2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

竹田出雲二代(第五回)

まさに竹本座の黄金時代が訪れた。この機を逃さず、出雲ら三人は「仮名手本忠臣蔵」の製作に取り掛かった。ほぼ五十年前に起きた、赤穂の浅野内匠頭による高家・吉良上野介への江戸城内での刃傷と切腹、大石内蔵助に率いられた四十七人の浪人による吉良家討…

竹田出雲二代(第四回)

翌寛保三年(一七四三)四月には、出雲の単独作として「入鹿大臣皇都諍(いるかだいじんみやこのあらそい)」が上演された。『日本書紀』に題材をとり、独裁者・蘇我入鹿を倒すために中大兄皇子が活躍する話で、入鹿の妹の花橘姫が皇子に恋し、兄を殺すよう…

竹田出雲二代(第三回)

翌享保二十年(一七三五)九月には、出雲と文耕堂合作の「甲賀三郎窟物語(いわやものがたり)」が上演された。また十一月には、二代目義太夫が禁裏から上総少掾を受領した。 翌年二月には、「赤松円心緑陣幕」が上演されたが、これは、文耕堂と三好松洛の合…

竹田出雲二代(第二回)

享保十一年(一七二六)、出雲の妻が死んでいる。出雲にとってはつらい時期だった。その年は出雲は「伊勢平氏年々鑑」を書いて九月に舞台に載せている。翌年四月には「小野炭焼・深草瓮師・七小町」という変わった趣向のものを書いて上演した。草紙洗小町、通…

竹田出雲二代(第一回)

序言 死去した橋本治には『浄瑠璃を読もう』(新潮社)という著作がある。その中で、「菅原伝授手習鑑」「義経千本桜」「仮名手本忠臣蔵」の三大名作とされる浄瑠璃は、いずれも竹田出雲、並木千柳(のち宗輔)、三好松洛という「三人の劇作家」によって書か…

ショッカーその他

ウルトラシリーズでは、「ウルトラマンA」の前期におけるヤプールのような固定敵はいないが、一話完結型戦闘特撮やアニメでは固定敵がいるのが普通である。ここで固定敵の名前を一覧にしてみた。 *ジャイアントロボ BF団(ギロチン帝王)*マグマ大使 ゴア*サ…

文芸評論の真実

私は、新潮社とかの大手文藝出版社から文藝評論の本を出してもらったことがない。といえば『片思いの発見』があるじゃないかと言われるかもしれないが、あれは文藝評論扱いではないのだ。確かにハードカヴァーだが、『新潮』に載せたものではない。その後『…

作家の長者番付

新聞記事から、作家の長者番付の変遷を調べてみたが、2005年以降、発表されなくなったので、今どうなっているか分からないのは不便だ。死んだら除かれるから西村京太郎ではないだろうが、今は一位は誰なんだろう。〇は初登場。 1965 1,山岡荘八、2,松本…

斎藤幸平「人新世の「資本論」」アマゾンレビュー

「NAM」再びみたいな感じ星1つ、2022・4・7前半部分は分かりやすく、気候変動の危機(とその原因が資本主義であること)について語っている。中ごろへ来ると、マルクスの晩年の思考の考察になってくるが、著者の専門は哲学であって経済学ではないので、マル…

呉智英「バカに唾をかけろ」アマゾンレビュー

元左翼の坪内祐三擁護星2つ、2022・3・20 前に出た『衆愚社会日本』の続きで、『週刊ポスト』に連載されたもの。149-150ppに珍妙なことが書いてある。坪内祐三が死ぬ直前の文章で、悪いことが続くのは天皇霊が弱いからじゃないかと思っていたが、平成とい…