「SPA!」10月2日号の137pに、「信用できる/できない文芸評論家」のランキングが出ている。といっても、書店員にアンケートして、21人からしか回答が得られなかったものらしい。信用できるのは、1、池上冬樹、2、豊崎由美、3、北上次郎、4、小谷野敦、5、千街晶之。信用できないほうは、1がダントツ9票で福田和也、2位は「特になし」3が豊崎さん、4が坪内祐三、5が糸圭秀実である。さあ、信用できないほうに、同誌に連載対談を載せている二人が入ってしまった編集部は大弱り。豊崎さんに対する悪評をたくさん引用し、福田については、それだけ存在感があるから、とか、書店員にとっては、手厳しい批評は本の売り上げに結びつかないから、などと、これ弁護に努めているが、それなら豊崎さんのように両方に出ていないのはなぜか、ってことになる。
まあしかし、信用できない文芸評論家というのは、悪く言うときより、褒め書評の時により明瞭に現れる。普通の書評で、いい本なのに敵陣営だからくさすとかいうことは、さすがにやらないからである。福田でいえば、古井由吉先生、ヨイショし過ぎとか、いろいろある。
しかし、娯楽小説書評家が多い中、私に投票してくれた三人の書店員さん、ありがとうございます。やはり、見る人は見ているんだなあ。
『新潮』10月号の福田和也の連載の冒頭から「すべからく」が誤用されている。