショインカ~東京・浜松町ニュービアホール
   2月20日武満徹死去、65歳。
     <希有な人だった 追悼武満徹>「朝日新聞」(嘆きもて)
   3月<芥川賞選評>『文藝春秋柳美里について「人間観にヒズミがある」と書く。
    <もうひとりの師匠(パトロン)へ>『波』(嘆きもて)
     29日、武満葬儀、千日谷会堂。谷川、黛敏郎篠田正浩堤清二。再び小説を書くことを宣言。
   4月        『ゆるやかな絆』ゆかり絵 講談社
            河合、谷川共著『日本語と日本人の心』岩波
   5月‐97年3月    『大江健三郎小説』全十巻 新潮社(月報に「私という小説家の作り方」を掲載)
   5月、グリンザーネ・カヴール賞国際部門受賞。
   5月21日、柄谷行人と対談。
   6月、イタリア、ドイツへ旅行。ミラノとフランクフルトで講演。
   7月≪長編小説、時代の鏡と層をなす語り--『炎都』における激動期の群像≫加賀乙彦 『新潮』
    ≪百年の短編小説を読む≫ (新潮名作選100年の文学) 古井由吉 『新潮』臨増
   柳美里石に泳ぐ魚』をめぐる裁判で、原告側に立った陳述書を提出。
     7日、「東京の夏」音楽祭で来日中のインドの音楽家チャンドラレーカと対談。
     17日、芥川賞選考に欠席。
   8月4日、ETV「ステージドア」チャンドラレーカ~インドの時、体の美
    <ドイツの朗読会で>『僕が本当に若かった頃』講談社文芸文庫(嘆きもて)
    10日、渡米。プリンストン
   9月<宙返り>(随想) 『新潮』 (嘆きもて)
    12日よりプリンストン大学客員講師となる。
    21日、ETV「未来潮流」「大江健三郎託す言葉~民主主義を巡る対話」プリンストンでの近況 隅谷三喜男坂本義和池明観、新川明
   10月≪戦後の文学の認識と方法≫柄谷行人 『群像』
   10-97年6月<エルムの木陰より>「朝日新聞」(嘆きもて)
    15日、ヴァーモントで講演。
   11月9日、プリンストンで光のコンサート。
     15日、ニューヨークのジャパン・ソサエティで光のコンサート。講演。
    天安門事件の指導者・王丹の釈放要求の公開書簡に署名。
   12-97年5月<新しい暮らしの手紙>「読売新聞」(嘆きもて)
   12月3-6日、コレヒオ・デ・メヒコに滞在。四十周年記念でオクタビオ・パスとシンポジウム。 
1997年1月<マイアミ書籍市、自作朗読>『新潮』(嘆きもて)    62歳
    8日、鄭義と会う。
    24日、米国芸術アカデミーの外国人名誉会員に選出される。
   2月19日、埴谷雄高死去、87歳。
   滞米中、新作「宙返り」の執筆を開始。
    ペンシルバニア大学、ペンシルバニア州立大学、テキサス大学で講演を行う。
    26日、トニ・モリソンと会う。
   3月、ハーヴァード大学プリンストン図書館で講演。
    19日、姉・石村一(いち)が73歳で死去。喪主は長男・淳。
   4月、アリゾナ大学、コロンビア大学で講演。
    28日、プリンストンでの講義が終わる。
   5月、マドリッドで講演。
    9-10日、プリンストン大学東アジア研究所シンポジウム「宗教的な想像力と文学的想像力」(鎖国
    アメリカ藝術アカデミーの入院式。
    帰国。芥川賞選考委員を辞任。
        31日、ETV「未来潮流 「オウム事件を超えて 世界の知性・宗教と想像力を語る」プリンストン大学シンポジウムより 中村雄二郎、ロバート・リフトン、池明観、トニ・モリスン。
   6月18日<帰国して思うこと>「朝日新聞夕刊」
   7月、『へるめす』終刊。
   8月‐99年11月<人生の細部>「読売新聞」(嘆きもて) 
    27日、ブダペストのヨーロッパ日本研究協会総会、「ヨーロッパの日本研究へ」柳下国興英訳。(鎖国
   9月<この人に導かれて祈る確かさ>「東京オペラシティコンサートホール・タケミツメモリアル オープニング記念誌」(嘆きもて)
   11月7日、「フォーラム21世紀への創造」山口、シェイマス・ヒーニー山根基世
     10日、同、東京。早大
     12日、広島セッション 21世紀の平和と創造的多様性」講演=シモン・ペレス、パネリスト平山郁夫、嶋矢志郎(広島市立大教授)
     16-25日、ハンブルグ、フランクフルト、ミュンヘンで講演。
   12月                 『新年の挨拶』同時代ライブラリー
     5日、母小石死去、95歳。喪主は孫・恭輔。
     20日伊丹十三自殺、64歳。
1998年1月<日本人から--「象徴」を契機として>『新潮』    63歳
    <記憶してください。私はこんなふうにして書いてきたのです>『波』(嘆きもて) 
    6日、安江良介死去、62歳。
    8日<志のリアルな持続 安江良介の死におもう>「朝日新聞」(嘆きもて)
    9日、NHKラジオ「わが師わが道 渡辺一夫
    12日、安江の葬儀。
    16日、ETV金曜フォーラム「21世紀への創造」(2)ヒロシマが問う 核と平和 シモン・ペレス広島市長・平岡敬、嶋矢志郎~広島市立大学
   1-3月                  『燃えあがる緑の木』新潮文庫
   3月<編集者・安江良介がなしたこと>『世界』
    <微笑しながら、あるいは視線をそらして真面目な顔になって>『世界』(嘆きもて)
                         『恢復する家族』講談社文庫
   4月〇≪生き延びた羊飼いとして≫原広司 『波』
               『私という小説家の作り方』新潮社
    15日<宇宙にとどまる花>「毎日新聞」 (嘆きもて)
     『長野オリンピック公式写真集』(桐原書店)に寄稿。
   5-6月<未来に向けて 往復書簡 ナディン・ゴーディマー>「朝日新聞
   5月3日、NHKラジオ「文化講演会」家族 癒す力
   7-9月<未来に向けて 往復書簡 アモス・オス>「朝日新聞
   7月8日、NHKスタジオパークからこんにちは」光のミニコンサート。
   9月5日、堀田善衛死去、80歳。
    27日、テレビ朝日「新・題名のない音楽会」(武田鉄矢司会)に出演、武満の思い出を語る。
   10月、西舘好子『修羅の棲む家』
   11月<新しいメディアの「文体」 (朝日メディアシンポジウム「グローバリズムと文化」から) >『論座
   12月7日≪平和実現へ、市民参加≫J・ウィリアムズ、岡本行夫、岡部達味、磯村尚徳「読売新聞」
     8日≪平和と科学の方法論≫利根川進立花隆「読売新聞」
1999年1月1日≪新春ビッグ対談 井上ひさし--「世紀末びっくりしたこと」≫『週刊朝日
   1-3月「往復書簡 バルガス=リョサ」「朝日新聞」     64歳
   1月15日、ETV「金曜フォーラム 新しい人間、新しい科学」ノーベル賞受賞者フォーラムから 最先端生命科学が問いかける21世紀の人間観 利根川進立花隆~札幌グランドホテルで録画。
    23日、井上究一郎死去、葬儀に行く。
   4月<『死霊』の終わり方>『群像』(嘆きもて)
    9日、米国へ。
    10日、ボストンでのヘミングウェイ百年祭で講演。
    15-21日、カリフォルニア大学バークレー校に滞在。
    19日、カリフォルニア大学バークレー校で「丸山眞男の言語作用」バルシャイ英訳。(鎖国
    20日、同「『新しい人』に向かって」柳下英訳。(鎖国
    石原慎太郎東京都知事に就任。
   5月11日<人生の細部]取り替え子 小鬼が負わす心の傷>「読売新聞」
    15日、鶴見俊輔と対談。
    29日、ICU五十周年フォーラム「本当の開国を『始造』する」(鎖国
   6-7月「往復書簡 スーザン・ソンタグ」「朝日新聞
    コソヴォ空爆を非難する大江にソンタグが反論。
   6月<「新しい人」に向かって>『群像』
              『宙返り』講談社
     21日、読売新聞インタビュー。
    25日、柳美里裁判の陳述書が「東京新聞」に掲載される。
   7月≪「揺すぶり読み」の力--『宙返り』を語る≫鶴見俊輔 『群像』(未来におきたいものは)
    ≪やぶさか 分子の危険な曲がり角≫東海林さだお椎名誠小説現代
    <講演 丸山眞男の言語作用>『世界』
    <『宙返り』をめぐる7つの即興>『本』(嘆きもて)
    5日号≪いま子規をわれらに(未公開講演録 愛蔵版-6完-司馬遼太郎が語る日本)≫山本健吉週刊朝日
    21日、江藤淳自殺、66歳。
   8月<『ヒロシマの心」と想像力>『核と人間Ⅱ 核を超える世界へ』岩波(鎖国
    13日、NHKFMトーク・オン・ミュージック~アーティストと語る20世紀」船山隆 文学と音楽:自然、魂、祈り
   各地でサイン会実施。ニュース23はなまるマーケットなどテレビ番組にも多数出演。
   8月、柳美里「『朝日新聞』社説と『大江健三郎氏』に問う」『新潮45
   9月<本当の開国を「始造」する>『群像』(鎖国
    <陳述書と二つの付記>『世界』(柳美里裁判)
                         『ゆるやかな絆』講談社文庫
    7日、「クローズアップ現代 妻と私」を観る。
   10月4日<[人生の細部]センチメンタリズム 甘えに寛大な日本人>「読売新聞」(嘆きもて)
     「往復書簡 テツオ・ナジタ」「朝日新聞
     23日、香川大学創立五十周年で講演「新しい人の教育」
   11月「往復書簡 スーザン・ソンタグ」「朝日新聞」 
     12日、読売新聞社ノーベル賞受賞者フォーラム「21世紀への創造」に参加。西宮の関西学院。「懐徳堂から東海村まで」(鎖国
     20日、ベルリンへ。ベルリン自由大学のS・フィッシャー記念講座客員教授として招聘される。「日本作家の現実」というテーマで講義。
   12月5日、ベルリン、ルネサンス劇場で「ベルリン・レクチュア」(鎖国
     12日、ベルリンで講演、ワイツゼッカーギュンター・グラスサルマン・ラシュディと話す。
2000年1月<新しい日本人の普遍>『群像』    65歳
    ドイツ滞在中、フランクフルト、ハンブルグバーゼルなど各地で講演を行う。
    7日、ETV「金曜フォーラム アジアの21世紀~民主主義と経済発展」ノーベル賞フォーラムから アマーチャ・セン、佐和隆光、山本栄一、藤田太寅~兵庫県西宮市・関西学院大学で録画。
    21日、ベルリン日本語補習授業校で講演を行い、生徒たちの作文に朱筆を入れ感想を述べる。
      2月<懐徳堂から東海村まで>『中央公論
   2-3月「往復書簡 鄭義」「朝日新聞
    2日、ドイツ藝術院で朗読を行う。
    29日、帰国。
   4月17-29日、沖縄で朝日新聞のために取材。
   5月<沖縄の『魂』から>全八回「朝日新聞」(嘆きもて)

    30日、米国へ。カリフォルニア大学サンタバーバラ校で講演と講義を行う。
   6月5日≪沖縄からの構想力に希望/文化の悪用に警戒≫目取真俊朝日新聞
    8日、ハーバード大学から小澤征爾とともに名誉文学博士号を授与。チョムスキーと話す。
     17日、『取り替え子』第一稿を脱稿。
     18日、津田ホールにて東京アスレチッククラブ創立30周年記念講演。
   7月≪沖縄が憲法を敵視するとき--「癒し」求める本土への異議-「沖縄ノート」から30年、地元の芥川賞作家と語る≫目取真俊論座
    16日、日本スイミングクラブ協会によるベストスイマー賞受賞。
   8月4日「なぜ子供は学校に行かねばならないのか」『週刊朝日』(自分の木)
    6日、NHKラジオ「ヒロシマナガサキ 核の世紀を越えて」
    長野県奥志賀高原小澤征爾と対談。
    16日、NHK-FMラジオ深夜便 インタビュー 私の生きた戦後「戦後、日本は変わったのか」
    18日、NHK衛星「週刊ブックレビュー」自作を語る『“自分の木”の下で』
   9月9日≪21世紀への対話≫小澤征爾「読売新聞」
    18-22日、ドイツ、ベルギー滞在。ハノーヴァー万博で講演。
     ベルギー・リエージュ名誉博士号を受ける。
    26-30日、中共清華大学中国社会科学院、北京日本センターで講演。
    28日、北京中国社会科学院で「北京講演二〇〇〇」(鎖国
     同外国文学研究所名誉研究員。
   10月27日ー01年2月9日「「自分の木」の下で」『週刊朝日
   10-11月「往復書簡 アマルティア・セン」「朝日新聞
   11月11日、同志社大学125周年記念シンポに参加。「道徳的な態度とよく考える態度」(鎖国
     25日渋谷幕張中学にて開催された『ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム「21世紀の創造」教育フォーラム「君たちに伝えたい言葉」―ノーベル賞受賞者と中学生の対話」』に参加。(鎖国)ハロルド・クロート(ノーベル化学賞)と。
   12月<センダックの贈り物--私が「取り替え子」です!>『本』(嘆きもて)
               『取り替え子』講談社
                        『新年の挨拶』岩波現代文庫
     6日、小森陽一井上ひさしと座談会。
     24日、朝日新聞斉藤美奈子が『取り換え子』の書評。
     成城の自宅で小澤征爾と対談。

2001年2月22日、東京オペラシティコンサートホールで開催された武満徹没後5周年のイベント「夢窓」にて講演。(武満徹のエラボレーション)  66歳
   3月≪座談会 昭和文学史(18)大江健三郎の文学--作家前夜から最新作『取り替え子』まで≫井上ひさし+小森陽一『すばる』
        『君たちに伝えたい言葉ノーベル賞受賞者と中学生の対話』読売ぶっくれっと
     16日「新しい歴史教科書」の検定不合格を求める声明を三木睦子らと発表。
   4月                『私という小説家の作り方』新潮文庫
   6月<ここから新しい人は育たない (特集 歴史教科書問題とは何か--「教育改革」を考える>『世界』(鎖国
    <武満徹のエラボレーション>『すばる』(嘆きもて)
     29日≪いま子供たちに伝えたいこと≫山田洋次週刊朝日
             『「自分の木」の下で』朝日新聞社
   6-7月「往復書簡 チョムスキー」「朝日新聞
   7月<特別企画/共同作業所全国連絡会第24回全国大会を訪ねて--作家・大江健三郎氏「障害をもつ息子とともに」から学ぶ>『社会保障
    <人間・歴史を語る>『しんぶん赤旗
             共編『大江健三郎・再発見』集英社
   8月22日「インタビュー(小説家から若い母親へのメッセージ)「よし、僕は地獄へ行こう」という貫き方」『婦人公論
   9月         小澤征爾共著『同じ年に生まれて』中央公論新社(同社より42年ぶりの単行本)
   10月19日<『「自分の木」の下で』出版記念講演 「深く生きる」ための読書--人生は、書きなおせますか?>『週刊朝日
   11月      『鎖国してはならない』講談社
           『言い難き嘆きもて』講談社
     2日、NHK衛星「金曜フォーラム ノーベル賞100周年記念フォーラム 21世紀の英知と創造力」江崎玲於奈白川英樹高木美也子東京ドームホテルで録画
2002年1月1日、NHK衛星「世界の若者たちとテロ・戦争そして未来」ニューヨーク大学、カイロ・アメリカン大学の大学生
   2-3月「往復書簡 エドワード・サイード」「朝日新聞
   2月4日、ETV「世界はピンチだ」大江健三郎中学生に語る
   3月、横浜でバレンボイムが「ニーベルングの指輪」を演奏、サイードの示唆出ドイツ大使館のパーティに行きバレンボイムに会う。
   4月6日、NHK衛星「21世紀のパイオニア 農村の生命を描く中国・作家莫言
   5月、レジオン・ド・ヌール勲章コマンドール受章。
   6月                   『宙返り』講談社文庫
    24日、高橋康也死去、70歳。
    28日、南平台の教会で葬儀。野村萬斎らと弔辞を読む。
   8月6日、「徹子の部屋」出演。
    15日、NHKスペシャル「2002年きみと語る戦争-いま、対話のとき」岡本行夫
    24日、中野重治文庫記念丸岡町民図書館で、生誕百年行事講演会。「中野重治の美しさ」。
   9月          『憂い顔の童子講談社
    28日、看護学会学術大会・聖路加病院で講演「語る人、看護する人」。
   10月<中野重治の美しさ>『すばる』(話して)
   10-11月「往復書簡 ジョナサン・シェル」「朝日新聞
    『週刊朝日』で匿名「蠅」が『憂い顔の童子』を批判、大江の抗議によって連載が中止となる。
   11月8日<語る人、看護する人>『週刊朝日』(話して)
     17日、亀岡市で講演「子供の本を大人が読む…」
     18日、広島市で講演、同。
2003年1月<子供の本を大人が読む、大人の本を子供と一緒に読む>『すばる』(話して)                                 68歳
    ≪私はなぜ憲法を守りたいのか≫加藤周一 『世界』  
   1-4月「「自分の木」の下で をしめくくる童話シリーズ 「新しい人」の方へ」『週刊朝日
   1-11月「二百年の子供」「読売新聞」
    20日、安原顕死去、63歳。
   2月2日、伊勢原市民会館で講演。
   3月<「コト」で区切る>『波』(『私の昭和』岩波)
   5月      『暴力に逆らって書く 大江健三郎往復書簡』朝日新聞社
    10日、≪「二百年の子供」について≫小澤征爾と対談「読売新聞」
    29日、日本精神神経学会総会特別講演、ホテル日航東京「暗闇を見えるものとする」
    30日、日本麻酔科学会50周年記念講演、パシフィコ横浜、「病気と死についての深い知識の向こうにあるもの」。(話して)
   6月<「手紙を書く者」として>『一冊の本』
    <語る人、看護する人(聖路加看護学会学術大会) >『聖路加看護学会誌』
    29日、「読者の夢インタビュー」で島根県の佐藤摩矢(37)との対談。
   8月14日から読売新聞のテレビCMに出演。俵万智渡辺淳一とともに起用。
   9月≪大岡昇平 人と文学--全集の完結にあたって≫菅野昭正 『ちくま』
    <暗闇を見えるものとする-精神医学の表現者の思い>『精神神經學雜誌』(話して)
                『二百年の子供』中公
              ゆかり絵『「新しい人」の方へ』朝日新聞社
     6日、NHK-DS1「今週の主役 大江健三郎織作峰子
     25日、エドワード・サイード死去、67歳。
     27日<エドワード・サイード氏を悼む 私らに、前を指し示す著作>「読売新聞」
   10月7日、日本ペンクラブ主催のシンポジウムで鄭義と対談。
     25日、朝日カルチャーセンター「子供らに話したことを、もう一度」。(話して)
   11月4日<「二百年の子供」連載を終えて 「好きな言葉」と時間の旅>「読売新聞」
     6日、青山学院大ノーベル賞受賞者を囲むシンポジウム、白川英樹と基調講演。
     8日、久留米大学医学部で看護について講演。
   12月7日≪小説家の来し方、彫刻家の行く末ー「芸術」は「破綻」から誕生する≫舟越桂、村田和木 『婦人公論
   12月、仏リベラシオン紙にてイラクへの自衛隊派遣計画を批判。テレビ番組、新聞広告、講演などで、子供たちに向けた現在の自分の活動をサイードの定義に基づく「後期の仕事(レイトワーク)」と位置づけていると発表。
     20日NHKスペシャル「シリーズ安全保障」で、イラクへの自衛隊派遣、改憲問題などについて、後藤田正晴中曽根康弘、栗山尚一元駐米大使と討論。
2004年1月<子供らに話したことを、もう一度--エドワード・W・サイードの死の後で>『すばる』(話して)                         69歳
    6日から3月29日まで東京都現代美術館舟越桂「二百年の子供」原画展。
    6日「徹子の部屋」に出演。
    13日、NHKクローズアップ現代 “新しい人”になってほしい~作家・大江健三郎さん」
    29日、秋田県本荘市由利高校を読売新聞の企画で訪問。
    31日、美術館で舟越桂と対談。
   2月〇≪自由のために書く≫鄭義、藤井省三 『世界』
    <講演 病気と死についての深い知識の向こうにあるもの (社団法人日本麻酔科学会50周年記念式典) >『麻酔』(話して)
    21日、NHKラジオ「土曜ジャーナル 未来を創る君へ~大江健三郎・高校生へのメッセージ」
    21、22日、東京国際フォーラムで光の演奏会と大江の講演。「『夢を見る人』のタイムマシン」
    国連事務総長特別顧問ラクダール・ブラヒミと話す(伝える)
  3月、NHK全国学校音楽コンクール課題曲高等学校の部「“新しい人”に」作詞、信長貴富作曲。
    半ば、テロ直後のマドリッドに行く。
   4月 『何を学ぶか 作家の信条、科学者の思い ノーベル受賞者を囲むフォーラム「21世紀の創造」』白川英樹共著 読売ぶっくれっと                                        『取り替え子』講談社文庫
   4-06年3月<伝える言葉>「朝日新聞
   4月17日、都留市で講演「根拠地としての本、図書館」
   「九条の会」の集まりにて沖縄などで講演。
    28日、ニューヨークでサイードの遺族に会う。
   5月<「夢を見る人」のタイムマシン>『すばる』(話して)
    ≪公開対談≫舟越桂美術の窓
    東京オペラシティ武満徹記念音楽会を聴く。
   6月<難関突破(ブレークスルー)>『新潮』
    5日、佐多稲子生誕100年記念の集い・ふぇみん婦人民主クラブほか主催・女性と仕事の未来館で講演「佐多さんが『おもい』と書く時」。
   7月<特集参考資料 「九条の会」アピール>『シネ・フロント』
    1日、義母の池内キミ死去、100歳。
    16日、中野孝次死去、89歳。
    24日、加藤周一の呼びかけにより結成された「九条の会」に参加、都内のホテルで発会記念講演会。「あらためての「窮境」より」。
   8月<佐多さんが「おもい」と書く時--『夏の栞--中野重治をおくる』にそくして>『すばる』(話して)
    <「9条の会」発足にあたって あらためての「窮境(プリディカメント)」より--教育基本法憲法のこと>『世界』(話して)
     5日、NHKクローズアップ現代」「危機に立つヒロシマ被爆体験は継承できるか」
   10月    『「話して考える」と「書いて考える」』集英社
   11月、井上ひさし文化功労者になり、天皇の茶会に出る。
     21日、動物臨床医学会主催の市民公開講座で講演「小説のなかの子供と動物」大阪市北区中之島グランキューブ大阪大阪国際会議場)。
   12月               『鎖国してはならない』講談社文庫
                    『言い難き嘆きもて』同
2005年1月「むしろ老人の愚行が聞きたい-『さようなら、私の本よ!』第一部」『群像』
     <「後期の仕事(レイター・ワーク)」に希望がある(か?) >『新潮』                     『「自分の木」の下で』朝日文庫 70歳
    22日、NHKスペシャル憲法」1)私たちは9条とどう向きあうのか」田浪政博,中曽根康弘宮澤喜一伊藤茂,阪田雅裕,栗山尚一、柳井俊二,石原信雄,古川貞二郎ほか。
   2月12日、NHK衛星「中曽根康弘VS大江健三郎 戦後60年 憲法9条を語る」
   3月、『中高校生の君たちへ ノーベル賞受賞者との対話』読売新聞東京本社調査研究本部編、中央公論新社
    12日、講演「憲法9条、いまこそ旬」広島市中区中島町広島国際会議場
    東大の卒業式で祝辞を述べる。
   5月15日、光と「N響アワー」を観ていてメシアンで光が立つ。大河内奈々子が気に入っている。
    24日、ソウルの漢陽大学「第二回ソウル国際文学フォーラム」で講演「われわれは静かに静かに動きはじめなければならない」。
    マサオ・ミヨシの開いた会議。ボードリヤール、ドラブル、ロバート・ハス、ル=クレジオ、オルハン・パムク、ゲイリー・スナイダー。
   6月「死んだ人たちの伝達は火をもって--さようなら、私の本よ!(第2部」『群像』     東京オペラシティにて『もう一度de nouveau 大江光』開催。
   8月「われわれは静かに静かに動き始めなければならない--さようなら、私の本よ!(第3部)」『群像』 
    10日、NHK特集 平和アーカイブス 語り伝えるヒロシマナガサキ(3)
   『沖縄ノート』の記述をめぐり、梅澤裕および赤松秀一(弟)が、名誉毀損による損害賠償、出版差し止め、謝罪広告の掲載を求めて大阪地裁に提訴。
   <記憶してください。かれはこんな風にして生きて来たのです。>『小説トリッパー』秋季
   10月4日、「大江健三郎賞」創設を発表。
             『さようなら、私の本よ!』講談社
     5日から23日まで、フィッシャー社刊行の『取り替え子』をめぐる講演をドイツなど各地で行う。フランクフルト、ライプツィヒ、ベルリン、ハンブルグ、ケルン、ミュンヘンチューリヒインスブルックシュトゥットガルトザルツブルグ
   11月≪詩と小説の間≫清水徹『群像』 (特集 大江健三郎-「文学の言葉」を伝えるために) 
    ≪二つのカタストロフィと二つの「おかしな二人組」≫町田康
     (米国の平和維持の役割を認める)
    <講演 われわれは静かに静かに動き始めなければならない> 同
    ≪ロング・インタビュー 大江健三郎、語る≫尾崎真理子 『新潮』
    フランスの国立東洋言語文化研究所(INALCO)の名誉博士号を受けにパリへ行き、ソルボンヌ大学と日本館で講演。
   (この年、初孫が生まれる)
2006年1月、テレビ東京たけしの誰でもピカソ」に出演。      71歳
  <憲法:小説家の一生をかけて読む (特集〈全国憲40年〉憲法理論の課題>『憲法問題』
   4月「エドワード・サイード OUT OF PLACE」完成記念上映会にて講演。
    14日、妹冨佐子の夫・宮部博文死去、正六位瑞宝双光章。元五十崎町立天神小学校長)内子町平岡甲。
    18-2012年3月21日<定義集>    『朝日新聞
   5月                『河馬に噛まれる』講談社文芸文庫
   6月から12月までジュンク堂池袋本店にて「大江健三郎書店」開催。
   7月<窮境の中の希望 教育の力にまつべきものである--改定案から欠落している一句 (特集 教育基本法が変えられてしまったら?) 『世界』
     <「後期のスタイル」という思想--サイードを全体的に読む>『すばる』
   9月≪新しい文学のモデル 異言語に身を晒す≫リービ英雄 『世界』
   9月-07年3月<生きること・本を読むこと>『すばる』
   9月2日、NHK‐BSフォーラム「東大と日本が生まれ変わった日~南原繁の言葉を考える」立花隆 石坂公成、細谷憲政、石井紫郎堤清二佐々木毅姜尚中高橋哲哉
    中国社会科学院での莫言らの大江健三郎研究会に出席、北京大学附属中学校で生徒たちへの講演。
    23日、モーツァルト生誕250年記念の演奏会「レクイエムー死と再生」のために詩を書く。
   10月≪今後四十年の文学を想像する≫平野啓一郎 『群像』
                       『暴力に逆らって書く』朝日文庫
    エクサンプロヴァンスの「本の祭り」の大江健三郎特集に、高行健、フィリップ・フォレストらと参加、三日間討論する。
     23日、山の上ホテル沼野充義と対談。
   11月         『「伝える言葉」プラス』朝日新聞社
                         『二百年の子供』中公文庫
     <勤勉で野心的な小説家志望の若者に>   『ロリータ』新潮文庫
   12月<長江古義人と小説作者の対話>  『『おかしな二人組』三部作』講談社
2007年1月「詩集『形見の歌』より二篇」『新潮』          72歳
     <特別講演 But Rather of Their Folly--「大江健三郎賞」創設記念 フランクフルト講演>『群像』
    マサオ・ミヨシが来日を中止。
                   『M/Tと森のフシギの物語』講談社文芸文庫
   3-4月≪大江健三郎が語る作家としての五〇年≫尾崎真理子 『中央公論
   3月              『新しい人よ眼ざめよ』講談社文芸文庫
   4月≪ドストエフスキーの"新しい読み"の可能性--ロシア・東欧文学をめぐって≫沼野充義 『すばる』
   4月、中原中也生誕百年前夜祭にて光の曲の演奏と講演。
    4日、教科書検定で自決命令は出ていないとする修正意見が出たことについて岩波とともに文部科学省に抗議。
   5月         尾崎真理子『大江健三郎 作家自身を語る』新潮社
                   『「話して考える」と「書いて考える」』集英社文庫
    6日、第一回大江健三郎賞受賞作発表 『夕子ちゃんの近道』長嶋有
    18日、東大創立130周年記念講演、夕方より講談社長嶋有と対談
   6月<第一回大江健三郎賞受賞作発表 『夕子ちゃんの近道』長嶋有 選評>『群像』
   6-10月「臈たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ」『新潮』
    ≪ドストエフスキーが21世紀に残したもの≫沼野充義   
         『21世紀 ドストエフスキーがやってくる』(集英社
   7月≪大江賞記念対談 若い作家の言葉の力を世界に押し出す≫長嶋有 『群像』
    <どんな人か、というしるし>『青春と読書』
               『読む人間‐読書講義』集英社
     19日、河合隼雄死去、79歳。
  8月<知識人となるために>『すばる』
                        『キルプの軍団』講談社文庫
  9月、ガスカール『けものたち・死者の時』岩波文庫
  10月                  『「新しい人」の方へ』朝日文庫
  10月、『さようなら、私の本よ!』が魯迅文学賞の全国優秀文学翻訳賞受賞。 
  11月       『臈たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ』新潮社
    9日、「沖縄戦裁判」大阪地裁で証言。
  12月≪『臈たしアナベル・リイ』刊行記念インタビュー--「成熟」を引っくり返す大冒険≫『波』

2008年1月△「星々と海底の潮の流れ」『新潮』           73歳
   「大江裁判失笑"大弁解"全記録 (特集 「集団自決」を悪用する者) 『Will』
    6日、NHK週刊ブックレビュー 大江、最新作を語る
   2月<「人間をおとしめる」とはどういうことか--沖縄「集団自殺」裁判に証言して>『すばる』
    <講演「原理としての『人間らしさ』」 (特集 第50回人権擁護大会報告) >『自由と正義』
                       『治療塔』講談社文庫
   3月<私らはいまにとけ込んでいる未來を生きている(龍谷大学法学部創設40周年記念講演会【要約】>『龍谷法学』
    28日、大阪地裁で判決、勝訴。原告控訴。
   5月<第二回大江賞 ここに良質の(新しい)小説がある>『群像』
    <「意志の行為としての楽観主義」に向けて (災禍を越えて--世界PENフォーラム「災害と文化」より) >『すばる』
    8日、講談社講堂で岡田利規と対談。
    18日、NHK日曜フォーラム 「災害と文化~人は災害をどう描いてきたか~」 吉岡忍,井上ひさし,新井満,俵万智 
   6月<誤読・防諜・「美しい殉国死」>『世界』
   7月≪大江賞記念対談 あらゆる場所に目があるように書く≫岡田利規 『群像』
    12日、Eテレ「芸術劇場 チェルフィッチュの世界」に出演
    13日、ETV特集「東と西のはざまで書く」オルハン・パムク,石牟礼道子 
   8月                    『治療塔惑星』講談社文庫
   10月31日、大阪高裁で勝訴、原告は上告。
   12月6日、加藤周一死去、89歳。
     7日<大知識人の微笑とまなざし 加藤周一さんのこと>「朝日新聞
2009年1月<読むことに始まり、読むことに終わる (特集 Around 70 アラセブの底力) >『すばる』                          74歳
    16日、『臈たしアナベル・リイ』、中国の「21世紀年度最優秀外国小説・2008微山湖賞」 を受賞。北京にて授与。
   2月               『さようなら、私の本よ!』講談社文庫
   3月1日、加藤周一のお別れの会で弔辞。水村美苗
   5月<第三回大江賞 『光の曼陀羅』の批評家>『群像』
    <加藤周一さんを再読(リ・リード)する (加藤周一さんを送る) >『世界』
    8-15日≪10年ぶりの大型対話 言葉の定義について≫井上ひさし週刊朝日
    9日、安藤礼二講談社で対談。
   6月、九条の会加藤周一さんの志を受けついで」で講演「啄木にも比すべき、困難な時代を生きる若い人たちへ」。
   7月△≪第三回大江賞記念対談 自分を批評家に育てる手法≫安藤礼二 『群像』
    3日、野田秀樹と対談。(『ザ・ダイバー』パンフレット)
   10月1日、マサオ・ミヨシ死去、81歳。
    台湾で開催されたシンポジウム「国際視野の中の大江文学」に出席。
   11月≪憑坐と験者の対話≫野田秀樹 『新潮』
     2日、古井由吉と対談。
   12月               『水死』講談社
   12月、世界人権問題研究センター15周年記念講演。
    鶴見俊輔『言い残しておくこと』の付録冊子に寄稿。
    紀伊国屋サザンセミナー「いま、『日本文学史序説』を語る」にて講演。
2010年1月<新刊『水死』刊行 「後期の仕事(レイトワーク)」の現場から>『群像』
    ≪詩を読む、時を眺める≫古井由吉 『新潮』     75歳
   1月ー2013年12月<親密な手紙> 『図書』
   1月5日、NHK スタジオパークからこんにちは」に出演。
   2月≪ノーベル文学賞作家対談 われらの生きた同時代、その文学と世界を語る≫ル=クレジオ 『中央公論
    ≪加藤周一が考えつづけてきたこと≫成田龍一,小森陽一 『ちくま』
   3月<日記リレー>『新潮』
    11日、NHKハイビジョン プレミアム8<人物>100インタビュー「作家・大江健三郎渡邊あゆみ 
    14日、NHK-FM「トーキングウィズ松尾堂「大江文学と時代を語る」松尾貴史,佐藤寛子,黒古一夫,木村浩子 
   4月9日、井上ひさし死去、75歳。
   5月<第四回大江賞 「裕福者」という他人>『群像』
    16日、中村文則講談社講堂で対談。
   7月≪大江賞記念対談 スリの「物語(レシ)」のなかの現代≫中村文則 『群像』
    <井上ひさし『一週間』刊行記念 小説家井上ひさし最後の傑作>『波』
     1日、井上ひさしお別れの会、東京会館
   9月13日、山の上ホテル沼野充義と対談。
    27日、高行健と対談。
   10月                『美しいアナベル・リイ』新潮文庫
     2日、広島市で講演「広島の平和思想を伝える」
     5ー6日、≪高行健との対談≫「読売新聞」尾崎真理子構成。
     9日、弟・征四郎が危険事業従事者として瑞宝双光章を受勲。
   12月≪ノーベル賞作家対談 21世紀の文芸復興へ 政治を超える「人間の歴史」を書く≫高行健中央公論
    ≪短篇から広がる小説の力≫(特集 チェーホフを語る) 沼野充義 『すばる』
    <ひとりの苦しめられた子供の一滴の涙> 『日本周産期・新生児医学会雑誌』
2011年1月<死んだ人たちの伝達は火をもって>『新潮』        76歳
    <井上ひさしへ ひさしさんのメモを机の前に置いて、「晩年の仕事」を準備します(弔辞--劇的な人生に鮮やかな言葉)>『文藝春秋』 
   2月2日≪鼎談読書について≫筒井、丸谷「朝日新聞
   3月<大知識人の微笑とまなざし--加藤周一さんのこと> Manke Michaela [訳] 『西南学院大学国際文化論集』
    11日、東日本地震
    13日頃、ル・モンドのインタビュー。
   4月≪読書と人生≫筒井康隆, 丸谷才一『小説tripper』(春季)
    21日、最高裁で上告棄却。
   5月<私らは犠牲者に見つめられている (東日本大震災原発災害) >『世界』
     <小説的思考力のモデル (第五回大江賞 受賞作発表) >『群像』
    5日、紀伊国屋サザンシアターで「大江健三郎シンポジウム」沼野充義
   6月、内橋克人編『大震災のなかで』岩波新書に寄稿。
   7月<近い将来への「証言」を求める--沖縄戦裁判を終えて>『世界』
    ≪第五回大江賞記念対談 危機に際して、異質な個人が声を合わせる≫星野智幸 『群像』
    3日、ETV特集大江健三郎 大石又七 核をめぐる対話」
     「さようなら原発一千万人アクション」を結成。落合恵子鎌田慧。宇都宮健次。
   8月、「ヒロシマのオルフェ」がCD化 
   9月6日、千代田区内で脱原発の記者会見。
   10月<65周年特別寄稿 群像と私>『群像』
     <読むこと学ぶこと、そして経験--しかも(私の魂)は記憶する>『すばる』
     21日、朝吹真理子と対談。
   11月                     『読む人間』集英社文庫
   12月10日、日比谷野外音楽堂脱原発集会、講演。
2012年1月‐13年8月「晩年様式集(イン・レイト・スタイル)」『群像』  77歳
    ≪未来から聞こえる言葉≫朝吹真理子 『新潮』
   <ビキニからフクシマまで(<特集>学会60周年記念シンポジウム論文) >『マス・コミュニケーション研究』
   2月≪座談会 井上ひさしの文学(2)"夢三部作"から読みとく戦後の日本≫成田龍一,小森陽一 『すばる』
      岩波書店編『「記録・沖縄「集団自決」裁判』
    8日、呼びかけ人を務める「さようなら原発一千万人署名市民の会」。外国人特派員協会で会見、立地首長に原発不稼働要請。
    11日、郡山市の集会に参加。
    21日、グローヴ・プレスのバーニー・ロセット死去、89歳。
   3月16日から開催のパリの書籍展「サロン・ド・リーヴル」に招待され22人で出席。島田雅彦平野啓一郎綿矢りさ萩尾望都、水林章。
    18日、パリで講演し、「原発を二度と稼働させてはいけない」と言う。
   5月<第6回大江賞 選評 小説のたくみさと成熟>『群像』
    3日、松戸憲法記念の集いで講演。
    15日、講談社講堂で綿矢りさと公開対談。
   7月≪大江賞記念対談 本質的なモラルを伝える一つの言葉≫綿矢りさ 『群像』
     <一冊の本 怯え鯨波 定義集をつらぬくもの>『一冊の本』
                    『定義集』朝日新聞出版
     16日、代々木公園の脱原発集会に参加。
   8月22日、弁護士らと「脱原発法制定全国ネットワーク」を設立。
   10月13日、日比谷公園の集会で大飯原発再稼働停止を訴える。
   11月12日、紀伊国屋サザンシアターでパトリック・シャモワゾーと対談。通訳・堀江敏幸
2013年2月≪文学の力 クレオール的未来のために≫パトリック・シャモワゾー(堀江敏幸訳)『群像』               78歳
   3月9日、「つながろうフクシマ!さようなら原発大集会」東京都新宿区の明治公園に参加。
   5月<第7回大江賞選評 本谷有希子>『群像』
    5日、日曜美術館 「恐ろしいのに美しい フランシス・ベーコンデビッド・リンチ,浅田彰,井浦新,伊東敏恵 
    15日、講談社講堂で本谷と対談。
   6月2日、脱原発集会で日比谷公園
    15日、盛岡で「医療マネジメント学会」の講演「いま、なぜ希望を語るか」
   7月≪大江賞記念対談 本谷有希子≫ 『群像』
   9月3日、9日、尾崎真理子によるロング・インタビュー。
   10月      『晩年様式集 イン・レイト・スタイル』講談社
   11月≪ロング・インタビュー―最新作『晩年様式集』と3・11後のこと≫『新潮』
   12月           『大江健三郎 作家自身を語る』新潮文庫
2014年1月<「出来事」の話>群像           79歳
   3月17日、古井由吉と対談。
   4月、ガルシア=マルケス死去、86歳。
   5月<第8回大江賞岩城けい)新しい作家が規範を作る―八年間の賞選考から> 『群像』
   6月≪言葉の宙に迷い、カオスを渡る≫古井由吉 『新潮』
   7月≪この小説の新しさと独特さ≫岩城けい  『群像』
   8月<英詩翻訳の声調>           『群像』
    <沖縄について考え続けていること>   『世界』
                    『大江健三郎自選短編』岩波文庫
   9月               『M/Tと森のフシギの物語』岩波文庫
   11月29日、紀伊国屋サザンシアターで池澤夏樹と公開対談。
2015年1月≪日本を変革する新しい文学運動が始まった≫池澤夏樹 『文藝』 80歳
          『憲法九条は私たちの安全保障です。』岩波ブックレット) 梅原猛,奥平康弘,澤地久枝,鶴見俊輔,池田香代子, 金泳鎬, 阪田雅裕共著
   2月9日、自宅で岩波文庫についてのインタビュー。
   3月≪対談古井由吉・文学の伝承≫      新潮 
   4月            古井共著『文学の淵を渡る』新潮社
   5月<インタビュー>          岩波文庫パンフレット
   6月               『日本文学全集 大江健三郎』河出
   10月≪対談漱石100年後の小説家≫古井由吉   新潮
2016年9月<「音楽する」小澤征爾 :写真集『小澤征爾 Seiji OZAWA』> 波 
   11月                 『定義集』朝日文庫   81歳
                     『晩年様式集』講談社文庫
2018年1月                『文学の淵を渡る』古井・新潮文庫 83歳
   6月      『大江健三郎柄谷行人全対話 世界と日本と日本人』(講談社
   7-19年9月              『大江健三郎全小説』全20巻、講談社
2020年2月18日、古井由吉死去、82歳。                    85歳
2021年1月、東大文学部に資料を寄贈                     86歳
   4月30日、立花隆死去、70歳。
   8月、『立花隆、最後に語り伝えたいこと 大江健三郎との対話と長崎大学の講演』(中央公論新社)刊行。
2022年2月1日、石原慎太郎死去、90歳。                   87歳
   10月20日、尾崎真理子『大江健三郎の「義」』(講談社
2023年2月1日、『大江健三郎の「義」』、読売文学賞を受賞。
   3月3日、死去。                           88歳