1925年8月27日、山形県鶴岡市馬場町に、丸谷熊次郎の次男として出生。父は開業医。
1944年4月、旧制新潟高等学校文科に入学。百目鬼恭三郎と同級。 19歳
1945年3月、山形の連帯に入隊、8月敗戦を青森県で迎える。9月、新潟高校に復学。
1947年4月、東京帝国大学文学部英文科に入学。
1950年3月、同卒業。
1952年1月、篠田一士らと季刊同人誌『秩序』を創刊。
「エホバの顔を避けて」 秩序 27歳
5月 訳『不良少年』グリーン 筑摩書房
11月 <追われる男・愛する女--グレアム・グリーンについて> 英語研究
1953年3 <エンターテインメントとは何か--グレアム・グリーンの方法> 近代文学 28
7 <グレアム・グリーン--グリーンランドの地図のために> 三田文学
9 国学院大講師
10月、結婚、根村姓になる。
1955年6 訳『孤独な娘』ウェスト ダヴィッド社 30歳
1956年、父死去。
10 訳『負けた者がみな貰う』グリーン 筑摩書房 31
1957年9月、長男・亮が誕生。
1958年3 <読まれる翻訳探偵小説と純文学不振> 朝日新聞 33
6 訳『ここは戦場だ』グリーン 書肆パトリア
1959年4 <西の国の伊達男たち> 三田文学 34
10 『エホバの顔を避けて』河出書房新社(中公)
1961年1 「うぐいす笛」 声 36
8<小説論のために> 國學院雜誌
<里見弴への一視点> 秩序
1962年7<市民小説への意志> 文藝 37
8「薔薇」 藝術生活
10「彼方へ」 文藝
12 <空想家と小説> 文藝
1963年3 <九州の文学--<同人雑誌探訪>九州> 文藝 38
5「夢の契り」 藝術生活
6 訳『モルグ街の殺人事件』中央公論社
8 福永・中村共著『深夜の散歩』早川
<なぜ戦争映画を見ないか> 映画評論
1964年2 <国語表現力の衰退を憂える--未来の日本語のために> 中央公論 39
8 <北原批評の改良のために--北原武夫氏にこたえる> 文學界
10 訳「モスコウではいたる所で」シリトー 展望
1965年2 <吉野山はいづくぞ--私の古典発見> 展望 40歳
3 国学院大退職。
10 <後鳥羽院と家隆> 風景
1966年1<実生活とは何か、実感とは何か> 群像 41
訳『雪の舞踏会』ブリジッド・ブローフィ 河出書房新社
6<びにーる七夕考> 潮
7 『笹まくら』河出(講談、新潮)
10 「贈り物」 風景
『梨のつぶて』晶文社(中公)
1967年 訳『少年少女世界の文学 アンクル・トムの小屋』河出書房 42
3 「にぎやかな街で」 文藝
6 <通夜へゆく道> 世界文学
7 『笹まくら』で河出文化賞
12 <故国の言葉と異国の言葉についてのノート> 世界文学
1968年1 <二本の葭(イギリス)--世界文学の現状と展望> 群像 43
「川のない街で」 文學界
3「年の残り」 文學界
『にぎやかな街で』文藝春秋
5「思想と無思想の間」 文藝
6 <小説と批評 (作家の意図はどこまで理解されるか)> 三田文学
7「中年」 群像
「年の残り」で芥川賞。
「男ざかり」 文學界
『年の残り』文藝春秋
10<歴史という悪夢> 文藝
1969年3 訳『若い芸術家の肖像』世界文学全集 講談社 44
6<徴兵忌避者としての夏目漱石> 展望
6-71.6 <大きなお世話> アサヒグラフ
8<居直り的小説論> 文學界
11 訳『この荒々しい魔術』メアリー・スチュアート 筑摩書房
3 『女性対男性』文藝春秋
7<ニホンとニッポンと日本語> 朝日新聞
8-71.6 <食道楽知ったかぶり> 太陽
11月、オーストラリア旅行。
1971年11 『大きなお世話』朝日新聞社(文春) 46
1972年1 <誤訳について> 文藝 47
『たった一人の反乱』講談社
5<現在の日本語のために> 新潮
6「初旅」 文學界
9月、『たった一人の反乱』で谷崎潤一郎賞)
10 <文学・実生活・死--私小説の評価をめぐって> 対談 平野謙 文學界
12-75.5 <食通知ったかぶり> 文藝春秋
1973年1「だらだら坂」 文學界 48
9 『彼方へ』河出書房(集英社文庫)
2 編『ジェイムズ・ジョイス』早川書房 49
7「横しぐれ」 群像
8 『日本語のために』新潮社
10 『月夜の晩 ユーモアエッセイ集』番町書房
1975年2 <鳥の泪> 新潮 50歳
3<ある羨望> 海
『横しぐれ』講談社
4 『雁のたより』朝日新聞社
8<読人しらず> 新潮
10 『星めがね』集英社
11 『食通知ったかぶり』文春(文春、中公)
『悠々鬱々』毎日新聞社 (現代の視界)
4 『男のポケット』新潮社
7 <文明の条件> (私の文章作法) 文學界
12 『遊び時間』大和書房(中公)
1977年5 『低空飛行』新潮社 52
8<雪の夕ぐれ> 新潮
11 対談集『言葉あるいは日本語』構想社
5 対談集『古典それから現代』構想社
6月、芥川賞の選考委員になる。
8月、谷崎賞の選考委員になる。
8-79.3 <ゆがんだ林檎> 新潮
11 <しのぶ草> 海
1979年5 編『ポケットの本机の本』新潮社 (楽しみと冒険) 54
7<千本桜> 海
<四畳半襖の下張裁判二審判決を批判する> 世界
10 編『作家の証言-四畳半襖の下張裁判』朝日選書
11 <文章論的憲法論> 諸君
<朝倉> 文學界
1980年1<海の都> 新潮 55
2 『遊び時間2』大和書房(中公)
3 編『花柳小説名作選』集英社文庫
12 訳『ネス湖のネッシー大あばれ』テッド・ヒューズ 小学館
1981年6月、山本健吉、庄野英二、上田三四二、竹西寛子、井上ひさしと中国旅行。
10 編『探偵たちよスパイたちよ』集英社 56
<月の宿り> 海
1982年1-83.6<好きな背広> オール読物 57
1月、読売文学賞の選考委員になる。
5<三月尽と七夕> 海
8<性と政治と「ユリシーズ」--ジェイムス・ジョイス生誕百年祭> すばる
9-10月、英国、フランスを旅する。
5 大野晋,丸谷編『日本語の世界 16 国語改革を批判する』丸谷編 中央公論社
6 対談集『冗談そして閑談』青土社
8 『好きな背広』文芸春秋
1984年1 『夜明けのおやすみ』朝日新聞社(現代のエッセイ) 59
4月から10月まで、東大文学部講師。「忠臣蔵とは何か」の原稿を読み上げる。
5 対談集『日本語そして言葉』集英社
11 『遊び時間3』大和(『ウナギと山芋』中公)
1985年3 『みみづくの夢』中央公論社 60歳
5<お軽と勘平のために--諏訪春雄に答へる> 群像
芥川賞の選考委員を辞任。
7<たなばた舟> 新潮
8 『遊びなのか学問か』新潮社(エッセイ・おとなの時間)
『挨拶はむづかしい』朝日新聞社
1986年1「鈍感な青年」 文學界 61
『桜もさよならも日本語』新潮社
<雪とふりぬる> 新潮
3-87.12 日本人の表現 対談・山崎正和 中央公論文藝特集
6 『固い本やわらかい本』文藝春秋
『6月16日の花火』岩波書店
7 <ウナギ文の大研究> 文藝春秋
9 『犬だって散歩する』講談社
1987年1-88.12 <光る源氏の物語> 対談 大野晋 中央公論 62
1<袖ふる山> 新潮
4「樹影譚」 群像
<楠木正成,近代史に猛威をふるう--御霊信仰と国家の運命> 朝日ジャーナル
7 『夜中の乾杯』文藝春秋
8 『鳥の歌』福武書店
9 『恋文から論文まで』福武書店(日本語で生きる)
1988年4月、「樹影譚」で川端康成文学賞
8 『樹影譚』文藝春秋
1989年1 <月と鳥> 新潮 64
7 『男ごころ』新潮社
10 『猫だって夢を見る』文藝春秋
「墨いろの月」 文藝春秋
2月、『光る源氏の物語』で読売文学賞(二度目)
10 『丸谷才一と16人の世紀末ジャーナリズム大批判』青土社
デニス・キーン訳の「Rain in the Wind」を刊行(だらだら坂、夢を買います、樹影譚、横しぐれ)
1991年1<恋歌の序> 新潮 66
6月、「Rain in the Wind」が英国のインディペンデント紙の外国小説賞の特別賞を受賞。
7 対談集『歓談そして空論』立風書房
11 共著『とくとく歌仙』文藝春秋(大岡、高橋治、井上ひさし)
12 『山といへば川』マガジンハウス(中公)
1993年1 『女ざかり』文藝春秋 68
2<批評家としての谷崎松子> 中央公論
3 『丸谷才一と17人の90年代ジャーナリズム大批判』青土社
8 『軽いつづら』新潮社
1994年5 『丸谷才一と17人のちかごろジャーナリズム大批判』青土社 69
6「おしゃべりな幽霊」 文學界
8 『七十句』立風書房
共『私の選んだ文庫ベスト3』毎日新聞社
山崎共著『半日の客一夜の友』文藝春秋
1996年1-97.11<男もの女もの> オール読物 71
2 <女の救はれ> 群像
4 山崎共著『二十世紀を読む』中央公論社
10-97.11 <対談 日本史を読む> 山崎正和 中央公論
1997年1<恋と日本語の小説>対談・瀬戸内寂聴 新潮 72
『どこ吹く風』講談社
対談集『大いに盛りあがる』立風書房
4<弔辞・小説の名手、文章の達人‐藤沢周平> 文春臨時増刊
5<天下無双の性愛談義>対談・渡辺淳一 オール読物
1998年2<志賀直哉から谷崎潤一郎への日本文学>対談・サイデンステッカー 文學界
3<中村真一郎についての文学的考察>菅野昭正・池澤夏樹 新潮
4 <居心地のよい病院> 文藝春秋
『男もの女もの』文藝春秋
5-99.3<思考のレッスン> 本の話
『丸谷才一と21人のもうすぐ21世紀ジャーナリズム大合評』都市出版
10 『本読みの達人が選んだ「この3冊」』毎日新聞社
1999年1-2000.11<東京ジャーナリズム大合評 第6シリーズ> 東京人 74
<石川淳‐伝統と前衛の『精神の冒険』>小森陽一・井上ひさし すばる
9 『思考のレッスン』文藝春秋
2000年2<あの有名な名前のない猫> 現代 75
5<リキとリョク> オール読物
8<さようなら永川玲二> すばる
11<小股の切れあがつたいい女> オール読物
2-02.4<花火屋の大将> オール読物
5 『千年紀のベスト100作品を選ぶ』三浦雅士,鹿島茂 講談社
6 『挨拶はたいへんだ』朝日新聞社
7 『丸谷才一と22人の千年紀ジャーナリズム大合評』都市出版
12月、菊池寛賞
<文学は言葉で作る> 小説tripper(冬季)
2002年1月「三吟歌仙 二度の雪の巻」大岡信、岡野弘彦 すばる 77
<室町のころ> 『ZEAMI』
2月「歌仙 夜釣の巻」大岡、岡野 図書
5-03.8<絵具屋の女房> オール読物
7 『花火屋の大将』文藝春秋
「新しい歌舞伎の時代がやってきた」対談・中村勘九郎 東京人
8<危険な話題> 本の話
10月「三吟歌仙 こんにゃくの巻」大岡、岡野 すばる
「『夕顔』をめぐって」対談・松岡心平 橋の会「半蔀」
11 <あの二十冊> 図書
山崎共著『日本語の21世紀のために』文春新書
2003年1月「歌仙 YS機の巻」大岡、岡野 図書 78歳
3月「桜うた千年 桜 詞華集」座談会・大岡、岡野 文藝春秋
6 『輝く日の宮』講談社
7月<バオバブに書く> 図書
9<ゴシップ的日本語論> 文學界
「歌仙 ぽつねんとの巻」大岡、岡野 図書
「男と女が合作する小説」対談・瀬戸内寂聴 すばる
-<綾とりで天の川> オール読物
10 『絵具屋の女房』文藝春秋
「顕示と隠喩 折口信夫の表現」座談会・富岡多恵子、岡野弘彦 新潮
11月、『輝く日の宮』で泉鏡花賞。
12月、「新しい発想と知恵 思想書を読もう」木田元、三浦雅士 文藝春秋
「近代日本文学と青春」サイデンステッカー 本
2004年1月「三吟歌仙 果樹園の巻」大岡、岡野 すばる 79歳
朝日賞
3月「歌仙 大注連の巻」大岡、岡野 図書
4月ー07年3月<袖のボタン> 朝日新聞
「雑誌『東京人』を批評する」対談・山崎正和 東京人
<ぼくが十代のころ 読書に夢中になった二つの理由>週刊朝日
『ゴシップ的日本語論』文藝春秋
6 『猫のつもりが虎』マガジンハウス(文春)
「鼎談 未来へ残したい日本 日本美一〇〇」三浦雅士、鹿島茂 文藝春秋
2005年1月「この著者に会いたい 『後鳥羽院第二版』」尾崎真理子 Voice 80歳
―06年5月<双六で東海道> オール読物
「歌仙 焔星の巻」大岡、岡野 図書
5 『綾とりで天の川』文藝春秋
6月「三吟歌仙 夏芝居の巻」大岡、岡野 すばる
8月「歌舞伎座の襲名興行全演目を観て 新しい勘三郎の時代」勘三郎、関容子
東京人
「特別鼎談Ⅱ「昭和二十年」を語ろう」井上ひさし、鳥居民 文藝春秋
<丸谷さんの傘寿をお祝いする会>が東京で開催
9 『いろんな色のインクで』マガジンハウス
『書きたい、書けない、「書く」の壁』ゆまに書房
(シリーズ日本語があぶない)
11 「鼎談 決定版・世界文学全集を編集する」三浦雅士 鹿島茂 文芸春秋
『おっとりと論じよう』文藝春秋
2006年1月<扇谷正造と斎藤明が作ったもの> 新聞研究
3月「賢い患者は日本語が上手」中井修(九段坂病院副院長)文藝春秋
6-07.9 <月とメロン> オール読物
「歌仙 海月の巻」大岡、岡野 図書
7月<『雲のゆき来』による中村真一郎論> 群像
9月<随論 六日のあやめ> 国華
『文学全集を立ちあげる』文藝春秋(鹿島ら)
10月「ロングインタビュー「文学全集」と私」 本の話
11「三吟歌仙 颱風の巻」大岡、岡野 すばる
『双六で東海道』文春 81歳
(文化功労者)
7 『袖のボタン』朝日新聞 82
9月<近代といふ言葉をめぐつて> 文學界
10-09.3 <人形のBWH> オール読物
2008年1月「歌仙 まつしぐらの巻」大岡、岡野 図書
3 『蝶々は誰からの手紙』マガジン 83
渡辺淳一との対談(『吉行淳之介対談集 やわらかい話2』講談社文芸文庫)
『歌仙の愉しみ』大岡、岡野 岩波新書
5月「三吟歌仙 春着くらべの巻」大岡、岡野 すばる
『月とメロン』文春
6月「「KY」が日本語なんて 言葉をめぐる憂国の鼎談」井上ひさし、大野晋
「戦争と艶笑の昭和史」対談・半藤一利 オール読物
9月「三吟歌仙 鮎の宿の巻」大岡、岡野 すばる
10月「がんばれ!日本語」対談・井上ひさし 文藝春秋スペシャル
2009年1月<むらさきの色こき時ー源氏物語千年紀に> 文學界
「歌仙 案山子の巻」大岡、岡野 図書
2月「昭和とは何だったか」半藤一利、山崎正和 文藝春秋スペシャル
4月ー21年9月<人魚はア・カペラで歌ふ> オール読物 84
7月<空を飛ぶのは血筋のせいさ ジョイス『若い藝術家の肖像』について>
すばる
10月 新訳『若い芸術家の肖像』集英社
11 『人形のBWH』文春
2010年2月『若い芸術家の肖像』で読売文学賞(三回目)
3 『人間的なアルファベット』講談社 85
9月<竹田出雲よりも黙阿弥よりも>(井上ひさし追悼) 新潮
『あいさつは一仕事』朝日新聞
12 『星のあひびき』集英社
7 『樹液そして果実』集英社 86
「誰も指摘しないこと」湯川豊 青春と読書
10「持ち重りする薔薇の花」 新潮
11月 『持ち重りする薔薇の花』新潮社
(文化勲章)
「日本のビジネスマンには教養が足りない」尾崎真理子 Voice
<書店に必要なもの> 文學界
10月13日 没
12月「茶色い戦争ありました 思へば遠く来たもんだ3」 文藝春秋