甘えるな「一般人」

 個人情報保護法成立前にはあんなに反対していた左翼の人たちは、なぜこの法がもたらしている害についてもっと騒がないのだろう。(それとも騒いでいるが目立たないだけか?)
 実に不思議なのは、大学院生の実名などが平気で大学のサイトで見られることで、あれはいいのか。その一方、アマゾンにレビューを書いて、ウィッシュリストから名前が分かって、罵倒されたからといって、私が非常勤講師をしている東大にメールで抗議してくるやつがいる。『タバコ有害論に異議あり!』にへんてこレビューを書いたUである。こいつ、ウィッシュリストから分かったことくらい分かっているだろうに、私がわざわざ実名を調べた、悪質だと言い、個人情報がどうこう言っているが、個人情報取り扱い業者でもない私には、新聞の投書欄に出ていた名前をあげて批判するのと同程度のことでしかない。文句を言うなら、「ウィッシュリストを作成すると実名が表示されます」とでかい注意書きをしておかなかったアマゾンに言うべきである。だいたい、ウィッシュリストって何? あれをみて「この人にプ・レ・ゼ・ン・ト」とか言って送ってくるなんて、少女小説みたいなことが本当に起こるのか?
 そのU、警察へ相談に行くとか言っていたが、バカなことを書いてバカと言われて、取り上げる警察はないと思うぞ。あなたが警察署長の息子とかならいざ知らず。しかも、自分の実名でグーグル検索すると90件以上出てきてそれが小谷野氏の悪罵に繋がっているから困る、これは小谷野氏とその関係者がリンクを張ったりして、などと言っているが、私が試しに検索したら、5件しか出てこなかった。嘘をつくな。
 だいたい、私に文句があるなら、私に直接言ってくるがいいではないか。警察はどうせ取り上げないから、民事訴訟でも何でもするがいい。もちろんその場合、書類は公文書になるから、実名を公開するなもクソもなくなるがね。
 断っておくが、井上はねこを始め、私が訴えると言っているのは、直接対話を呼びかけてもまともに返答しなかったやつに限られる。
 「一般人」だから、匿名でも許されるとか、甘えたことを言うんじゃない。すぐに「反論の場がない」などと言うが、もし反論を寄せてくれたら、私がここで発表してやるよ。だいたい匿名擁護者の佐々木俊尚など「フラット革命」とか言うが、フラットと言っておきながら、実名を出されると、俺は一般人だ、では二重基準だろう。荻上チキよ、ではなぜあなたは変名を使い、正体を隠すのか、理由を説明してもらいたい。先入観を与えないため? いや、荻上チキ名義の著書が出る前に、荻上チキに関する先入観は十分に形成されていると思うがね。

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http://ttchopper.blog.ocn.ne.jp/leviathan/2007/09/post_4ad4.html#comment-6606164
久しぶりに川端裕人に質問してみました。しかし、川端も変な奴をまじめに相手にしていて、いいのかねえ。

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最近、朝日新聞を読んでいないので、「匿名」で検索してみたら、佐藤俊樹の文章が出てきた(4月14日)

 大げさにいえば、一対一の真剣勝負。だから、実名で書かれたものには実名で評する。こちらが実名ならば、書評にせよ、書評の批評にせよ、名前を匿して言われたことには応答しない。それが常識だと考えていたのだが、どうもそうではないらしい。
 あらためて見回してみると、特に今の40代前半以下の書き手には、匿名のネット世論を気にしているような人が少なくない。それも作家や評論家の人だけでなく、大学教員まで。
 作家や評論家の人は不特定多数の読者が相手だ。匿名の反応を気にせざるをえないが、大学教員は固定給である。極端な話、世の中にウケなくてかまわない。むしろ固定給とは、身近な、短期間の評価を気にせず、長い目でみて仕事しろという注文なのに、なぜ気にするのだろう?
 もちろん、本でも書評でも、書く以上、読者の反応は気になる。私も以前は、読んでくれた人の反応をネットで「調査」して、読者対策に使ってきた。けれども、だんだん嫌な感じが募って、覚悟をきめて無視することにした。
 それは一つには、私もネットで匿名で書くことがあるからだろう。後先を計算せず、気ままにのびのび書ける。そういう書き方も好きだ。

驚いたね。匿名で書いていますと自白している。それと前半、「誤った認識が世間に広まる」といったことについて、この東大准教授は何も懸念していないようだ。それに「作家や評論家/大学教員」としているが、専任じゃない大学教員のことなんか、眼中になし、ってところだ。エリート学者は凄いね。
 実名なら相手にすると言いながら、私の問いには決して答えない佐藤である。これも実名でしているが、自分に都合が悪ければ、実名でも応答しないのが佐藤のやり方だろう。