山田みづえ「風のこゑ 次女ものがたり」Amazonレビュー

四点

谷崎潤一郎の「源氏物語」の校閲をした国文学者・山田孝雄の次女みづえは、のち俳人となり、句集や随筆集を出したが、これは随筆のほうで、若い頃、昭和十年から敗戦直前までのことを描いている。はじめ珍妙な俳句的文章だと思ったが、だんだん慣れてくるとこれは名著かもしれないよと思う。太宰「女生徒」とちょっと似た感じの当時の女生徒の文章で、「赤と黒」なんか読んだことを正直に日記に書いたため操行が丙になったとか、女学校の男の先生が女生徒の足にサロメチールを塗ってセクハラしているのの告発とか、男なら帝大へ行っただろうと言われる頭の良さ、利かぬ気ぶりがとてもいい。

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