2016-01-01から1年間の記事一覧

大江健三郎年譜

1850年 曾祖父・八三郎生まれる。 1855年(安政2)内ノ子騒動 1866年(慶應2)奥福騒動 1894年(明治27)父・好太郎生まれる。祖母はフデ。 1902年(明治35)母・小石生まれる。 1914年(大正3)20歳の父と12歳の母が結婚。 1919年(大正8)祖父この頃死…

http://www.support-asano.net/menu/textpage/t-news4/news4-1606-1.html 今は同志社との裁判になっているのにいつまでも「文春裁判」を表題に掲げているのはどういうわけか。まあ浅野健一のような北朝鮮のスパイみたいなやつは放り出したほうが同志社のため…

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1262079657 太宰治の「緒方氏を殺した者」の「緒方氏」が誰だか分からなくて訊いたら答えるほうも分からなかったという「知恵遅れ」の本領発揮である。 「僕は、はじめ尾形亀之助を考えました。し…

栗原康の伊藤野枝の本が売れているらしい。私は伊藤野枝が好きなので、野枝の伝記が広く読まれるのは歓迎である。まあ破天荒な文章だが、著者は経済的基盤はよくなさそうなので売れてよいことだ。しかし岩波でよく「白痴」を認めたものだ。シナはダメだが白…

斎藤美奈子は『趣味は読書』(2003)で、普段から本を読んでいる人などというのは、国民のごく少数派なのだと書いていて、私は目ウロコで、それ以来、百万部売れても日本人全体の一パーセントだと言い続けている。 ところがその斎藤が『週刊朝日』で柄谷の『…

一か月ほど前に届いたシンポジウム記録『ポストモダンを超えて』のあとがきで、編者の三浦雅士は、チョムスキーについて、ヒト誕生から十万年で言語の獲得などという進化論的突然変異が起こるのはおかしいと書いていて、むしろマイケル・トマセロらの仮説の…

ツイッターでどこかの学者らしい人が書いていた、子供向け伝記なのに野口英世の濫費を描いたものというのは、福和すみえ『この人を見よ!歴史をつくった人びと伝 野口英世』(ポプラ社、2009)であろう。なお表紙の著者は「プロジェクト新・偉人伝」で、福和…

明治書院の『昭和文学年表』全七巻はすばらしいもので、昭和期の文藝の総覧になっている。文藝誌はもちろん、新聞からも拾ってあって、『婦人公論』など漏れもあるが、日本近代文学に関心のある人は座右に置くべきものだ。 ところが、刊行当時、売れないのを…

道路交通法の穴

近所の中学校は図書館の隣にあるのだが、下校する中学生がそこから踏切まで、左側通行をしているので、中学校に電話をかけた。その反対側には大きな団地式マンションがあり、そのわきに歩道がある。 ところが中学校では、警察で、そこはいいと言われたと言う…

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20160302 教えてくれる人があって知ったのだが、ここに出てくる井上美奈子という人は、 茅辺かのう 1924年-2007年3月 || カヤベ, カノウ 本名・井上美奈子。京都市出身。東京女子大学英文科卒。 という人らしく、以下著書…

『別冊宝島 現代文学で遊ぶ本』(1990)で武藤康史が「大西巨人は老いたか?」という奇妙な文章を書いている。武藤は当時33歳くらいか。映画好きで保守派な感じの文章で知られていたから、大西巨人なんか読んでいるのが意外だったが、パーティで初老の人物か…

オカルト井上忠

http://www.nanfes.jp/turezuremushi/15.html 松浦寿輝が井上忠の授業について語っている。私も一年の時いのちゅうの授業を受けたが、買わされた『哲学の現場』は五千円くらいした上に何を言っているのか分からなかった。松浦の文章を見て、あの人は…と思い…

宮木あや子『校閲ガール』

宮木あや子の『校閲ガール』がやたら面白かった。もっとも最初の『花宵道中』は私の嫌いなおいらんものだからダメ。 ヒロインがキュートで、私の知らないブランドや食べ物の名前がバンバン出てくる。そういうものとの距離の取り方がまた絶妙だし、文章が異様…

大阪大学名誉教授(美学)上倉庸敬(1949年- )の唯一の単著『フランス美学 涙の谷を越えて』(創文社、2009)のあとがきには、無気味なことが書いてある。これは2007年阪大学位論文がもとだとして、 その論文自体、同僚だった大橋良介教授(・・・)が、ご…

http://bookshorts.jp/ishiishinji/ 先ごろ三島賞候補になり、蓮實先生が「とるべきだった」と言ったいしいしんじというのはどういう人かと思いこのインタビューを見てぶったまげた。なにこの有力編集者との友達づきあい。もしかして大学の友人とかなの? そ…

「指輪物語」と恩田陸

話題の『精霊の守り人』をちょっとのぞいてみようと新潮文庫を買ったが、くノ一+ナウシカ+記紀神話みたいでどうもいかん。主人公が30歳の女というのはいいが、色気がない。子供の読物だろうと思ったし、共和主義者の私には、皇子を守る、ということに一向に…

夏目漱石が「I love you」を「月がきれいですね」と訳せと言ったというのは都市伝説らしいが、これは長山靖生の『「吾輩は猫である」の謎』(文春新書、1998)に、 「漱石は、ある時、英語の授業でI love youを「我、汝を愛す」と訳した生徒に「馬鹿、…

マシャード・デ・アシスと二人の女

ブラジル19世紀の作家マシャード・デ・アシスは、どこでだか知らないが「ブラジルの夏目漱石」と言われているという。二つの長篇に日本語訳が二つずつある。刊行順に並べると、 『ドン・カズムーロ』デ・アシス 著 ; 伊藤奈希砂, 伊藤緑訳 彩流社 2002.2. 『…

凍雲篩雪(四月)

小保方晴子を攻撃し続ける人たち 今回は別のことを書くつもりだったのだが、小保方晴子について攻撃を続ける人たちがいるので改めて書く。佐藤優は『文藝春秋』四月号で、サイエンスライターの緑慎也と対談しているが、なぜ対談相手を佐藤貴彦にしなかったの…

新刊です

反米という病 なんとなく、リベラル作者: 小谷野敦出版社/メーカー: 飛鳥新社発売日: 2016/03/09メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る

http://ameblo.jp/muridai80/ http://ameblo.jp/muridai80/page-3.html

谷崎研究者のたつみ都志先生の旧姓が富山であることは初期の論文から分かっていたのだが、父上は富山忠三という関西大学商学部教授だった方であると分かった。著書はなく、以下略歴である。 1902年1月2日 鹿児島市において仲吉の三男として生まれる。 1920年…

20世紀後半から書かれ始めて、次第に増えている、純文学におけるある長篇小説の書き方というのがあって、それは多数の固有名詞、または普通名詞だが固有名詞的な、薬、兵器、家具、身の回り品の名称をやたらと放り込んである小説である。 最初にそういう小説…

大阪の春日井ひとしという方から小冊子『昭和八年の里見とん』が届いた。私の里見伝と久米伝の訂正もある。明治大学文藝科で里見が学生を演劇に連れて行ったり俳優を教室に呼んだりしたのは里見一人のことではなく学科の方針だったという。 久米伝のほうでは…

月曜に、久しぶりに本郷の江知勝へ行ったら、個室なのに灰皿がなく、外で吸ってくれと仲居が言う。驚いて店主を呼んだら、東京都から、禁煙にするよう要望が来ていると言う。課長通達かと思ったから訊いたら、「いやそれが誰からか分からないんですよ、ただ…

石原慎太郎の「ある失踪」

石原慎太郎の「ある失踪」(『文學界』2015年5月)が川端文学賞の最終候補になっていたので読んでみた。これはある74歳の老女が、夫が死んだあとボケて失踪し、下田あたりで保護されて施設に二年くらいいて、それが「ミコモト」と言うので施設の男が探訪する…

「魔王」の子供は病気か

ゲーテの詩にシューベルトが曲をつけた「魔王」は、学校の音楽の時間に教わるのでよく知られている。荒義剛(1920年- 、いわき短期大学教授)の『魔王異聞』(批評社、1992)には、この曲が、子供が熱病で死んだという通説に出会って著者が驚くというエッセ…

「ウルトラマンX」で、隊長の娘が結婚するという回があり、いったいいくつなんだと隊長役神尾佑の年齢を見たら45歳で、まあぎりぎり、22歳で産んで娘23歳とかありかなあと思ったが、隊長の娘ネタといえば「帰マン」の根上淳の娘が12歳くらいで登場する。そこ…

土橋悦子 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%9F%E6%A9%8B%E6%82%A6%E5%AD%90 船橋市西図書館蔵書破棄事件https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%B9%E6%A9%8B%E5%B8%82%E8%A5%BF%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E8%94%B5%E6%9B%B8%E7%A0%B4%E6%A3%84%E4%BA%8…

人形劇「真田十勇士」は断片的に録音してあるのだが、『NHK連続人形劇のすべて』に、台本を見てのあらすじでは、1977年2月2日からの一週間が空白になっているが、これは柴錬の原作を見ても分かるとおり、呉羽自然坊と筧十蔵が加賀の前田利常のところへ行…