ゴジラが成功したために、ガメラとかモスラとか、動物名にラをつけると怪獣の名前になるという一般則が日本語において成立した。これがガッパだったらそうはいかないだろう。怪獣は突然変異でない限り二匹以上いるはずなので普通名詞である。
東宝映画では、モスラ、モゲラ、ドゴラ、キングギドラ、ミニラ、ガバラ、ゲゾラ、ヘドラ、がおり、大映ではガメラ、ジグラ、松竹にギララがいる。「ウルトラQ」ではリトラ、ペギラ、トドラ、「ウルトラマン」では、ベムラーという「ラー」型が最初で、モングラーというのもいたがここでは別とする。あとはゲスラ、グビラ、ゴモラ、ガボラ、ガマクジラ、バニラ、ヒドラ、キーラである。うちモゲラは、モグラではそのままなのでちょっと変えたか。ガバラはカバラだと別の意味になるからか。リトラはリトルからか。ペギラはペンギンだというのだが外見が全然ペンギンに見えない。のちチャンドラーに変わるが、英語圏では姓になる。ゴモラも西洋では聖書に出る町の名。バニラは香辛料。ヒドラは多分火の鳥。「マグマ大使」ではバドラ、ピドラ、ジギラ、キンドラ、「ジャイアントロボ」では、ダコラーなど「ラー」型はいるが「ラ」はいない。「ウルトラセブン」は異星人主体だからガブラしかいないが、アギラというのもいて、しかしこれはアギラーのような気もする。「帰ってきたウルトラマン」ではゴキネズラだけで、つまり「××ラ」のネタが尽きたのである。「スペクトルマン」では「ラー」型はあるが「ラ」はない。ところで三つ首竜とされている怪獣は「ミツワニドン」となっていることもあった。
「ミラーマン」はハリゴジラという変なのがいるだけ。「ウルトラマンA」ではカウラ、フブギララなのだが、カウラは、久しぶりの本格「××ラ」なのだが、カウは牝牛だという哀しい運命を背負っている。「ウルトラマンタロウ」では、今まで封じて来たみたいなバサラ、ケムジラ、キングゼミラ、ロードラ、マシュラ、サメクジラで、「流星人間ゾーン」ではドロラ、ガロガゴリラ、ザンドラ、「魔人ハンターミツルギ」ではカネクジラ。もうこのあたりになると、名前を考えるの疲れたよという雰囲気が漂う。
「ウルトラマンレオ」ではベキラ(漢文?)、キララである。私は小学三年生の時に巨大ヒーローもの漫画を書いていて、百体くらい怪獣の名前を考えて図まで描いていたので、参考に円谷プロに送ればよかった。
「ウルトラマン80」では(これは全部観てない)タブラ、ギマイラ、ゲラ、ザキラ、ゾラ、ガゼラ、ずっと飛んで「ウルトラマンティガ」ではガルラくらいか。ところで「イーヴィルティガ」って発音違ってるんだよね。evil の発音はイヴル。