斎藤美奈子は『趣味は読書』(2003)で、普段から本を読んでいる人などというのは、国民のごく少数派なのだと書いていて、私は目ウロコで、それ以来、百万部売れても日本人全体の一パーセントだと言い続けている。
 ところがその斎藤が『週刊朝日』で柄谷の『憲法の無意識』を評して、憲法関連の本が売れているがこれも国民の無意識かなどと書いている。樋口と小林節の本が六万部とかあったが、そりゃ国民の0.06パーセントでしかないのである。『カエルの楽園』は二十万部超えている。
 駿馬も老いては駑馬に劣るか。