「人権」について

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100619/p4
 とりあえず言っておくと、警察官が質問のため自宅を訪れたら、任意であるから追い返してもよい。
警察官は公務員であり国家の一部である。私は公務員ではないが、これは重要で、もし私が外務省事務官であったら、それはまったく様相が異なってくる。
 公務員が一国民と向かい合った時、公務員に、少なくとも狭義の「人権」はない。人権があるのは私である。人権があるということは、公務員は法に定められていないことを国民に強要できないということである。むろん現実にはあちこちでそれは無視されているのだが、それが本来の「人権侵害」である。一般人が何何を差別したりするのは、「人権侵害」ではない。この場合警官は、録音してはならないという法がない以上、禁止することはできない。
 逆の例もある。昔国会議員の楢崎弥之助が、リクルートの社員が土下座する姿を隠し撮りさせたことがあって、当時道義的に批判されたが、これはまさに人権侵害なのである。いかなる小党であろうと国会議員は国家の一部であり、相手が渡辺恒雄であろうが堤清二であろうが、それは一国民なのである。
 こういうことはハイエクも書いているが、授業料も取らずに「人権」の本来の意味について詳細に教えてくれたのは宮崎哲弥氏である。
(付記)なお「私人間の憲法効力」というのがあるので、渡辺恒雄や堤のような大企業社長の場合は人権侵害を行いうるとする学説もある、と宮崎氏よりご教示。むろん『私人間の憲法効力論』は持っております。

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そういえば、私は賭博というのが何が面白いのか分からない。ドストエフスキーが好きじゃないのも、あれが賭博狂だからで、子供の頃から、大人たちが「じゃあ、賭けるか」などと言うのを聞いて、そんなことをして何が面白いのだろうと思っていたし、大人になってからも、ご禁制だとかそういうことに関係なく、分からない。場外で馬券を買って当たらなかったが、仮に当たってもそのまま儲けたと思って帰っただろう。宝くじも株も買ったことがないが、宝くじの方は、もしかしたら大学生時代、同級の女子が買うのにつきあって買ったかもしれない。何だか「わくわく」したりするそうだが、全然理解できない。
 その上酒も飲まないのだから、これで煙草を吸わなかったら私は聖人君子になってしまう(いやそんなことはないか)。