2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

東アジアの留学生でもつ学会

私が東大比較文学の大学院に入った時、韓国、中共、台湾など東アジアからの留学生が多いのに驚いた。たいていは、研究生をへて大学院に入り、博士号取得をめざす。だから、文学博士から学術博士に変わって最初の課程博士をとったのは劉岸偉さんだった。その…

サザエさん症候群

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%B6%E3%82%A8%E3%81%95%E3%82%93%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4 確かに、日曜の夜だから、「あー明日も学校だー」という気持ちになるという説明は分かるのだが、私の世代なら「八時だヨ!全員集合」のエンディン…

私のデビュー作(?)

1974年5月31日、小学六年生の時、朝日「小学生新聞」に載ったもの。

「ヌエ」と呼ばれた新島八重

中村勘九郎(のち勘三郎)と竹下景子のデュエット「浅野川慕情」のドーナツ盤を入手した。どうやら同題の、小幡欣治作の舞台のものらしい。『勘九郎日記「か」の字』(集英社文庫)の上演年表を見ると、1983年5月中日劇場での上演である。勘九郎28歳、竹下さ…

昨年だったか、「図書新聞」は私の本を書評しないが、それは過去にトラブルがあったからだと聞いた。私は全然記憶になかったので、勝手にあっちでトラブル扱いしたのだろうと思っていたが、古いメールを見ていたら、わけが分かった。2006年に、内藤朝雄との…

真夏竜のメイク

真夏竜(1950− )は、『ウルトラマンレオ』のおおとりゲンである。歴代ウルトラの中では、顔が…まあ、猿顔だった。 ところが数年前、『ウルトラマンメビウス』で久しぶりにレオ役で出演した時は、雲水姿で、形相もまるで違い、「おお、真夏さんが…」と感動、…

月報とボーナストラック

本には、月報という冊子がついているのがある。だがこれは、図書館では抜け落ちていたり、古書店で買うとなかったりする。そのくせ、世界文学全集などなら訳者略歴、古典文学全集とかなら校訂者略歴、谷崎全集とかなら書誌情報とか、重要なことが書いてある…

数日前のことであった。西沢正史という、『源氏物語』などを研究していて、70歳を超えた大学教授だった人から突然手紙が来た。それまで何のかかわりもない人だが、私の本が面白かったと書いていた。 だが、そのあと、ちょっと変なことが書いてあって、私の本…

諏訪根自子と大賀小四郎

アルファベータから、萩谷由喜子さんの『諏訪根自子』をいただいた。私は昔萩谷さんの『幸田姉妹』(ショパン)を読んで感心したことがあったが、その後は別の著書を読むこともなく打ちすぎていた。 諏訪根自子については、里見とんが『荊棘の冠』のモデルに…

大岡昇平の自伝

たぶん1990年2月の海部内閣での総選挙の前だったと思うが、「朝まで生テレビ」で、フロアからの意見を募った際、立った男が、今の政治家がいかに不真面目であるか、と述べてから、「その点、今度岐阜一区から出馬する野田聖子は…」と選挙運動を始めたので、…

悲しき文学研究者

筒井康隆の『文学部唯野教授』に、文藝評論家でもある英文学者が本を出したという話をしていて、聞いていた、著書もないような老教授が、「それは、いくらくらい出したのですか」と訊いて、唯野らが、この人は本を出すのに自分がカネを出すと思っているのだ…

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20130206 下のほうに書いておいた中野三敏先生のお尋ねに、早くも回答がついていた。それが、宮武外骨じゃなくて黒岩涙香だろうと、現代教養文庫に入っていた『蓄妾の実例』を『蓄妾論』としてあげているのだが、それくら…

先祖筋の悪口は許さない坪内

『週刊文春』で坪内祐三が、赤坂憲雄ら編『世界の中の柳田國男』(藤原書店)をとりあげていた。坪内にとって柳田は祖先筋に当たる。 はじめに言っておけば、私は「柳田國男を研究する」というのは、「民俗学者学」であって、マックス・ヴェーバー学とかマル…

昨日に続いて、ということになってしまうが、たまたま本日、稲賀繁美編著『東洋意識 夢想と現実のあいだ』(ミネルヴァ書房、2012年4月)を見ることができた。これは日文研の稲賀主催の研究会の報告書論文集で、木下長宏、小田部胤久、佐野真由子、李建志、…

藤原書店に敗訴

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20091120 http://d.hatena.ne.jp/sheepsong55/20120604/1338808808 以上の件で、藤原書店に対し、『環』への謝罪文掲載を求めて東京地裁へ提訴していたが、原告の社会的地位を低下させるほどのものではないということで敗…

團十郎

犬丸治の『市川新之助論』(講談社現代新書、2003年3月)を図書館で借りてきた。これが出たのは、大河ドラマ『武蔵』が始まってほどないころで、私は、講談社現代新書もつまらん流行ものを出すなあ、と思って手にもとらなかった。のち『市川海老蔵』となり岩…

ノートをとる

よく大学生が、試験の前に「友達からノートを借りて」といったことを言うが、私にはこの「ノート」がよく分からない。借りたこともなければ、とったこともない。いや、授業中に一応ノートは広げていたのだが、まともにとれたことがない。 なんでかというに、…

犬丸治の精神の退廃

http://theater-angel2.blog.so-net.ne.jp/2011-06-21 間違いは間違いとして私は逐一訂正しているが、匿名で他人を批判するというのは卑しいことであり、どうせどこぞの素人だろうと思っていたから、犬丸治というれっきとした歌舞伎学会会員で著書もあるやつ…

なぜ「自伝」か

図書館で『みすず』の読書アンケートを見ていたら、私も読んだ『ベンジャミン・フランクリン、アメリカ人になる』をとりあげていた人がいて、これは『フランクリン自伝』の読み直しのためのものであるなどと書いてあり、『フランクリン自伝』は日本では『福…

文藝美術国民健康保険

私はこういう国保に入っている。これは日本文藝家協会に入ると加入できる。 先日、この文美国保から、厚労省の指導で、文藝・美術にたずさわっているか確認したいという書類が来た。どうやらしめつけが始まったらしい。文藝家協会には、文学の学者の大学教授…

水海道小学校

私が小学校三年生の最初の二日ほどまで在籍した水海道小学校の歴史『仰ぐみどりの水海道小学校130年の軌跡』を入手した。2007年に出たものだが、昨年知って、入手するまでわりあい大変だった。もちろん書店取り扱いはない。まず小学校へ電話したのだが、二度…

絲山秋子の小説を原作にした映画「やわらかい生活」の荒井晴彦による脚本の『年間代表シナリオ選集』への掲載を絲山が拒否し、荒井が一円の損害賠償を求めて提訴し敗れた事件で、先日荒井および日本シナリオ作家協会からアンケートが来た。 原告敗訴で確定し…

どうも体罰体罰と騒がれると嫌な気分がするのは、昔の日教組系教員の公式見解を思い出すからである。私が教育実習に行った時、中学校の校長は、実習生たちを集め、誘導尋問みたいな形で、教員の体罰をまねしていじめが起こるのだと言い、さらにいじめをおこ…

海音寺潮五郎が、若いころ新保磐次(しんぽいわじ)の『趣味の日本史』を読んでいたと、『日、西山に傾く』に書いていたが、この新保というのは誰かと思ったら、竹田進吾という人の「新保磐次と歴史教科書」(『近代史料研究』2011)があった。1856−1932だが…

新刊です

[rakuten:book:16169503:detail]訂正: 44p アエネーアースはダイドーと恋に落ち→「ディドー」 56p:プロヴァンス語、オック語などを用いた→オック語と、その一つであるプロヴァンス語などを 58p イスラーム教はモーセやイエス・キリストを預言者として認め…