帰国チャイルド

 実にこの、言い換え語には腹がたつ。男は看護師、女は看護婦で何の支障もないのに、看護師と言わなければいけないのだと思い込んでいる奴が多い。そういうのって、戦前、お国の言いなりになった愚かさと同じなんだがな、左翼はそんなことは一切批判しないのだ。スチュワーデスだって別にそれでいいのに、客室乗務員だのキャビンアテンダントだの、つい、アンクル・トムズ・キャビンアテンダントとか下らない洒落を言いたくなる。
 「帰国子女」も一時期問題になったが、うまい言い換えが見つからなかったようだ。これは私も、男は子、女は女というのはいかんから変えた方がいいと思うが、「帰国子供」じゃおかしいから「帰国チャイルド」とやればいい。ほら、お前ら英語好きだろ。日本政府の米国追随は許せんが、反米的な米国の大学教授の言うことは大好きなバカ左翼どもよ。
 ところがこれが採用されていないのは、日本人は単数と複数の区別ができないからで、「彼は帰国チャイルドで」と「帰国チルドレンの皆さんに」とか区別して言えないのだ。
 何しろ「ファースト・チルドレン」ってそれは二人以上いるのか、というような言葉を使うアニメが大人気だしね。そういうの新聞でどんどん批判すればいいのにね。でも新聞記者も「辻元清美土井たか子チルドレン」なんて書くバカぞろいだから、言えないのだね。
 その点、focusのはずなのに文字が四つしかなくて悩んでいる米国のおばさんに、複数のfociではどうですか、って教えた大江健三郎は偉い。