2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

島本和彦の『アオイホノオ』を読んでいる。ドラマは観なかった。「フィクションです」と書いてあるが、まあ島本の若いころを描いた「私漫画」である。大学時代から始まっているが、島本は私の二つ上なのでわずかにズレがある。島本はもちろん漫画家を目ざし…

手紙は文筆家にはお仕事

昔、筒井康隆の本の挿絵だったと思うのだが、山藤章二が、自分が激怒している絵を描いて、時おり、自分の写真を同封して似顔絵を描いてくださいと言ってくる人がいる、商品をくれと言っていることに気づいてないのだ、とあった。 しかしそうなると、作家や文…

有馬頼義と澤地久枝

澤地久枝(1930- )が元中央公論社の優秀な編集者で、三枝佐枝子のあとの『婦人公論』編集長と目されていながら、作家・有馬頼義(1918-80)とのダブル不倫がもとで退職したことは知られている。 有馬の妻は元芸者で、親の反対を押し切って結婚したが、その…

日本語が不自由なウィキペディア 鉄鼠の檻http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%89%84%E9%BC%A0%E3%81%AE%E6%AA%BB 「だがその「明慧寺」は京極堂こと中禅寺秋彦をしてその存在を聞いたことがないという寺でもあった。」 「関口をして「檻」と形容する明慧寺。…

観ずに知る映画

曽根中生の映画『嗚呼! 花の応援団』を初めて観たのだが、原作は読んだことがない。映画は1976年で私は中二だったが、「ちゅわんちゅわん」「クエックエー」などという青田赤道のことは知っていた。こういう、知っているが観たことはない、読んだこともない…

西沢正史さんの嫌がらせ

(この文章はSofTalk ゆっくりさんで読み上げると味わいがあります) これまでの経緯 http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20130220 http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20140520 この二度目のメールの時、私は「あなたは頭がおかしいのでは」と書いたのです…

エドワード・ベラミーの『かえりみれば』という未来小説がある。1886年に米国で出されたもので、かつては岩波文庫にも入っていた。その当時米国では未来小説がはやっていた。これは、一人のアメリカ人男が、2000年にタイムスリップする話で、社会主義的な未…

西部邁と秋山祐徳の対談本『ポップコン宣言』(カッパブックス)は1995年のものだが、中で、前年ノーベル賞を受賞した大江健三郎を西部が批判して、実は前に、大江と対談がしてみたいと言い、編集者も乗り気になって、申し込んだら、あの方のことは存じ上げ…

怪獣の名前の「ラ」

ゴジラが成功したために、ガメラとかモスラとか、動物名にラをつけると怪獣の名前になるという一般則が日本語において成立した。これがガッパだったらそうはいかないだろう。怪獣は突然変異でない限り二匹以上いるはずなので普通名詞である。 東宝映画では、…

『大波小波』(小田切進編)の第三巻で、匿名を卑怯だとする大江健三郎への反駁文(1959年)が載っている。「アヴェルティセール」(角笛、サイレン)の名で、大江を痛罵し、「怒れ、おこれ。しかし文学が怒りから生まれたためしはないはないことを思うべき…

理由が書いてない

先日手紙をよこした方が、私の本を全部読んだわけではないがと断った上で、近松秋江がなぜいいのか理由が書いてない、と書いていた。そういえば以前も、立川談志が天才である、と書いて理由が書いてない、というレビューがあった。 まあそれは、あなたはいい…

柴田翔「されどわれらが日々ーー」の映画

柴田翔の『されどわれらが日々ー』を原作とする映画『別れの詩(うた)』は、観たいと思っていたのだが、ヴィデオが高値がついていて手が出ずにいた。すると、見知らぬ人からディスクを送ってくれた。そこで観たのだが、「はて、これは」と思ったのは、原作…

松岡正剛『ひかりごけ』の「カーニバル」

http://1000ya.isis.ne.jp/0071.html 久しぶりの松岡正剛ネタである。 「フランスでドラムカンに人間を煮詰めて食べたという、いわゆる佐川事件である。そして、これを唐十郎が『佐川君からの手紙』として作品にした。 人肉を食べること、これをカニバリズム…

アンジェリカの謎

日曜の夜、大河ドラマのあと、NHK−BSプレミアムで『そこをなんとか2』を観ている。本仮屋ユイカが弁護士をやるドラマで、先輩弁護士の市川猿之助がかっこよく、ユイカの演じる改世楽子は猿之助が好きらしい。弁護士ものドラマにありがちな、法廷で熱弁…

ユーミンは嫌い

私はどうも松任谷由実が嫌いである。「瞳を閉じて」は、中学生のころ「みんなのうた」で流れて、歌っていたのはユーミンではなかったから好きだが、ほかの歌はちっとも感心しない。といっても、はやっていたころから全然聴いていなかったので、その後ぼちぼ…

犬刺傷事件?

謎なのはこの写真である。 なぜ治療が済んだあとの写真なのに、犬の服に血の跡みたいなのがついているのか。しかもこの色、血の色ではない、ピンク色である。 また、盲人の名は出てこないが、友人で動物愛護団体のNPO法人「アニマルグリーンアップル」の…