国民の権利

 国会図書館が、著作権が生きている著作のコピーを半分までしか許さないのはよく知られている。しかし、よほどのバカでない限り、国会図書館で全部複写しようとするのは、普通では手に入らない著作物なので、全部複写しても著作権者に損害は与えない。もし現在流通している本を全部複写したら、国会図書館の料金では、買うより高くつく。また地域図書館を通じて借り出せば複写できる。だから原理的にも現実的にも無意味な規定である。著作権法を改正すべきである。
 さて、以前私は、国会図書館で、あるパンフレットの後半部を複写しようとした。館員は、「これは前に前半を複写しましたか」と訊いてきた。私は、「その質問に答える義務があると法令に定めてありますか」と問うた。館員は、ないです、と答えた。
 国会図書館員は国家公務員であるから、憲法に従う義務があり、国民は国家公務員から、法令に定められていない質問を受けても答えない権利がある。宮崎哲弥が常々言っている、憲法に違反できるのは天皇と公務員だけ、というのは、具体的にはこういうことをさす。