ウルトラマンとマグマ大使

ウルトラマンの成立については、はじめベムラーという、日活のガッパみたいな造形の、人間の味方をする怪獣を考え、それからレッドマンというゴツゴツしたヒーローを考え、それからウルトラマンになったとされている。

 しかし、ウルトラマンより早く放送が始まった「マグマ大使」を見ると、もともと手塚の原作があり、「ビッグX」もあって、人間に近い巨大ヒーローというアイディアは円谷にもあり、それとは違うものを考えたが、結局はマグマ大使寄りのものになったということかと思う。マグマ大使は当初、人間の顔を出す案もあったというが、それだと巨大感が出ないことは、シルバー仮面ジャイアントになる時の処理で逆に証明されている。

 だから、ベムラーとかレッドマンというのは、むしろ最初にマグマ大使的なアイディアがあって、それとは違う方向も考えてみた結果なんじゃないかなあ、という気がしている。