地震の名称

 1923年9月1日に起きた大地震は「関東大地震」であって、「関東大震災」は、その被害のことを言う。だから「関東大震災が起き」というのはちとおかしいのである。いつも私は「関東大地震」と書いて校閲からチェックされる。
 他の地震でも同じことなのだが、それはそれとして、「関東大震災」はどうも語として範囲が広すぎる。主たる被害は東京と神奈川県なので「京浜大震災」とでもするのがよかろう。
 それに対して「阪神・淡路大震災」とか「東日本大震災」とかは、別の意味でひっかかる。まず、前者を「阪神大震災」と言ってもいいだろうと思うのだが、あたかも言語統制のごとく「淡路」を入れなければいけないことになっている。また後者は、地震および津波による被害は、何も東日本全体に及んではおらず、東北大震災くらいが妥当だろうと思う。ここには、放射能が関東にもやってきたから東日本だという、何かそんな思惑がすけてみえるのである。